終了報告
皆さま、この度は、ちば小児科アレルギークリニックのクラウドファンディングへご支援いただき、誠にありがとうございました。
7月15日に秋田県で突如発生した記録的大雨により被災し、大変な困難に直面しましたが、皆さまのおかげで無事に復旧し、日常を取り戻した状況で本年の診療を終えることができました。一同心より厚く御礼申し上げます。
年の瀬が押し詰まっているみぎりではございますが、この度のご支援をどのように使わせていただいたのか、経過と結果のご報告を致します。
まず初めに、1つ変更点がありましたことをご報告せねばなりません。
クラウドファンディングを立ち上げるにあたり、クリニック内部の損傷が激しかったため、当初私たちが必要とする費用は、損傷した院内の内装費用、備品費用、そして今後の水害への対策費用の3点と捉え、それぞれの詳細見積もりをしたところ、内装費用は約1700万円、備品費用は約260万円、今後の水害対策費用は約400万円となりました。
これらの費用のすべてを自力で捻出することは難しかったため、一部を集めようということで本クラウドファンディングを開始致しました。
クラウドファンディングが成功したとしても多額の費用が必要で、厳しい状況が長く続くと考えておりましたが、最終的に当院が土地をお借りしている地主さんのご厚意により、内装費用の部分についてはサポートしていただけることとなりました。
多大な支援をご決断くださった地主さんに、心より御礼申し上げます。
つきましては、この度の皆さまからのご支援は、浸水被害で失われた備品を再びそろえるための費用と、水害対策への費用という2点に使用致しました。
以下に、内訳を記載致します。
1. 備品費用(約170万円)
こちらは、買い直し時になるべく廉価でかつ機能・性能を満たすというギリギリのところをスタッフ総出で探った結果、当初の詳細見積りよりも大幅に減額することができました。
今回の浸水被害で失われた備品は多岐にわたります。
診察用ベッド4台、処置台1台、診察用椅子2脚、待合ソファー、椅子、スタッフ用椅子、ロッカー、院長室のデスク、椅子、本棚、冷蔵庫、などなど・・・。
当たり前にあるものがないことで、診療の動線が悪くなったり、患者様の快適さが大きく損なわれたりしてしまっておりましたが、これらをそろえることで、本来の診療を取り戻すことができました。
2. 水害対策費用(約430万円)
この点は復旧・診療を行いながら日々考えておりましたが、非常に頭を悩まされた部分でした。
というのも、調べれば調べるほど、すでに完成している建物に対して、後付けで完全な浸水対策をすることは技術的・費用的に困難であるということが分かってきたためです。
当初は、今回の浸水経路として目立った正面玄関、発熱外来部屋の入り口、スタッフの通用口など大きな部分を塞ぐことで対応可能と考えていました。
しかし、建物には構造上、コンクリートなどの基礎の耐久性を保つために全周にわたり水切り金物を付ける必要があり、それによって作られる外壁と透湿防水紙の間にはどうしても空間ができてしまいます。外側が浸水するとその空間を通って内部に水が浸入してしまう。それを覆えば浸水被害は出ないが日ごろから塞いでしまうと建物の耐久性が容易に低下してしまう……。そのメリット・デメリットをどう受け入れていくか自問自答の日々でした。
そして最終的には
A.大きな入り口に対しては中部美化企業株式会社様のWater Shutterを使用する
B.完全には防ぎきれない可能性のある発熱外来部屋には蔵田工業株式会社様のダム・イージーを使用する
C.水切り金物部分を補う部分はスタッフ総出で防水テープによる防水シートの貼り付けを早め早めに準備する(シート・テープ費用40万円程度(今後も適宜追加購入予定))
という結論に至りました。
Cについては漏水しないようにぴったり貼り付ける必要があるため、少ない人員でしっかり行わなければならないという課題はありますが、7月から今月まで考え続け、様々な方に相談をした結果、この方法が現時点での私たちにとって最も妥当性があると判断しました。時間のある時にスタッフ一同で訓練を繰り返し、少しでも精度を上げてゆく予定です。不確実性が残る対応となりますことをご理解いただけますと幸いです。
B,Cについては購入済み、Aについては先日契約を締結し、年明けより降雪の状況を見ながら着工開始となりますことをご報告致します。
これらの費用以外に、クラウドファンディング諸経費へと充当致しました。
皆さまからの多大なご寄付と心温まるご声援により、安定した診療を継続できる見通しが立ちましたことに深く感謝申し上げます。
今後も、活動報告を通じて、工事の進捗状況や、当院の日々の活動などを皆さまにお伝えしてゆければと思っておりますので、当院を引き続き見守っていただけますと幸いです。
ちば小児科アレルギークリニック
院長 千葉剛史