この度はご支援いただき、誠にありがとうございました
皆さま、お元気でいらっしゃいますか?
パレスチナ子どものキャンペーンです。
この度は、ガザ緊急支援「ガザの障がい者や乳幼児のいる世帯(350世帯)への食料と生活用品の支援、心理的サポート」へご支援いただきまして、誠にありがとうございました。
おかげさまで、5月のガザ空爆で被害を受け、困窮する人たちへ支援を無事に届けることができました。皆さまからいただいたあたたかな応援メッセージも現地へ届けさせていただきました。あまりよいニュースや兆しがみられず、閉塞的な生活を余儀なくされているガザで、皆さまからのメッセージは大変励みになるとみな喜んでおりました。改めまして、心から御礼申し上げます。
皆さまからお預かりした寄付金は、全額、ガザの空爆で被害を受けた「障がいを持つ子ども、乳幼児、妊婦、疾患を抱える人のいる家族」のために使用させていただきました。支援内容の詳細をご報告いたします。
■ 支援内容
【対象】障がいを持つ子ども、乳幼児、妊婦、疾患を抱える人のいる家庭 300世帯
【支援金】合計350万円
【内訳】
❶物資配布(食料品(1家族平均6人・約4週間分)および
生活物資(オムツや衛生用品など))
1万円×300世帯=300万円
❷専門家による心理的サポート
(PTSD(心的外傷後ストレス障害)やトラウマ症状のある人に対して)
・社会心理士による個別カウンセリング 1万円/日×心理士2人×10日間=20万円
・グループワーク(スタッフ7-8人、子ども約30人/回) 3万円×10回=30万円
上記のほか、障がい者への補助装具提供は、現在、専門家による訪問、ニーズ調査を進めており、9月からリハビリ支援や補助装具提供を開始するために準備中です。完了までには数か月以上かかりますので、改めてご報告いたします。
5月の空爆から4か月が経過しました。5月10日から21日まで続いたイスラエル軍による空爆や砲撃により260人が死亡(民間人129人、子ども66人)、2,200人以上(子ども685人、女性480人)が負傷。破壊された建物は1,255戸、居住不可能になるほど深刻なダメージを受けた建物は980戸に及びます。国連人道問題調整事務所によると、瓦礫の撤去はおおむね完了したものの、建築資材などは「軍事転用」を理由として、イスラエル側が引き続き搬入制限をしているため、インフラ再建への道のりは非常に厳しく、現在も8,820人が家を追われ、避難生活を余儀なくされています。
また、ガザ地区内の8,000世帯(およそ45,000人)が、いまだに食糧や生活物資を必要としています。
私たちは現地提携団体と協力し、7月と8月にガザ市、南部ラファ地区の障がい者家庭、女性世帯主家庭など300世帯(約1,800人)に「食料パッケージ(約1万円・約3~4週間分)」または「食糧や生活物資と交換できる引換券(約1万円)」を配布しました。
当初の計画では、食糧と生活物資配布で250万円を予定していましたが、生活物資は、各家庭で必要とされるものが異なることから、協力スーパーマーケットがある地域に住んでいる家族、または決まった日に物資を取りに来るのが困難な状況な家族に「食糧や生活物資と交換できる引換券(約1万円)」を配布しました(引換券で購入できるのは必須の食料や生活用品に限られています)。
食料支援を受け取った家庭のお母さんの声をご紹介します。
ハビバちゃん(2歳)のお母さん。ハビバちゃんは、
ダウン症に加えて四肢の筋力が弱く、まだ一人で歩け
ないため、当団体のリハビリ支援を続けています。
父親は失業中で、家には8人の兄弟と重い知的障がいの
ある父親の妹がいます。お母さんはこんな風に語りま
した。
「いつ戦争が終わるのかわからず、8人の子どもと
障がいのある家族を連れて逃げる場所もなく、子ども
たちの前で恐怖を取り繕うこともできませんでした。
また障がいのある家族に、何が起きているのかを説明
することもできませんでした。家は壊れませんでした
が、心は壊れました。
戦争が終わったら、今度は日々の食べ物をどうやって確保できるかに心を痛めています。もうツケで買うことはできません。しばらく野菜も買えていませんでした。
そんな時に日本の食料支援を受けることができて、どれだけ嬉しかったか。日本の皆様に心からのお礼を伝えてください。またどうぞ私たちを見放さないでください。」
福祉システムの不足、医薬品などの不足、コロナ禍によるリハビリサービスの減少など、ガザの障がい者には、十分な支援がありません。今回の爆撃とその後の混乱の中で、その生活はますます困難になっています。
また、アトファルナろう学校で、ストレスやトラウマを抱える子どもたちにグループでの活動を10回開催。約300人の子どもたちが参加しました。また、同時に社会心理士による個別カウンセリングを必要としている子どもたちにカウンセリングを10日間提供しました。
アトファルナろう学校では、今回の空爆のような緊急事態に備え、常日ごろから対策チームを設置し、準備をしています。特に、必要な情報が届きにくい聴覚障がい者のいる家庭へ、どうやって情報を届けたらよいか話し合いを重ねていました。今回の空爆の際もSNSなどを通じた情報発信、また電話などで子どもやご家族の状況の聞き取り調査、必要に応じて心理サポートを行いました。
子どもの心理サポートを担当する心理士、ボドウルさんに話を伺いました。
「爆撃から2か月以上たっても、ほとんどの子どもが戦争の絵を描きます。頭の中にまだ戦争があるからです。ある子どもは空爆が怖くて外に出られず一人で家にもいられない。
別の子は暗闇が怖い、親とずっと一緒にいたいと言います。自分と同じ年ごろの子どもが、がれきの下で亡くなった写真やビデオを見たからです。外で、救急車のサイレンや物音がすると、ものすごく怖がり泣く、それは戦争を思い出すからです。
攻撃のあった11日間は24時間、戦闘機などの音が聞こえました。今回の爆撃はこれまで以上にとても大きな音がしました。すぐ近くに爆弾が落ちたと思ったら、結構離れていたこともあります。
私自身も真夜中に「爆撃の標的になっているとイスラエル軍から通告があった」と隣の人から言われ、手あたり次第に物をかき集め、直ぐに子どもを連れて外に出ました。一晩中空爆や爆撃機の音が響き、どこにも安全な場所はないのです。どれだけの恐怖か、想像できますか。朝まで外で待ちました。幸い爆撃はありませんでした。しかし、こうした偽情報が毎日あちこちにばらまかれ、私たちを恐怖と絶望に陥れたのです。
顔色が悪い、指を口に入れる、爪を噛む、夜眠れない、一言も話さない、夜尿、悪夢などの複数の症状を出している子どもがたくさんいます。また、家族や友達に暴力をふるう、重度の場合は自傷行為も見られます。
ストレスやトラウマを抱える子どもたちには、グループでの活動と個別のカウンセリングをしています。絵を描く、工作をする、風船ゲーム、椅子取りゲーム、かくれんぼなど楽しいことをして、エネルギーを開放します。
また自分の感情を話すなどの活動をして、怖いのは自分一人ではないと理解してもらいます。そして呼吸法を教えたりして、怒りや負の感情を自分でコントロールすることも教えています。」
さまざまなグループワークや個別カウンセリングを続けることで、子どもたちは少しずつ笑顔を取り戻しています。
なお、領収書は10月中旬に発送を予定しております。お届けまでいましばらくお待ちください。
改めまして、今回のクラウドファンディングを通じまして、皆さまから多くのご支援、応援をいただきましたこと、心から御礼申し上げます。
これからも、ガザをはじめ、他の活動地域であるヨルダン川西岸地区、レバノンの状況や支援を報告する「オンライン報告会」などのイベントを開催していく予定です。報告会のようなイベントや現地の最新情報などは引き続き、新着情報でお知らせいたします。
もうしばらくは感染拡大による物理的な分断を余儀なくされそうですが、これまで培ってきた国際協力、心のつながりを失わないように活動を続けていきたいと思っています。
これからも、応援いただけましたら幸いです。
報告を最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。皆さまもどうぞご自愛ください。