こんにちは。このプロジェクトの全体の進行を担当している東京芸術大学の古川です。

 

公開から数日がたち、現在16名の支援者様から211,000円のご支援をお寄せいただいております。ご支援くださった皆様、本当にありがとうございます。

 

今回は、どうしてこのプロジェクトを行おうかと思ったか、わたしの観点から書いてみたいと思います。

 

 

1)大阪万博の遺産である、バシェの音響彫刻は万博後、鉄鋼館のなかに放置され修復されたいくつかの作品を除けば、分解されたまま、ばらばらの状態です。けっこう大きなものなので、いつか置き場所も確保できなくなれば、このまま、おそらくは散逸してしまう思われます。これは残念かつ困ったことです。

 

 

2)芸術作品の修復とはオリジナルを毀損する事と表裏一体の関係にあり、このプロジェクトを始めるにあたって、バシェ作品の修復とはどうあるべきか、専門家たちを集め、十分に議論し、シンポジウムを重ねて知見を集約する事ができました。この辺の事をしっかり議論しない限りは、芸術作品の修復とは関われないと思ってきました。バルセロナ大のバシェの研究者であり、バシェから直接教えを受けたマルティ・ルイツさんも修復に関わるという意味で、このプロジェクトのある程度の修復の正当性が担保できている、ということも重要なことでした。

 

修復に関する議論で、私たちを悩ませたのは、音響彫刻は単なる彫刻ではなく楽器でもあり、叩いたり引っ掻いたりして出てくる音も大切であり、また、叩いたり引っ掻いたりすれば、再び劣化、そして損壊してしまうという音響彫刻の二重性でした。飾っておくだけでは楽器ではないのです。

 

 

3)東京芸術大学の取手キャンパスには大規模な金属、木材、石材、ガラスなどを扱う工房があり、そこではそれらのマテリアルを扱う専門家たちがおり、その周辺には伝統的な技法から、最新の技術までの技法の粋が集められていて、バシェの作品の修復にはこれ以上の好条件は望めないと考えられます。

 

 

1)のような状況で2)、3)の条件が揃う事はやはり、稀であり、是非ともこの機会にこのプロジェクトを前に進めたいと思っています。ご支援をお願いします。