【江古田獅子舞クラウドファウンディング】事業終了のご挨拶
======= 皆様のご支援を受け、令和6年例大祭も無事に終了しました =======
【立派な姿で演舞した3体の獅子頭】
令和5年10月6日から同年11月27日にかけて実施しました「江古田獅子舞クラウドファウンディング」では、目標金額を300万円と設定していたところ、103名の方々から458万5千円ものご支援を頂戴し、見事に目標を達成することが出来ました。
これらご支援は、リターン品発送等のプロジェクト運営費用を除く全額を祭具の補修費用に充てるものとし、修繕作業が残されていた女獅子の大規模補修と、先に作業を行った大獅子、中獅子の修正作業にまず充当、令和6年10月6日に江古田氷川神社にて行われた例大祭にて黒光りする流麗な姿を皆様にご披露することができました。
3体が並ぶ写真を過去のものと比較すると明らかに羽のボリュームが増しており、大変立派な姿に生まれ変わったことが分かります。手元に残る過去の記録を調べてましても、恐らく過去100年の歴史の中でも最高の状態の獅子頭により訪れた皆様に演舞をご披露できたと確信しております。
地域の人々の平穏な暮らしを願い、長く引き継がれたこの獅子舞をこの度このように立派な形にて繋ぐことが出来ましたことに心より感謝を申し上げます。
どうもありがとうございました。
【予定している今後の作業】
今回のプロジェクトでは女獅子とともに、江古田獅子舞の最大の特徴である「四神」の修繕に充てる予定としており、昨年の支援募集期間終了後より業者に調べてもらい準備を進めておりました。目論見では玄武、朱雀、白虎、青龍の4体を一度に修理することを予定しましたが、詳細調査の結果、過去の作業でペンキを用いるなど易な方法を行ったため、本来の漆塗りの状態に戻すには大変な手間を要すことに加え、本体部分のひび割れや欠けも進んでおり、より丁寧な作業が必要であることが分かりました。
結果、1体の作業に数か月、費用も120万円以上は要すことが判明し、東京都や中野区のご支援もいただきながら今後複数年をかけじっくり作業を進めることを保存会世話人会にて決定しました。よって当初予定より完成時期は延びてしまうこととなりますが、より良い形で文化財を遺すための判断ですのでご理解を頂戴できれば幸いです。
併せまして、獅子頭の下にかぶせている紫紺と朱の「こおがけ」についても毎年の激しい踊りにより痛みが進んでいることからご支援にて作り替えることに着手しました。昨年末より業者から見本生地を各種取り寄せ検討してまいりましたが、既存の物と比較して手触り、強度、厚さ、透け感等で世話人、舞子が納得できるものは無く、別の素材での作成も考えなければならない段階となりました。そんな折に丹後ちりめんの業者様より私たちの獅子舞に共感し、特厚のサンプル生地を職人に織らせ、私どもに送ってくださいました。触感チェックの結果、皆が納得できるものでしたのでこの生地での作成を依頼したところです。通常の製品とラインを分けた特別作業となり時間を要するため、残念ながら今年の例大祭には間に合わず、来年に向けての作業になりますが今回立派になった獅子頭に、新しい丹後ちりめんで綺麗に染め上がったこおがけを取り付けた演舞はさらに美しいものになると思われます。
来年の獅子舞もどうぞご期待くださいませ。

【これからの江古田獅子舞】
今回のプロジェクトをきっかけに地元の方に「江古田獅子舞」を見直していただく良いきっかけになったと思います。新たに住民になられた皆さんにも、こんな文化財がこの町にあったのだと知っていただけたように思います。
5月に行われた中野区役所の新庁舎お披露目では久しぶりの「出向舞」を行い、区民の皆様の安全なくらしを祈念させていただきました。

今の演舞の形式で少なくとも江戸時代、古くは鎌倉時代から行われていたと伝承される江古田獅子舞は、この地域に暮らす人々の病魔退散と災難消除を願って舞うものです。そして江古田獅子舞保存会では下は10代、上は80代のメンバーが実際にお祭りに関わって活動しております。こうして老若男女が「獅子舞」という共通テーマの為に力を合わせて毎年の例大祭を執り行うこと、これこそが安心して暮らせる地域づくりにも繋がることだとこの1年感じることが出来ました。

このお祭りは江古田氷川神社を中心とする5町会の祭事ではありますが、人々の安心して暮らしたいという願いはどこでも共通なものです。近年ではわが国でも災害が繰り返し発生しており、今も不自由な暮らしを強いられている皆様がおられることに心よりお見舞いを申し上げます。
私たちは獅子を舞う、ということしかできませんがそれに寄せる強い思いがいざという時には力を合わせ困難をすら克服することができるものになると考えます。このクラウドファウンディングを通じ、多大なご支援を頂戴したとともに多くのことを学び、感じることが出来ました。事業終了にあたりまして、心からの感謝をお伝えいたします。
笛と太鼓の音が響く、秋の神社の境内にてまたお会いいたしましょう!
どうもありがとうございました。
これからも【江古田獅子舞】をどうぞよろしくお願い申し上げます。
江古田獅子舞保存会
会長 深野 聡

















