こんにちは。先日の「ラ・ボエーム」公演にて指揮者を務めました澤村杏太朗と申します。会場にいらっしゃった方、クラウドファンディングを通してご支援してくださった方、本当にありがとうございます。

 

 公演当日はたくさんのお客様にご来場いただき、大盛況のうちに公演を終えることができました。ぼくにとって憧れのオペラだったボエームを振り、夢をひとつ叶えることができました。

 

 さて、劇場でオペラを見たことのある方はお分かりかと思いますが、お客様から見ることができるのは指揮者の頭と指揮棒の先だけ。では、指揮者にはどういう景色が見えているのでしょうか?
 まず指揮者とオーケストラは、ピットと呼ばれる舞台手前の深く落ち込んだ空間にいます。その深さなんと2m以上!歌手のいる舞台や客席はオーケストラメンバーからはほとんど見えず、上だけ空いた秘密の箱に潜り込んだかのような気分が味わえます。

 そして譜面を見るために最小限に抑えられた光。オレンジ色の、どこか暖かいぼんやりとした薄明るさにピットは包まれています。上から歌手の声やお客様の拍手が降って来る、そんな不思議な空間で所狭しと並んだメンバーが知性と情熱を持ってそれぞれの楽器をかき鳴らすのです。

 このピットに入ることは最高にわくわくする体験であり、指揮者にとって至上の喜びのひとつと言えるでしょう。

 

本番中の様子

 

 ピットにいる素敵な時間はいつもあっという間ですが、今回は想像をはるかに超える公演の規模の大きさに圧倒され、本番は嵐のように過ぎ去ってしまいました。

 

 オペラの規模、それは団体によって様々です。特に近年オペラの自主公演の数は大きく増加し、その規模も多様化しています。そんな中でぼくたちの公演は、学生公演という点も加味すると非常に高い水準を目指した公演だったと言えます。今まで誰も立ったことのないような広さの舞台、60名近い大迫力のフルオーケストラ、演者の表情に魔法をかけてくれる多彩な照明...

 そのどれもが学生であるぼくたちにとってかけがえのない経験であり、一生ものの財産になりました。

 

 ...と同時に。
これだけの規模の公演を実現するにはやはりそれ相応の負担がかかるのも事実です。その負担を少しでも軽くするために今回クラウドファンディングで皆さまのご協力をお願いしております。感謝すべきことに既に初期目標を達成しておりますが、まだまだ辛い負担を背負っている大切な仲間がたくさんいます。
あと一歩、皆さまのご支援をいただいてその負担を取り除けたとき、それこそが本当の意味での公演の成功だと考えています。わずかでも構いません、皆さまの気持ちを形にしてどうかご支援をいただけないでしょうか。


 よろしくお願いいたします。

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