松本クラフト推進協会からご報告
昨年、松本市で35年続けてきたクラフトフェアまつもとが新型コロナの感染拡大防止の観点から中止を余儀なくされ、フェアなどの継続と協会運営が危機的な状況となりました。そこでクラウドファンディングで皆さんの力を貸していただくことを決め、「松本からクラフトフェアやクラフトピクニックの灯を消したくない」というタイトルで挑戦いたしました。短い期間にも関わらず全国から多くの方にご支援いただき、最終結果は達成率120%で、支援総額2,899,000円、支援者数264名でした。協会の存続と各イベントの継続を求めてくださる方が全国にいらっしゃることに感謝と喜びと責任の重さも感じた挑戦でした。支援者の皆さん作家さんはじめ関係各位の方々に心よりお礼申し上げます。
【結果報告】
このプロジェクトの一番の目的は今年2021年の「クラフトフェアまつもと」と「クラフトピクニック」の開催でした。昨年の10月以降参加者の募集から、会場での様々な対策準備にスタッフ一同動いて参りましたが、コロナ禍は収まらず今年も開催中止となってしまいました。全国から多くの来場者があることが想定されるということで、長野県新型コロナウイルス感染症等対策条例や各地の感染レベルなどを考えての判断でした。今年10月のクラフトピクニックは長野県内の作家さんがメインなので、感染対策を講じながら開催に向けて準備しているところです。ただしこれも緊急事態宣言の延長や、感染レベルなどによって予定が変わるかもしれません。
【協会活動】
クラウドファンディングへの挑戦は、
以下にはプロジェクトの結果にも気を揉んでいた2020年10月
◆2020
「手仕事の庭」
作品展示と箒作りなどのワークショップ
「不要不急の端材展」 様々な素材の端材の魅力を展示しました。
「どこでも工芸空間」
コンパクトになる椅子、テーブル、棚を製作し、屋外空間がどこでも憩いの空間になるというプロジェクトです。
「クラフトスクエア ノエル」 商業施設でのクラフト作品販売とワークショップ
◆2021
「異形の宴」
彫刻から鉱石まで石素材を使っている作家のグループ展
「はぐくむ工芸 子ども椅子展」県内外作家による子どものための椅子展。2021年は松本駅や市内ギャラリーにて合計約50脚ほどを展示
「みずみずしい日常(井戸端プリント、建築家ツアー)大人も子どもも楽しめる制作体験(ZINE・缶バッチ・シルクスクリーンなど)と〝看板建築″をテーマにした町歩き
「行きあたりばったりリポート」ギャラリーインタビューや町あるき、展示会レポートなどの動画配信企画
「協会誌 掌 発行」出展予定だった作家名簿を兼ねています。
「crafts weekend」商業施設でのクラフト作品展示及びワークショップ
【収支報告】
支援金につきましては、
下記のように使わせていただきました。
返礼作品制作費200,000円
クラウドファンディング用郵送・運送料:50,000円
工芸の五月負担金:460000円
協会誌「掌」(参加予定だった作家の名簿を兼ねる)の発行500000円
感染防止対策費 (検温消毒器など) 100000円
残金の約100万円は次期クラフトピクニック・クラフトフェア準備金といたします。
2年間のクラフトフェアまつもと開催中止は思いもよらないことで、協会としてもかなりダメージを受けました。そして未だ日常が取り戻せていない現状では、どこまでの計画が実現できるかさえ想像できません。しかし、足踏みしてるだけでは前に進みません。作り手のステイホームはひたすら制作活動でした。皆さんの目に触れることを楽しみにしている作品たちが、日本中の工房に眠っています。来年5月マスク越しでは無い笑顔が、あがたの森に集える事を願っています。皆様も暮らしを豊かにしてくれる作品との出会いに期待しながら、この苦境の時期を乗り越えましょう。ありがとうございました。