皆さんの素朴な疑問にお答えします『コーヒーが返礼品って唐突？』

ここでは公開期間中の活動紹介のほか、ストーリー本文を読んだ方からいただいた

素朴な疑問「なんでなの？」にお答えしたいと思います。
 
まずいただいたのが、「返礼品にコーヒーってなんで？」でした。
 
なぜ突然コーヒー豆なのか？安易な思いつきで脈絡なく出てきた？

と思われるかもしれませんが、もちろんそうではありません。
 
珈琲豆をリターンの中に加えたのは、私が弟子入りをして習得を目指している炭焼きの、

特に白炭の使い道として炭火焙煎珈琲はどうだろうかと思いついたからです。

岩手県には炭焼き職人さんが何人かいらっしゃいますが、

白炭の職人さんは黒炭の職人さんよりも少なく、一桁まで減っているそうです。

なぜかというと、簡単に言ってしまえば「白炭が黒炭に比べて売れないから」ということだと思います。

白炭としてよく知られている備長炭は、ウバメガシというカシ材を材料につくられた木炭で、

昔からうなぎの蒲焼をつくる時に使われていました。

しかし、ウバメガシは西日本に自生する樹なので、岩手県では手に入りません。

 

岩手県では備長炭をつくることができないので、その代わりにナラ材を使っています。

ナラ材の白炭は残念ながら備長炭に比べて質が落ちるので、備長炭ほど高くは売れません。

でもそれでも岩手のナラ白炭を使ってくれるところがあり、たとえば南部鉄瓶の製造に使われているそうです。

 

 

このような白炭の使い道を他にもたくさんつくることができないと、白炭文化は生き残れないということです。

とはいえ、白炭の貴重な文化を失くしてしまうのはあまりにもったいない話です。

どうにかして売る方法はないだろうか？と考えていたところに浮かんだのが炭火焙煎珈琲でした。

炭火による焙煎で使うのはおそらく黒炭だと思いますが、

白炭なら煙が出ることなく、少ない量で火持ちよく、強い火力で珈琲を焙煎することができます。

火力調整もしやすいと言われています。使う量こそ僅かですが、

とっかかりとしては有りだと思って試しにつくってみたところ、まろやかな味に仕上がり、

リターン品に加えてみることにしました。

 

 

生豆やパッケージもできるだけ環境に負荷を与えずにつくられたものを選ぶことにし、

レインフォレストアライアンス認証やフェアトレード認証のついた豆を使っています。

白炭はもちろん千田師匠の焼いた白炭です。

 

また、珈琲製造・加工業の営業届出も済ませてあり、「森野端珈琲」という屋号にしました。

 

プロトタイプでつくってみた2つのパッケージ

『自家焙煎珈琲豆「森へ行く日」』と『白炭焙煎珈琲豆「森の時間」』は、

これからもう少ししっかりしたものに改良していき、今年の年末にはお送りできるようにする予定です。