
支援総額
目標金額 360,000円
- 支援者
- 10人
- 残り
- 23日
プロジェクト本文
▼自己紹介
松山大学の檀裕也と申します。
松山大学の檀ゼミは,経営学部情報コースの檀裕也が主宰し,デジタル技術の社会実装について研究するゼミナールとして2006年度にスタートしました。情報技術(IT)の最先端をテーマに教育活動だけでなく研究活動を推進し,情報系の学会や研究会などに研究の成果を発表しています。
▼経緯
2023年11月30日(木)~12月3日(日)に富山県の南砺市クリエイタープラザ(桜クリエ)で開催されるNICOGRAPH 2023に向けて画像処理に関する研究の成果を投稿していたところ,1件の口頭発表(ショートペーパー)と3件のポスター発表が採録されました。今回の研究は,4月から毎週放課後の時間を使って有志で画像認識に関する自主ゼミを立ち上げ,進めてきたプロジェクトです。
ところが,松山大学から富山の会場までの8時間以上かかる往復旅費(交通費・宿泊費)は手当されず,学生たちは自腹で学会に行くしかありません。そこで,各研究テーマで査読を通過できる成果を出し,学会で発表することを目指している松山大学の情報系学生たちを応援したいという気持ちをいただきたく,クラウドファンディングを通じて呼びかけることにしました。
なお,最近の学会・研究会等における学生による研究成果の発表実績は,以下のとおりです:
- 池田樹生,檀裕也「Ergodic PRNG -エルゴード性を用いた周期なし擬似乱数生成器-」情報処理学会第84回全国大会学生セッション:アルゴリズム (2)[7K-01](2022年3月5日)
- 石田実暉,檀裕也「オープンソースモデルを導入したインタラクティブな小説サービス -新たなサービスがユーザーに与える影響-」情報処理学会第84回全国大会学生セッション:人間行動と情報システム[6ZK-02](2022年3月5日)
- 横田美有,檀裕也「eスポーツによる地方創生『撃鯛杯』」日本デジタルゲーム学会(2023年2月24日)
- 檀裕也,阿部太樹「キャンパスDXとメタバース~松山大学におけるデジタルツインの取り組み~」愛媛デジタルツインフォーラム(2023年3月11日)
- 阿部莉子,檀裕也「鏡面反射光成分の除去による画像認識の精度向上について~空間フィルタリングを用いた周辺画素情報からの復元の試み~」画像電子学会第305回研究会&映像情報メディア学会(映像表現&コンピュータグラフィックス研究会)(2023年6月4日)
- Yuya Dan and Miyu Yokota, "Regional Innovation through eSports Tournament titled GEKITAI-Cup,” Replaying Japan 2023, Aug. 20, 2023
【左】愛媛大学で開催された愛媛デジタルツインフォーラムでの発表(2023年3月11日)と【右】日本大学理工学部で開催された日本デジタルゲーム学会での発表(2023年2月24日)
東京都市大学で開催された研究会における発表(2023年6月4日)
▼研究の概要
1.偏微分方程式の境界値問題を用いた単一画像のハイライト除去
画像認識の技術は,コンピュータの性能向上とともに応用範囲を広げ,多様な分野で社会実装が進められている。例えば,小売店において陳列されている商品の画像を認識し,その商品に関する情報を引き出すことは,店舗側および消費者側の双方にとって重要な応用の一つである。ところが,商品を認識しようとするとき,天井照明などの光源によって発生する商品表面の鏡面反射によるハイライトはノイズとして作用し,コンピュータによる画像認識の精度が落ちるという課題がある。そこで,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などの機械学習による画像認識に対する精度を向上させるため,単一の画像からポアソン方程式およびラプラス方程式のディレクレ問題を適用することで,鏡面反射によるハイライトを除去することを目指し,ミニトマトを使って周辺画素から復元を試みた実験の結果について述べる。
2.鏡面反射光の除去による画像認識の精度向上
画像認識の技術は,コンピュータの性能向上とともに応用範囲を広げ,多様な分野で社会実装が進められている。例えば,小売店において陳列されている商品の画像から,その商品に関する情報を認識することは重要な応用の一つである。ところが,商品を認識して必要な情報を抽出するとき,天井照明などの光源によって発生するパッケージ表面の鏡面反射光はノイズとして作用し,コンピュータによる画像認識の精度が落ちてしまう。そこで,画像認識に対する精度を向上させるため,1枚の画像から空間フィルタを適用するだけで,鏡面反射光を除去することができ,画像認識の精度が向上した実験の結果について述べる。
3.新たなポスタリゼーション手法の提案
実写画像をイラスト調の画像に変換する技術であるポスタリゼーションは、芸術的な表現手法として、多くの分野で応用されている。これまで,ダウンサンプリングや色の量子化など,さまざまなアルゴリズムによってポスタリゼーションが実装されてきた。しかし、あらかじめ閾値や塗りつぶす値を定めていた従来手法では、オリジナル実写画像の特徴が再現できないという課題もあった。そこで、最頻値でグループをまとめて塗りつぶすという手法によって、色の再現性について従来の手法よりも向上させることができた。本研究では、ポスタリゼーションについて新たな手法を提案する。
4.出品画像からAI判別するスニーカーの状態
画像認識の技術は,コンピュータの性能向上とともにその適応範囲を広げてきた。その社会実装のひとつにスニーカーの判別も挙げられる。しかし,その活用はスニーカーの真贋判定にとどまっている。インターネットの発展から中古品の二次流通が盛んになっている今,売り手の商品状態に対する詐欺や買い手との商品状態に対する認識の齟齬,中古品の状態確認とその相場の把握に人力ではかなりの時間がかかってしまうなどの問題が挙げられる。そこで畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を活用し画像情報から即座に中古品か否かの判別を可能とすることで二次販売にかかる手間を大きく削減すること,二次流通品を購入する際の信頼性のある指標となることができるのではないかと考える。
▼毎週放課後の勉強会について
通常のゼミとは別枠で,画像認識の研究に興味のある学生を集めて4月から放課後に勉強会を開催しています。参加している学生たちは1年次生から4年次生まで。書籍「Pythonで学ぶ画像認識」をテキストに,画像処理に関するプログラミングを通じて,実用的なアルゴリズムについて議論しながら考えています。
もともとは畳み込みニューラルネットワーク(CNN)やディープラーニングの数理構造について理解したいという意欲的な学生たちでスタートした研究プロジェクトとして,人工知能(AI)に興味のある学部1年次生を含めて,研究を続けてきました。
もちろん真剣に取り組んでいますが,夢中になって新しいテクノロジーに触れ合うのは檀ゼミのモットー。夜遅くまで,白熱した議論が繰り広げられています。若い感性に基づく斬新なアイデアを中心にして,人と社会のために,みんなでワイワイと楽しみながら最先端の分野を切り拓きます。
▼フィールドワーク
9月の夏休みには東京にある株式会社クレッセントのDigi-Cast第二スタジオを訪問し,FullBodyLightCageスタジオで全身スキャン可能な大型LightCageや国内最大の4Dスキャン・ボリュメトリクスキャプチャーなど最先端の映像テクノロジーを体験させていただきました。このような技術にも触れさせていただきながら,次の研究テーマについて構想しています。
▼お願いしたいこと
今回のクラウドファンディングとして,ご支援をお願いしたい内容は,4名の発表学生について
- 松山から富山までの往復交通費(松山空港→伊丹空港,特急サンダーバード,北陸新幹線)
- 現地での宿泊費(2泊分)
- 学会参加費
- 報告書作成費
の計36万円です。松山から富山の会場まで,移動だけでも多くの時間とお金がかかります。
なお,学会の開催が中止になった場合には,全額返金いたします。また,発表学生が止むを得ず欠席といった不測の事態が発生した場合には,代替使途として,その一部金額を今後の研究費に充当いたします。
※【学生の往復旅費の助成に関して】参加する檀ゼミの学生4人より,今回の支援金の受け入れとクラウドファンディングのストーリーに掲載されることに対して同意を得ております。
▼学生の声
今回の学会で初めて研究成果を発表する学生からの率直な思いです:
私は夜間の大学から松山大学に編入し,檀ゼミで活動しています。高校生の頃は情報学部を目指していましたが,金銭的な事情で上手くいかず,夜間の大学でアルバイトをしながら2年間を過ごしました。檀ゼミは私が編入学を考えていた際に知ったゼミで,松山大学を選んだ一番の理由です。画像認識に関する勉強から3Dモデリング,音楽の制作まで,ゼミ生は情報技術に関する様々な活動を行っています。私も現在,画像認識の勉強,ミュージックビデオ・ゲームの制作を行っています。
この度ショートペーパーの採録を受け,初めての学会参加ということで非常に胸が躍りました。しかし私は学費や生活費などを自己負担で生活しているため,現地まで自費で向かうのは不可能に近く,資金確保に頭を悩ませています。そんな時に思いついたのがクラウドファンディングでした。学会発表を行う私以外のメンバーも資金の確保に頭を悩ませていたため,ぜひとも皆さんの力をお借りし,4人揃って学会発表を果たしたいと思っています。
ご支援いただければ幸いです。どうかよろしくお願いいたします。
▼今後の展望・ビジョン
情報分野の研究を通じて,特に次のようなテーマについて,人と社会のためにデジタル技術を実用化し,人々を幸せにするとともに豊かな社会を実現したいと考えています。
- 偏微分方程式の境界値問題を用いた単一画像のハイライト除去
- 鏡面反射光の除去による画像認識の精度向上
- 新たなポスタリゼーション手法の提案
- 出品画像からAI判別するスニーカーの状態
(畳み込みニューラルネットワークおよびディープラーニングの実装)
▼まとめ
本プロジェクトにご賛同いただける多くの皆さまからのご支援によって,ぜひとも松山大学の情報系学生に富山の学会で最新の研究成果を発表させてください。どうぞよろしくお願いいたします。
※このWebページに掲載している写真は,被写体の全員から許諾を得て使用しています。
- プロジェクト実行責任者:
- 檀 裕也(松山大学教授)
- プロジェクト実施完了日:
- 2023年12月31日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
2023年11月30日(木)~12月3日(日)に富山県の南砺市クリエイタープラザ(桜クリエ)で開催されるNICOGRAPH 2023において松山大学の情報系学生が1件の口頭発表(ショートペーパー)と3件のポスター発表として最新の研究成果を発表します。今回のプロジェクトで支援をお願いしたい内容は,4名の発表学生について,松山から富山までの交通費,現地での宿泊費,学会参加費,および報告書作成費の計36万円です。学会発表の後,会場における発表や質疑応答で得られた最新の知見を含めて報告書を12月31日までに作成します。学生による自己負担なく学会に参加できるように応援していただいた資金を大切に使わせていただきます。
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プロフィール
1977年山口県防府市生まれ。2004年筑波大学大学院博士課程数学研究科数学専攻修了。博士(理学)。関東学院大学工学部情報ネット・メディア工学科を経て,2006年から松山大学経営学部講師,准教授,そして教授として情報コースを担当。学校法人松山大学情報センター長,経営学部長・経営学研究科長などを経て,2021年2月から副学長。専門は,数理解析。プロジェクトマネージャ,アプリケーションエンジニア,情報セキュリティスペシャリスト,テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)等の各種情報処理技術者試験合格。日本数学会,情報処理学会,人工知能学会,電子情報通信学会,日本デジタルゲーム学会,画像電子学会などに所属。現在,愛媛県eスポーツ連合クリエイティブアドバイザー,愛媛県とべ動物園魅力向上戦略検討委員会委員,松山市SDGs推進協議会副会長や新居浜市SDGsプラットフォーム幹事会副幹事長などを務める。
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リターン
3,000円+システム利用料

感謝のメール
発表学生から感謝の気持ちを込めたメールを送ります。
- 支援者
- 4人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年1月
5,000円+システム利用料

感謝の手紙
発表学生から感謝の気持ちを込めた手紙を送ります。
- 支援者
- 4人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年1月
10,000円+システム利用料

感謝のメッセージ動画
発表学生から感謝の気持ちを込めたメッセージ動画を送ります。
- 支援者
- 2人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年1月
20,000円+システム利用料

論文およびポスターの提供
学会で発表された4件すべての研究成果について,発表論文およびポスターを電子的に提供します。
※印刷物での提供をご希望される場合には,別途ご相談ください。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年1月
30,000円+システム利用料

研究成果のプレゼンテーション(1件あたり)
研究の成果について,ご希望の発表学生から直接プレゼンテーションさせていただきます。なお,複数の研究成果に関するプレゼンテーションをご希望の場合には,ご希望の件数のご支援をお願いいたします。
※事前に日程を調整させていただきます。
※松山大学で開催することを原則とします。
※その他の場所では,旅費についてご負担をお願いいたします。
※Zoom等のオンラインによるプレゼンテーションにも対応いたします。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
50,000円+システム利用料

成果報告への名前やロゴ等の掲載
Webサイトや各種SNS等に投稿する記事で,支援者さまのお名前や指定された会社・団体のロゴ等を付けたうえでプロジェクトに応援していただいた旨について情報を発信させていただきます。
2023年12月までに,ロゴデータのやりとりを含めて,詳細についてご案内のメールを差し上げます。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
100,000円+システム利用料

共同研究または学生プロジェクトの立ち上げ
発表された研究テーマに関する共同研究または学生プロジェクトを立ち上げます。新たに発生する経費がある場合,別途ご負担について相談させてください。なお,支援者さまが権利の行使をお申し出できる期限は3ケ月とさせていただきます。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年3月
プロフィール
1977年山口県防府市生まれ。2004年筑波大学大学院博士課程数学研究科数学専攻修了。博士(理学)。関東学院大学工学部情報ネット・メディア工学科を経て,2006年から松山大学経営学部講師,准教授,そして教授として情報コースを担当。学校法人松山大学情報センター長,経営学部長・経営学研究科長などを経て,2021年2月から副学長。専門は,数理解析。プロジェクトマネージャ,アプリケーションエンジニア,情報セキュリティスペシャリスト,テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)等の各種情報処理技術者試験合格。日本数学会,情報処理学会,人工知能学会,電子情報通信学会,日本デジタルゲーム学会,画像電子学会などに所属。現在,愛媛県eスポーツ連合クリエイティブアドバイザー,愛媛県とべ動物園魅力向上戦略検討委員会委員,松山市SDGs推進協議会副会長や新居浜市SDGsプラットフォーム幹事会副幹事長などを務める。