コロナと私と香港と_23

 

 

中国の憲法にも人権の事は書いてある。「国は人権を尊重し保障する」(第３３条)。しかし、別の条文で「いかなる組織ないし個人も社会主義体制を破壊することを禁止する」となっている。これを恣意的に解釈して、結局何でもありなのが今の中国だ。

 

国際人権規約の自由権規約（B規約）というものがある。中国は署名しているが、未だに批准していない。国連安保理の常任理事国の中で、批准してないのは中国だけである。

 

国連には国連人権理事会というものがあるが、こうした国際機関は昨今のWHO問題で判るようにに、チャイナマネーに汚染されているようだ。

 

昨年ウイグルの再教育キャンプが人権侵害だと、日本や欧州などの22カ国が共同書簡を理事会に提出した。しかし、イラン・ミャンマー・キューバ・北朝鮮など55か国は、逆に中国支持の書簡を理事会に提出した。

 

日本人にとっては戦後の国連加盟と国際社会への復帰は悲願だったので、今でも「国連」という2文字に弱いが、実際は既にチャイナマネーに汚染されている。70年以上経てば、どんな組織も制度疲労が起きるだろう。

 

最近よくコロナに絡んで中国政府とWHOの癒着関係が話題になるが、国際機関の問題点が曝されたのは良かった。アメリカはとうに国連と距離を置いている。悪く言えば、今の国連は職員の給与を払うための機関に成り下がっているようにも見える。

 

今後、国連では中国の存在感はますます増大するだろう。国連の設立理念は崇高だ。しかし現実は、中国を国際的な非難から守る盾のような存在になっており、存在意義があるのか疑問に思う。