
支援総額
目標金額 300,000円
- 支援者
- 77人
- 募集終了日
- 2019年6月12日
haricoを大黒屋とつくる『仕立屋と職人』ってどんなやつ?
Readyforをご覧のみなさま、応援ありがとうございます!
仕立屋と職人・装飾の石井です。ヒゲロン毛と一部で親しまれています。
装飾=デザイン、そんな感じです。上の写真だと右下です。
今回は他の記事に比べたら箸休めです。なので、前後編分けず6000字一気読みコースです。(たぶん2分くらいで読了)
大黒屋に弟子入りし、ジュエリーブランドをつくることになった我々。
一体どんな人なの?という説明がほぼ皆無でここまできてしまいました。(汗)
と、いうわけで、わたくしヒゲロン毛が独断と偏見まみれで、つくり手『仕立屋と職人』がどうやって結成からブランド設立に至ったのかを紹介したいと思います!
やっぱり身につけるもの、つくり手の素性がわかっていた方が安心ですものね!では、ただの経歴紹介じゃつまんないんで、物語仕込みで参ります。
〜攻める張り子職人とharicoの物語〜
プロローグ・はじまりは突然に。

装飾・石井挙之
「あぁ〜もしもし?ユカリ?のれんつくりたいんだけど、縫い方教えて!グラフィックは俺がやるから!え?チチのカタチ?なにそれ。助けてくれ〜。」
一度も来たことない郡山で過ごすのは、かれこれ3週間目になる。
日本に帰国してから一番はじめのプロジェクトだ、気合いが入る。
とはいうものの、のれんがつくれないと始まらない。断られなくて本当に良かった・・・。
俺が知る限り、ユカリは縫製の腕がイイ上に、ノコギリも扱える。そして街の人にすぐ溶け込む性質を持っている。この街の人たちとつくり上げる作品にはもってこいだ。ユカリがそろそろ到着する頃だ。
縫子・ワタナベユカリ
「いや、だからね、のれんのつくり方は、チチのカタチを輪っかに・・・
あぁ〜もう、電話じゃ伝わらないから、アタシ行くわ。」
アルファードに乗り込み、東北道を法定速度内で爆走する。向かう先は福島県郡山市。一度も足を踏み入れたことない土地だ。うしろには大型ミシンと裁縫セット、そして寝袋。大学からの同じ釜飯、タカユキのアートプロジェクトの助っ人としてこれから一週間、職人の工房に泊まり込むことになってしまった。しょうがないな。アタシが断ったらどうするつもりだったんだよ。アタシ、いいヤツだな。
東京から約4時間、未踏の地郡山に到着した。
参謀・古澤恵太
「タカさん、今どこいるんスか?え?郡山?なんで?あ、なんだか面白いダンサーのヘソ出し金髪女と。アートっすね。行きます。」
電話を切り、よく事態も飲み込めないまま、カメラだけ持って東北新幹線に乗り込む。ロンドンから日本に帰ってからの旅行は久しぶりだ。あれだよな、郡山といえば薄皮饅頭!まぁとにかく到着まで企画書詰めるか・・・。
「はじめまして、ケータです!ユカリさんっすね、ウワサ通りなんか、スゴイっすね。え、これ自分がヌードモデルしたときのオシリ?え?」
郡山に到着するなり、景色より、重要文化財の建物より、まずウワサの”金髪女”が持つケータイ待ち受け画面が飛び込んできた。なんか個性強いし情報量多目だな・・・。
「この二人、学校一緒だったらゼッタイに友達になんないタイプだな〜。
そうだ、伝統工芸の工房泊まってるんですよね?俺も見たい!」
一路、アルファードに乗り込み、大黒屋へ向かう。

装飾・石井挙之
「到着しました〜!今お世話(居候)になってる、大黒屋です!すごいでしょこのお屋敷。300年以上ここでダルマをつくり続けて来たんだよ。こんな所に居候できるなんてなかなかないよ。見て、神棚。年季の入ったダルマがズラリ・・・夜中はちょっとコワイよ。
まぁそれはさておき、彰一さんを紹介するね。ダルマをつくるこの大黒屋の二十一代!今日はいったん飲もう!まずは飲むところから!」
ロンドンに暮らしていた頃、日本のものづくりの姿勢は素晴らしいと声をかけてもらえることが多かった。きっとその頂点の一角にいるのが日本の職人なんだろうな、とボンヤリ思っていた。それと同時に、自分とは別世界の人間、とも思っていた。存在しているようで存在していないんじゃないか、そんな感じ。

彰一さんとはこの3週間で、自分たちがつくってるものをどう伝えられるか、ワカモノから見た大黒屋、デザイナーから見た大黒屋、そんな話を重ねてきた。今でも覚えているのは、彰一さんが初めてご飯に連れ出してくれた、郡山駅の裏路地にある三松会館。
「俺はね、自分とはまた違うモノをつくってる人たちのこと、すごく興味があるんだ。だからお話聞かせてくれないかな。」
え、いいんですか・・・?僕の話なんてして、ものづくりを突き詰めた職人にそんな恐れ多い・・・とモロに縮こまっていたのを思い出す。それでも彰一さんは自分の話をするより、目の前に現れた見知らぬ若輩者の話をまっすぐ真剣に聞いていた。自分の中で存在しなかった職人が形を帯び始めた瞬間だった。
縫子・ワタナベユカリ
「こんばんは〜。お世話になります!ワタナベユカリです。洋服のデザイン、パターン、縫製をしてます。あ、実はダンサーで、ヌードモデルも、以前は車中生活m・・・」
ちょっと情報量多目だったか。初対面なのに鳩豆顔をさせてしまった。
「そうですね!ひとまず飲みますか!あ、手伝えるときはアタシもダルマづくり、手伝わせてください!」
ダルマづくりか・・・楽しそうだな・・・。
まぁ、人生紆余曲折あったけど(まだ大して長らく生きてないけど。)今までこんな伝統的な職人と出会ったことはなかったな〜。初めて出会った職人は自分の中で新しすぎて、正直どう接したらいいか分からなかった。初体験の連続で、なにを話したのかすら断片的にしか思い出せない。
大黒屋二十一代・橋本彰一
「いらっしゃい、よく来たね。工房見るかい?」
なんだか自分のまわりにはいないような3人組だな。まぁそれもおもしろい。ものづくりに対する話しを工房でこんな風にするなんて、なかなかないことだよなぁ。
「この里は300年以上張り子づくりをやってきて、今ではたった4軒。でさ、張り子、って言ってもみんな分かんないと思うんだよ。ダルマ置く家も少なくなったしさ。うれしいことに、自分は張り子のことを人前で話すチャンスが多い方なんだよね。だからさ、その時に『自分は張り子職人なんだぜ。』ってみんなに誇れる作業着がずーっとほしかったんだよ。だってさ、人前で話す時にキレイな作務衣を着るんだけどさ、ふだん着ないじゃない。“職人のイメージ”=作務衣みたいなさ。もっとデザインとかファッションとかで張り子のこととか職人のこと伝えたいんだよね。」
縫子・ワタナベユカリ
「アタシつくりたい!職人の姿を魅せる作業着!」
アタシはこの時、『ホントにつくっちゃっていいんだ!』ってワクワクと緊張が入り混じって変な顔をしていたと思う。
でも、ダルマづくりってどうやってやるんだろう?それわかんないと作業着つくれなくない?だって、作業しづらい作業着なんてないもんね。まぁ、ひとまずスケッチからはじめてみるか。こうしてその場にいた4人で攻める張り子職人の魅せる作業着をつくることになった。
仕立屋流、“弟子入り”が誕生
装飾・石井挙之
「もしもし、彰一さん、ご無沙汰してます!秋ぶりですね。突然ですが、弟子入りさせてください。」
・・・。
あれから、東京へ戻りユカリがデザイン画をあげて、ケータと3人で話し合っていた。
「彰一さんって"THE職人"ってイメージじゃなかったね。」
「お母さんたちも宇宙人みたいな相手でもたくさん思ってること話してくれるんだね。」
「夢が大きくてイケてたね。張り子と言えば大黒屋にする!とかさ。」
「もしさ、日本全国の職人が、思っていたTHE職人みたいに怖い、厳しい、敷居が高い!じゃなかったらさ、それ、俺らみたいな人に伝えたいよね。」
「これ、やってみない?生業にしない?」
こうして、仕立屋と職人は生まれた。
ダルマ職人にとって必要な作業着をつくるためには、この距離じゃどうしても限界があった。そうとなりゃ、やってみるしかない!2017年の冬からフリーランスとして活動していた俺とユカリが大黒屋でダルマづくり(=張り子)を学ぶことになる。
”行かなきゃ、話さなきゃ、やってみなきゃ分からない”、知りたい!という気持ちが赴くままに始まった“弟子入り”が仕立屋と職人の定番となった。

縫子・ワタナベユカリ
「職人って男社会のイメージあるけど、こんなに女性職人が働いてるんですね。」
大黒屋の職人比率で言うと男3:女7くらい。家内制手工業なので、親族が多い。作業をする間、この女職人衆と実に多くの話しができる。大黒屋としてこだわっていきたいところ、男職人衆に言わず秘めている思い(内緒)などなど、きっとアタシが女同士というところでも話しやすいのだろう。この話はタカユキにはきっとしない。まるでクッションのような存在のアタシ。娘のように接してくれるお母さんたち。技や工程を理解しながら、職人たちの哲学や想いに触れた。さて、準備は整った。ようやく作業着を縫い始めよう。
haricoは1つのボタンだった?!
大黒屋二十一代・橋本彰一
「おぉ〜〜〜イイねぇ。これに袖を通すと、なんだか職人みたいだねぇ。」
軽いツッコミを受けながら、上がってきた作業着を見ては袖を通すの繰り返し。職人の魅せる作業着は、ハレとケの日で裏返せる、リバーシブル仕様になっていた。なんだか、作業で汚すのもったいないから飾っとこうかな、なんて。
「もう一つだけ注文していいかな・・・?これを着ていてさ、お客さんと『コレが張り子なんですよ。』って会話が始まるような、そんなモノ入れられないかなぁ?」
無理を承知で頼んでみる。すると3人が言う。
仕立屋と職人
「紙でできたボタン・・・とか?」
「いやいやいやいやナイナイナイナイ〜〜〜!」
「洗えないじゃん。作業着洗えないのはキツイっしょ〜〜〜」
そこで、彰一さんは言う。
「和紙でできないもんはないよ。イケるよ。」
え、まじすか?やってみますか?
そこから、仕立屋と大黒屋の和紙の洗えるボタン作りが始まった。

参謀・古澤恵太
紆余曲折、スッタモンダを繰り返し、作業着は完成した。 ボタンもつくった。あとはこのアイデアのタネをどう育てるか、だ。
「コレをさ、ちゃんと売れるモノにしたいよね。張り子、新しい形でお客さんに届くようにさ。」

できあがったモノを見て思った。コレはイケる。みんななんて言うだろう?大黒屋の想いがダルマではなくて、300年つづいてきたカタチとは全く違うモノになった。
そんな折、彰一さんから一報。
「ROOMSってのが五反田であるんですが、一緒に出してみない?」
となれば、パッケージとブランドコンセプトと、ターゲットtもあんcうぃ・・・
この後、メンバーに仕立屋の司令塔からキラーパスが渡り続けることになる。
運屋・堀出大介
タカさんとケータさんから連絡をもらったはいいが、なんの話かよくわかっていない。どうやら今、ROOMSという展示の真っ最中らしい。僕はと言うと、2人が待つ恵比寿のCAFE PARKに向かっている。前件が長引いてしまっていきなしのチコクだ。申し訳ない。
「あぁ、タカさん、ケータさんドウモドウモ!遅れてごめんなさい!お久しぶりですね。」
なにやら資料がオシャレテーブルに広がっている。カフェの小洒落た雰囲気に反比例してだいぶ、攻めた見た目のロゴがこちらを向いている。

「仕立屋と職人・・・?」
ここまでの経緯、目指す世界、そして自分たちには足りず、僕に協力してほしいことなどを話してくれた。僕にできること、それはこの3人が目指す世界にたどり着くために「事業として成立させる。」ということ。何せ僕はそれを生業に会社を経営している。
「おもしろそうですね!少しずつですが会社としても、僕としても、どう応援していけるかを前向きに考えさせてください。」
これまでの経験で、色々なことがあった。これからは、純粋に未来をみてる、そんな人らと一緒に仕事をしていきたい。そう思っていた矢先だった。3人のバラバラなキャラ。それでも同じ方向を向いている。コレだったらいけるんじゃないか。何せ、職人に弟子入りまでするヤツらを、少なくとも僕はみたことがない。
こうして僕はいつの間にか仕立屋の中で運屋という肩書きを与えられていた。内から生まれたモノを外へ運び、出会いや機会を外から運んでくる。運屋、まぁ悪そうでいいじゃないか。

参謀・古澤恵太
「クラウドファンディング、やってみませんか?」
前から気になっていた。クラウドファンディング。このharico、みんなにどう思ってもらえるのか、気になる。知りたい。Readyforに連絡をして、仕立屋 X 大黒屋 X Readyforの挑戦が始まった。参謀としては、このクラウドファンディングを皮切りに、大黒屋と先へ進む作戦を企てたい。サービスデザイン界で手に入れたすべての方法を余すことなくひっさげ、職人世界に飛び込む。未来へのキラーパスだ。
エピローグ・ダルマ、新時代へ。
職人たちの想いは一着の作業着になり、張り子は一つのボタンとして生まれ変わりました。それからおよそ2年の歳月をかけて、多くの人に応援してもらいながら今のharicoのカタチになりました。
きっとこのジュエリーは、仕立屋の4人が、あの時大黒屋の職人たちに出会わなければ、この世に生まれることはありませんでした。haricoは張り子職人たちが未来へ歩を進める第一歩。張り子と言えば大黒屋に。張り子では届かなかった、全ての人たちへ。郡山の静かな里山でつくられるジュエリーを、街中でふと見かけるそんな日を夢見て。ぜひ全ての物語をこめたこのジュエリーを手に取ってみてください。
著・仕立屋と職人 装飾・ヒゲロン毛 石井挙之
注)本編の登場人物の発言は、ヒゲロン毛が普段みんなから何回も聞いている言葉を物語調に独自編集したものです。なお、本人の許可は取っていません。
リターン
3,000円

とにかくお気持ちを!
いただいたお気持ちに対して、仕立屋と大黒屋の職人が全力でお礼のメッセージをお送りします。
- 申込数
- 18
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2019年7月
5,000円

【Readyfor限定制作】harico ネックレスversion【先着30名様】
今回、Readyforのためだけにつくった、haricoのネックレス。
オフィスでもパーティでも、存在感がほしい方に。
○14金メッキ加工
○チェーン長さ 40cm
○デザインはharico本体から切り出した形になります。
○お好きなカラーを一つお選びください 。【緋色(表)+漆黒(裏)】or【漆黒(表)+白鼠(裏)】
○デザインの形は届いてからのお楽しみになりますのでご了承ください。
- 申込数
- 27
- 在庫数
- 3
- 発送完了予定月
- 2019年12月
3,000円

とにかくお気持ちを!
いただいたお気持ちに対して、仕立屋と大黒屋の職人が全力でお礼のメッセージをお送りします。
- 申込数
- 18
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2019年7月
5,000円

【Readyfor限定制作】harico ネックレスversion【先着30名様】
今回、Readyforのためだけにつくった、haricoのネックレス。
オフィスでもパーティでも、存在感がほしい方に。
○14金メッキ加工
○チェーン長さ 40cm
○デザインはharico本体から切り出した形になります。
○お好きなカラーを一つお選びください 。【緋色(表)+漆黒(裏)】or【漆黒(表)+白鼠(裏)】
○デザインの形は届いてからのお楽しみになりますのでご了承ください。
- 申込数
- 27
- 在庫数
- 3
- 発送完了予定月
- 2019年12月

鳥サポーター募集中|鳥と人の共生を目指す活動にご支援を!

- 総計
- 39人

ヤンバルクイナの郷基金〜世界自然遺産 やんばる〜

- 総計
- 3人

小児病院で絵画展をおこないます!サポートをおねがいします!

- 現在
- 840,000円
- 支援者
- 37人
- 残り
- 6日

より多様な方が楽しめる場所を一緒に、奈良おもちゃ美術館。

- 現在
- 2,675,000円
- 支援者
- 140人
- 残り
- 33日

JWCサポーター大募集中!傷付いた野生動物を救いたい

- 総計
- 225人

今後の日本の生産者、消費者を救う自然栽培「半夏生米」にご支援を!

- 総計
- 36人

日本の食文化の危機。和食の未来を紡ぐ、出版プロジェクト

- 現在
- 5,800,000円
- 支援者
- 72人
- 残り
- 23日