このたび、皆様のご支援により当初の目標金額を達成したため、ネクストゴールとして、十六羅漢像のうちのもう一体をあわせて修復したいと考えています。

そのもう一体は、「第七 迦理迦(かりか)尊者」。

 

 

第七迦里迦尊者は、玄奘三蔵訳『大阿羅漢難提蜜多羅所説法住記』によると、僧伽茶(そうかだ)洲に千人の眷属を従えて住んでいます。

羅漢図にあらわされる形相は様々ですが、 養鸕徹定編『羅漢図讃集』(文久三年〈1863〉)には「松の根に倚り、左脚を挙げて右肩を袒ぎ、右手を拳にし、左手は虎を拊づ。」と記述されています。

また日本で最も古い十六羅漢図の作例である平安時代の来迎寺本「十六羅漢図」(東京国立博物館蔵)では、右脚を立て、右手で数珠を持ち、左手で頬杖をついた姿であらわされています。

彫刻においても、その形相は様々です。

 

 

続いて、永昌寺の第七迦理迦尊者について。

この像は本来、右手に「柄香炉」という柄の付いた香炉を持っていました。

しかし、現在は香炉部分が失われ、柄の部分のみが残っています。

 

 

失われている香炉部分は、復元的に新たに作ることも可能ですが、今後の損傷につながるものではなく、また重要度の高いものでないため今回は見送ります。

修復内容は主に、漆・絵具層の剥落止めと表面汚れのクリーニングとします。

 

この像が座っている台座には、重要な発見がありました。

台座内側に「大佛/七條左京御彫」と墨書きがあり、この発見によって、十六羅漢像を制作したのは、運慶の流れをくむ京都の仏像工房「七条仏所」の仏師であると判明しました。

あわせて、永昌寺に伝わっている制作時期などから、31 代「康朝」の制作と推察されています。

 

 

文化財マネージメント 宮本晶朗、阿部麻衣子

 

※本プロジェクトについて、ご質問・ご不明な点がございましたら、こちらまでお問い合せください。

m703921209@yahoo.co.jp

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