今回ご紹介するのは、WHO和田昌宏号です。

様々な要素やアイデアで構成されている和田さんの作品。

 

例えば「Like a killing stone」という作品は、

毒ガスを出し続けた殺生石という妖怪や、

和田さんが中国を旅している時に見つけたという

石と石を物々交換する石のマーケットや、

フォークシンガーだったボブ・ディランが

エレキギター片手に淡々と演奏した「like a rolling stone」など

石にまつわる要素やアイデアで構成されています。

過去の伝説や遠い異国の文化など

時間も国境も超え集められた要素が作りだす塊は、

何なのか形容しがたく、

舞台装置にも、何かを生産する工場のようにも見えます。

 

 

「killing stone」

 

 

中には、オリジナルのラジオドラマを

ひとつの要素として使用している作品もあります。

10分程度の短編で、

郊外のホームセンター内にある喫茶店での

倦怠期気味の夫婦の会話や、

久しぶりに実家に帰ってきた兄と、

車で駅まで迎えに行った妹の車内での会話など、

想像が膨らむ設定で、台詞もすごく自然です。

中でも僕が好きなのは、和田さんが演じる女性。

その根底にあるのは「なろうとしていない感」。

リアルな状況の中、女性に似せようとしているけれど、

雑な感じが残る和田さんの声が、なんとも魅力的なのです。

 

和田さんの家に取材に行った時に見つけたのが、

福島で購入したあかべこや

秋田のなまはげ博物館で見つけたなまはげのオルゴールなど

コレクションしているという数々のお土産。

「きっと捨てられる運命にあるけど買ってしまうお土産には、

独特のチープな美しさと、不思議な魅力がある。」と和田さん。

 

和田さんが集めるお土産にも

「なろうとしていない感」が漂っているように感じます。

ただ、作品を構成する要素と異なる点は、

そこには、目覚まし時計、置き物といった

着地点が存在しているところです。

 

かすかにイメージを背負いつつも、

一瞬にして何か別のものになり得る状態で、

行き先もなくふらふら漂っている要素は、

和田さんによって半ば強引に集められると

互に影響し合い、徐々に絡まり出し、

見ている私達を

あっという間に和田ワールドへと引き込んでいくのです。

 

「DaaDaa BaaBaa PooPoo」

 

「Diamonds in Lucy with the Sky」