ナンジャン その日、私たちは国、民族、世代の壁を越えた
ナンジャンのイベントに支援を頂き、有難うございました。
11月2日、無事にナンジャンを終えることができました。皆様のご支援によるものです。感謝の言葉が有りません。
11月2日は、大阪の統国寺に開場時間の午後3時半前から多くの人が集まり、午後3時には開場を開始しました。

境内に設置された舞台は、ドイツから統国寺に移築されたベルリンの壁が見える構造です。40用意した椅子の周囲に何重もの人の輪ができ、200人を超える観衆となりました。
始まりは、黒田征太郎さんが舞台に出て、ナンジャンの意味を説明しました。そこで黒田さんが語ったものは、韓国民族打楽器の第一人者であるキム・ドクスさんとの交流と、国や民族、世代を超えた人々の交流の重要性でした。
このあと、在日コリアンの若い才能であるFUNIさんがラップで、民族の壁を越える歌を披露。
そして、韓国の民族衣装をまとったキム・ドクスが韓国の伝統的な吹奏楽器を吹きながら、同じく民族衣装をまとった在日コリアンの若者の叩くドラムをリード。

次にこの日の為に来日した韓国民族舞踊の第一人者であるキム・リエさんが舞を披露。この後、大阪のダンサーのカンナさんが金粉を身体にまとった姿でダイナミックな踊りを披露。
踊りが終わると、新井英一さんがギターを持って舞台に上がり、「イムジンガン」を熱唱。

この頃には日が落ちして境内も舞台を照らす明かりのみとなり、境内は熱気の中にも神秘的な雰囲気が漂い始めます。
そして第二幕の始まりです。
新井英一さんが再び舞台に上がり、TBS「筑紫哲也ニュース23」のエンディングテーマに選ばれレコード大賞「アルバム賞」を受賞した「清河への道」を歌い上げました。
そして黒田さんの出番です。
ベルリンの壁の横に人の背ほどのカンバスが置かれ、黒田さんが舞台に立ちました。そしてキム・ドクスさんが韓国伝統の打楽器を、そして中村達也さんがドラムを前に座り準備します。
そしてキム・ドクスさんと中村さんが即興で奏でる音に合わせて、黒田さんが絵筆をカンバスに走らせます。時に、手のひらで絵具を伸ばしたりしながら。

先ず薄い水色でカンバスを埋めた黒田さん。そこに白と群青とで、しぶきを描きます。その動きはドラムの音に合わせて早くなったり遅くなったり。時折、黒田さんがキム・ドクスさん、中村達也さんに向けて声を上げます。
そして海が描かれた後、その真ん中に濃いオレンジ色と、強い黄色とで、太陽を描きました。
時間は当初の予定を越えて描き続ける黒田さん。80歳の黒田さんは、「30分以上ライブペインティングをやるとふらふらになる」と語っていましたが、この日、黒田さんが描いた時間は45分。
その黒田さんに舞台で話を聞きました。この絵が意味するものは?
「私は日本と朝鮮半島の間にある海の存在が重要だと考えている。この海を大事にすることで、良い関係になり得るんだということだと思う。そして、誰もが大事にしないといけない太陽。今、5歳の子が二十歳になった時、今の太陽のままでいて欲しい。それは世界の誰もが等しく願うことだ」
国を越えて、民族を越えて、誰もが大事にしないといけない海と太陽。それが黒田さんのメッセージでした。それが、ベルリンの壁の横に掲げられているのを見た人々は、それが「壁を越える」という黒田さんのメッセージだと気づいたはずです。
壁は物理的に越えることもできますが、それ以上に大事なのは精神的に越えること。
それがナンジャンのイベントで黒田さんが発したメッセージだったのです。
黒田さんの絵が完成したのちは、演者がみな舞台に立ち、新井さんが歌う「アリラン」を合図に参加者も一緒になって踊り、2時間余りのイベントは終わりました。
この日はマスコミも取材に来ました。朝日新聞、毎日新聞、共同通信に加えて、毎日放送のテレビとラジオが取材に来ました。このうち、毎日放送のラジオは11月4日の「ニュースなラヂオ」で、毎日放送のテレビは11月6日の「ちちんぷいぷい」で伝えています。朝日新聞は写真付きで報じてくれました。
以下はその収支報告です。ご支援は以下の用途に使わせて頂きました。
舞台設置費用 30万円(舞台組み立て、照明、音響などを含む)
関係者交通費 120万円(韓国からの航空代、東京大阪間の新幹線代などを含む)
関係者宿泊費 20万円(演者、関係者の大阪滞在費)
撮影代(動画) 5万円
撮影代(写真) 5万円
リターンでお約束させて頂いた黒田さんの絵については、キム・ドクスさんの署名入りで既に郵送させて頂いています。その際、領収書も同封させて頂いています。
最後にあらためてご支援を頂いた皆様に御礼を申し上げます。
本当に有難うございました。





















