大垣さんは15年間住んだ

ドイツのデュッセルドルフから2年前に帰国。

現在は2匹の猫と、同じく美術作家である旦那さんと

茨城県に活動の拠点をかまえています。

 

立体を制作するためには広いスペースが必要不可欠だそうです。

庭は制作場所と化し、1階にある部屋は工具・作品置き場と化していました。

 

 

点描などの細かい作業やパソコンを使っての資料集めは、

2階の書斎にてするそうです。

ここには猫用のベッドが。

 

 

「自立していてきまぐれなんだけど、ふと気付くと傍にいる。

猫は人間との距離の取り方が天才的にうまい。

なにげない佇まいはインスピレーションを与えてくれる。」と大垣さん。

 

そういえば立体作品について話を聞いていた時にも

距離感という言葉が出てきました。

「立体って、削ったり、型どりしたり、行程がいくつかあって、

その間に自分のどろどろした感情がいい感じでそぎ落とされて、

作品になった時に丁度いい距離感がある。」

 

自身と出来上がった作品との間に生まれる距離感が

老人にも、若者にも、哲学者にも見える

少し離れた所にたたずむ猫のように、

大垣さんの想像力をかきたて

作るモチベーションのひとつとなっているのかもしれません。

 

思えば、大垣さんがモチーフとして使う

見上げればそこにある星空も彼女にとって

いい距離感にある存在なのでしょう。

何億光年という想像もつかないような距離からの光には、

人々の想像力をかきたて、受け止める

説得力とふところの広さのようなものがあります。

 

「スターテイルズシリーズ」は、星をモチーフに展開をしていきます。

「現実に生きる人間は神話の中の人物と遜色ないほど魅力的。

パワフルで矛盾に満ちている。」という考えのもと

現代の人間社会や日常の事象を星座に組成していきます。

 

 

最近ではその世界観は向こう側がうっすらと透けて見える

極薄の紙にも描かれています。

 

 

他にも星空を音へと変換したようなオルゴールの作品や

体内にある時とは全く異なる距離感で宙に浮く骨など

近づいているのか、離れていっているのか定かでない

独特の距離感が心地よくも想像力をかきたてる世界観つくり出しています。

 

 

 

大垣さんが好きな漫画のひとつにあげたのが

擬人化された子猫チビが主人公の「綿の国星」。

擬人化されたことで見た目は人間に近づいたけれども、

描かれる猫達の世界は、

人間の世界とはある一定の距離を持っていて

日常に潜むパラレルワールドを

見ているかのような感覚になります。

 

大垣さんの作品同様

近づけたり遠ざけたりすることで

様々な新たな側面を私達に見せてくれるのです。

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