瀬戸内の島の健康教室を終えて
【すばらしいイベントになりました。ありがとうござました!!】
11月26日(火)、瀬戸内の島の健康教室を、広島県福山市内海町内浦の内浦公民館で開催しました。すばらしいイベントとなりましたので、ご報告させていただきます。
このたびは、この健康教室のためにご支援いただき、まことにありがとうございます。
健康教室の冒頭でも、皆さんからのご支援でこの試みが実現したことをご参加の皆さんに、お伝えいたしました。
【健康教室の様子です】
快晴の美しい天気に恵まれました。
35人の島の方々が、ご参加くださいました。平均年齢は、73歳で最高齢は89歳、最年少は43歳でした。男女比は男性:女性が1:2の割合でした。
スタッフは5人でしたが、島の診療所の市川先生も結局、参加しましたので6人でした。医師2人、薬剤師4人でした。
健康教室の内容は、まず、転倒チェックリスト(転倒予防手帳:国立長寿医療研究センターより)にチェックをいれていただき転倒リスクについて、認識いただきました。
転倒してけがをした場合に、どのような処置をしたらよいかについては、ムラージュと呼ばれる外傷のメーキャップを、タトゥーシールを用いてシミュレーションしました。写真は、手にけがをした想定でメーキャップしている様子です。35人の皆さんに、タトゥーシールを貼り付けたのは、初めての経験です。
骨折した時の三角巾を用いた応急処置も、がやがやとやりました。三角巾は、お持ち帰りです。転倒した時だけでなく、もし隣の方が倒れていたらどうしたらよいかについても、具体的に考えてみました。
写真のように、皆さん、積極的に参画していただき、盛り上がりました。
【参加の皆さんの感想です】
ポストアンケートには、全員の皆さんが協力してくれました。できるだけ、簡単に回答できるように、チェックボックスを作ってチェックしていただくようにしました。
一番多かったチェックは、「来てよかった」で、32人でした。次が「楽しかった」(29人)で、「役にたちそうだ」も28人がチェックを入れてくれました。「役にたつ」健康教室は、この教室の目的のひとつですので、よいフィードバックを頂戴したと思います。「つまらなかった」、「時間が長すぎる」のチェックは、ありませんでした。
【インストラクターからも】
当日のインストラクターからも御礼申し上げます。
【島の方々や現地のご支援】
クラウドファンディングの皆さんのご支援に加えて、さまざまなご支援を頂戴しました。現地では、レンタカーを使う予定でしたが、串田さんが個人的に手配いただき、自ら運転していただき助かりました。また、スタッフの昼食は島の中で、手配させていただきましたが、コストが合わないのではないかと思われるような心のこもった内容で、中村屋さんに感謝です。何より、ご参加していただいた皆さん、周知していただいた地域の皆さんに感謝です。また公民館のスタッフの皆さんに感謝です。公民館では、その日はメキシコ料理教室も行われていました。地域で公民館が生き生きと使われているのを目の当たりにしました。
【リターンについて】
ご支援の報告とともに、心ばかりではありますがリターンを準備しております。まもなく発送になります。写真は、島のマルコ水産で、リターンを購入中のものです。このご報告とともに、レターパックで発送させていただきます。郵便局のご担当の方も、とても親切でした。
【収支について】
収支の概要は、以下のとおりです(単位は円)。
新幹線 |
在来線 |
弁当 |
宿泊費 |
教材費 |
駐車料 |
ガソリン |
雑費 |
返礼品 |
送料 |
合計 |
44320 |
2900 |
6480 |
30163 |
29973 |
800 |
6215 |
3360 |
28279 |
7664 |
160154 |
収支には、当日の収支だけではなく、打ち合わせでの現地訪問の費用も含みました。打ち合わせでは、会場の公民館の下見とメディアの設定、診療所での打ち合わせ、返礼品の購入等を行いました。
インストラクターの移動の費用が最も大きいですが、教材費も3万円程度、かかっています。三角巾や、タトゥーシール、ラベルシールなどです。実践的な研修には、お金がかかるのだということを再認識しました。タトゥーシールを用いた外傷ムラージュは、当初はリアリティを出すために使うようにしましたが、実際にやってみると、参加者の皆さんは、傷をそっと扱うことに思い入れが強いので、出血している部分をしっかり直接圧迫するという手技は、外科医や救急医にとっては当たり前でも、一般の方々には心理的に容易でないということを認識して参考になりました。
当日、会場設営をしながらスタッフが昼食として弁当をとりましたので、収支に入れさせていただきました。会場費と、プロジェクター等のレンタル代が通常は、入ってきますが、公民館に全面的にご配慮いただきました。御礼申し上げます。
【今後について】
島の一部の方々ではありますが、住民の方々と接点がもて、今後の具体的な診療支援に大きな手掛かりが得られました。その日のうちに、ご参加の何人かの方々が診療所を受診されて感想を伝えてくださったとの連絡もありました。まったく見ず知らずの者が支援に行くよりずっと距離が近くなったように感じます。
市川先生との議論では、たとえば年末年始の支援をお聞きしたところ、年末年始は、むしろ通常業務が少ない分だけ、からだが楽なので、突発的なことや看取りが求められるケースがあっても自分自身で対応ができる。学会や技能向上のための研修においては、是非、支援してほしいとのことでした。市川先生の島への愛に、頭がさがります。
また、診療所だけでなく薬局に関しても今後、調査をして必要があるということになりました。
さらに、今後、これをモデルとして別の地域も広げていく計画です。次は、山口県の周防大島での調査を予定しています。