こんにちは。EDAYA JOURNEYプロジェクト代表の山下彩香です。
ついに、残り期間2週間を切ってしまいました。
本当に達成できるのかドキドキしていますが、皆さんが私たちのプロジェクトを、あるいは私たちのことを絶対応援してくださると信じて、頑張ります!
※展覧会詳細については3月23日土曜日、クリス智子さんがナビゲーターを務められている『J-WAVE「atelier nova」』の「antenna Marble Palette」のコーナーでもご紹介いただいたので、よろしければ
コチラをお聞きください。
さて、今回の展覧会は実は私たち
EDAYAにとっては、初めての個展でした。様々な方のご好意もあり、なんと六本木という立地で、しかも2階分のフロアを全面的に使った展覧会を実現するチャンスをいただいたものの、すべて初めてで、わからないことだらけ。実は相当なプレッシャーのもとでの、今回の展覧会でした。
展覧会会場であった、六本木ストライプスペース。若き日の岡本太郎さんも展示をされたような由緒ある会場です。
実は、今回の展覧会は、構成という面では、まさに、EDAYAの魂そのもの、でした。そのくらい、情熱を傾けた展覧会だったんです。
10月中旬の日本でのブランドお披露目を終えてすぐの10月末、展覧会を行うことが決まった時は、まだ私たちがブランドとしてローンチしたばかりであったいうこともあり、EDAYAがすでに商品として出しているものを展示する、展示会のようなものにしましょう、というのが皆さんのご意見でした。でも、せっかくのこんな、またとない機会。私はどうしてもどうしてもやりたかったことを、この機会にやることを無謀にも提案したのです。
10月に行ったローンチイベントの様子①
さて、それは、本当に無謀でした。というか、そもそも、無謀であることを知っていたから、ブランドのローンチ前にはできなかったことでもあったので・・・。しかし、展覧会という機会を頂いたとき、私はやるなら今しかない、と思ったんです。
それは、現地の伝統音楽の今を本気で調査するということ。記録を作るということ。
ブランドのデビューにあたって、作品の背景としたのは、訪れたこともあったEDAYAの工芸家バナサンさんの出身の村の文化でした。
ただ、村ごとに少しずつ文化の異なるカリンガにあって、一つの村のストーリーだけで、すべてのカリンガを語ることは危険だということは、私の頭の中に常にありました。でも、ブランドはブランドで一度形にしたい。そういったジレンマの中、まずは、バナサンさんの村のケースをベースにブランドをデビューさせたのです。
しかし、EDAYAというブランドの「無形文化継承×ものづくり」というモデルを本気で実証していくのなら、その根本となる「無形文化」(特には商品としても扱っている楽器)については、「文化」というものを扱う者の責任として、また、それを商品と共にプロモーションしていく立場として、だれよりもきちんと把握しておかないといけないという意識は強烈にありました。そして、なにより、失われつつある無形文化の今を、もっともっと深く知りたいという思いがありました。全てはその上での活動であるべきだと。
私は表層だけを知って物事を言うことは好きではありません。自分が主催することであるならば、なおさらです。展覧会の企画を頂いたのは、だから、私たちにとってとても良いタイミングでした。ブランドのお披露目が終わり、次の目標が必要で、そんな時に頂いた挑戦の土俵だったのですから。
デビュー後に参加したファッションブランドが集まる展示会で、こんなことがあったのも、調査のモチベーションとなりました。既存のブランドの表現方法だと、どうしても表層部分しか伝わらない見せ方にならざるを終えないところもあり、そうではない、EDAYAらしい商品の見せ方を提案するには、ストーリーと商品を重層的に体感できることが大事だと。2フロアという非常に広いスペースは、それを可能にしてくれました。EDAYAのすべてをここに詰めたいと、そう本気で思いました。
決断したらあとは早いのが私です。皆を説得し、12月~1月の調査を実施しました。
調査もハブニングだらけで大変でしたが(これは後日またレポートします。)、準備には最後までおわれました。展覧会ギリギリの3月15日まで粘って、フィリピンに滞在し、最後の作品の詰めを行いました。そして、日本にもどってからは、展覧会中に行うイベントの最終打ち合わせ。あっという間に準備、そして、オープン。
一階吹き抜けの会場では、調査の結果を写真と映像で展示しました。展覧会内イベント、
テニスコーツとのライブではここも会場となりました。
調査で撮りためた映像を発表。これはまた、本プロジェクトで現地に戻る際、村で上映します。
地下へ降りるとそこはEDAYA ワールド。1階で十分にカリンガの文化について感じていただいたあと、そんなカリンガの文化に対するEDAYAの挑戦ということで、インスタレーションとともに、作品を発表しました。
EDAYAでデザインした楽器もインスタレーションに組み込みます。
奥に見えるスペースを使って、会期中11日間毎日イベントを開催。
演奏したり、
語ったり、
学んだり、
集ったり、
作って、遊んだり。
終わってみるとあっという間でしたが、こんなにたくさんの人に支えられ、また、出会うことのできたこの機会は私たちにとっては最高の経験となりました。
この展覧会の燃え上がるようなあつさを、私たちは、5月、現地に持ち帰ります。
それが、調査したときに現地の人と交わした約束だから。 I shall return と。
現地の人たちの宝物の文化を、外で発表して、また現地に持ち帰るという行為が、現地の若者の関心を少しでも引くことができれば。また、こんなにも沢山の日本の人が関心を持っていることを伝えることができれば。日本とフィリピンの架け橋にもなれたら、いいな。
そんなことを思っています。
あと、残り13日。応援どうぞよろしくお願いいたします!