桜の襖絵修復の様子と複製制作の進捗について

暑さの合間に、秋の気配を感じる頃となりました。

９月某日、修理工房を訪ねて、県指定文化財・桜の襖絵の修復の様子を拝見して来ました。経年の姿を残しつつ、綺麗に進んでいます。顔料の色止めが終わったものから、可能な限りシミや汚れをとり、裏打ち紙を剥がし、破れた箇所を修復しています。汚れやシミは抜きすぎても、薬品で紙や絵自体が傷んでしまうため、ギリギリのところで目立たなくしています。
破れたところや裏打ちの劣化したところも薄なっている所や、あとで貼られたところは、一つ一つ、残すか取るかを吟味しながら丁寧に進めていただいています。
職人の技に敬意を抱き、熱意を頼もしく感じました。
修復はまだまだ続き、10月末のお披露目を目指しています。

また、複製製作は佳境です。レプリカ用のデータのデジタル修復も完了しました。こちらはシミが綺麗になくなり、描画当時の状態にかなり近いものに仕上がりました。これを襖紙に印刷し、表装してゆきます。

修復・レプリカともに、10月末のお披露目を目指しています。