サバイディー、ラオスから看護師の平山亮子です。

前回の引き続き、ラオス北部の雨間の村、ポンサリーで出会った患者さんのお話。

 

====前回のお話はこちら====

 心を救う医療 その1

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腫瘍は血管を複雑に巻き込んでいました。

手術中、たくさんの血が流れました。

皆が一丸となり、我々にできる、最善のことを尽くしました。

 

それでも、肩の塊を全てを取ることはできませんでした。

大きく開いた創を、再び閉めました。

何もできずに創を閉めるこの無力感。

日本で働いていた時にも何度かありました。

 

手術を終え、旦那さんにこの事実を伝えました。

 

旦那さんは、静かに、ただ静かに我々の話に耳を傾けていました。

そして最後に、「ありがとう。でも、見捨てないでください」と。

 

手術を終えた彼女は、貧血がひどく、息をするのも大変でした。

状態が安定しないので、私は一晩中ずっと彼女のそばにいました。

ただただ、心が痛みました。

 

私の心の痛みの、何十倍も痛い思いをしている彼女を目の前に、

自分たちがこれから彼女とどう関わるか、じっくり考えました。

 

ようやく目覚めた彼女は自分の身に何が起きたのかわからず、手術前に見せてくれた、はにかんだ微笑みは彼女の顔から消えました。

 

 

今、若い彼女の体力はみるみる回復しています。貧血も随分と良くなりました。食べられるようになりました。

彼女の病気との戦いはまだまだ続きます。

最後まで、できる限りのことをする。真摯に向き合い続ける。そう決めました。彼女の心が救われるよう、また微笑んでくれるまで、じっくりと向き合い、寄り添います。

 

たとえ命を救えなくても、心が救われる医療。

それが私の、ジャパンハートの医療です。

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