不動明王像 側面より 前後の接着も弱くなっている

和歌山県立博物館の大河内様より、調査時の写真を提供して頂きました。

 

やはり接合部分がかなりゆるんで来ているようです。特に腕の部分は、今にも取れそうな状態だったようです。人間らしいお姿だからこそ、腕が取れたり、体の前後が離れかけていたりすれば、「痛そうだなあ。」とか「可哀そう。」「どうにかしてあげたい。」という気持ちが自然に湧いてきます。

 

修理の工程としましては、

① 解体して、一度水につけて古い膠(にかわ)を溶かし、塗装など余分なものを取り除きます。

 

 

 

解体の様子。*別の仏像です。

② 水分が残っていると、後々ひび割れの原因になりますので、よく乾かします。乾燥期間は、数週間かかるようです。

 

③ もう一度、木の部品を組みなおします。欠損部分があれば、新しい木で継ぎ足しをします。

 

④ 組み立てが終わると、下地を塗ります。そして、その上から彩色をしていきます。

 

今回、本体は古色仕上げと言い、古い風合いを残した様式で彩色してもらう予定です。

 

腕の接合面。腕にはうっすらと赤い色が

多くの人々は、仏像というのはもともと木の風

合いを感じる古びたものだったと考えがちですが、中国の影響が濃い古い仏像ほど、もともとは極彩色に塗られていたと思われます。

 

年月を経て、彩色がとれ、今の形になったというわけです。もちろん、今回の修復でも、もともとの極彩色に仕上げてもいいのですが、歴史的な資料としても価値が高いので、彩色は極力おさえ、敢えて年月を感じさせる仕上がりを選びました。

 

さて、どんなお姿で返ってくるのか楽しみでなりません。

 

 

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