小児がん病気や障害と向き合う子どもとその家族のラーメン作り職場体験

小児脳腫瘍の会等で大変お世話になっている、澤村　豊　先生より応援メッセージを頂きました。


脳神経外科医　澤村 豊

小児がんの中でも，白血病についで多いのは脳腫瘍で，固形がんの中では最も頻度が高い病気です。脳腫瘍の治療はとても難しいし，治療が成功して腫瘍が治っても，脳や神経のダメージが残ってしまうことが多いです。

手足が動かない麻痺などは周囲の人が見て分かりやすいのですが見えない障害がとても多いです。例えば，高次脳機能障害といって，人から見ても全くわからないような障害が残ることがあります。知能も普通で日常生活はできるのですが，ある行為や込み入った仕事の一部だけが覚えられないというような複雑な障害です。

高次脳機能障害があるとある一定の仕事はできるのですが，複雑な仕事だとミスが目立ってしまうことがあり，就職が難しいです。他にも，下垂体ホルモンが出ないという内分泌障害があります。疲れやすかったり，毎日薬を欠かさず一定の時間に服用するということが生涯続くことになります。他にも，症候性てんかんという発作があって，てんかんを止める薬をずっと飲み続けなければならないこともあります。

病気が治っても，生涯にわたって病院に通わなければならない長期生存者はとても多いです。小児がん経験者をずっと支援する制度やそれを理解できる医師が少ないことも，生き残った子どもたちが成人になってからとても苦労をする一つの原因になっています。その制度をしっかりつくり上げるためのご支援をお願いします。