視覚障害者のための体で学べるマッサージ講習会を開催したい！

　８月２４日に開催された鍼灸マッサージスキルアップ講習会では、宮下先生(おあしすネット代表)を講師にお呼びして、１３人の視覚障害者が参加しました。

　午前中は参加者の皆さんが普段抱えている職場の悩みや、必要なコミュニケーション力とは何か、講師の先生と話し合いました。

　先生ご自身が視覚障害者ということもあり、経験談の一つ一つにリアリティを感じます。

　参加された皆さんも、周りに視覚障害者の同僚・相談できる相手が少なく、自分が抱えている問題をどう解決していけばいいか、悩んでおられる方が大勢いらっしゃいました。

　マッサージという共通点はあっても、デイサービスや治療院、病院やヘルスキーパーなど職場が違うと本当に色んな悩みがあるものですが、実際に経験されている方のお話は現実的・具体的で、非常に貴重な時間となりました。

　その後、実技講習に関する技術的な知識についての解説があり、午後からは、リンパマッサージや、関節が動かない人への訓練方法など「高齢者・障害者へのマッサージ方法」をテーマに実技を行いました。

治療用ベッド４台を使い、皆さんはグループに分かれてそれぞれのベッドで訓練していきます。
先生はまず見本として、ひとつのベッドに教え、それから各ベッドを順番に回り一人ひとり指導していきました。

　体で覚えていくこのスタイルのために、一回の講習会で学ぶことができる人数は限られてしまうのですが、見えない人にとっては非常にわかりやすいと評判でした！一般で行われている鍼灸マッサージ関連の講習会とは、この部分が最も違う点で、皆さん素晴らしくイキイキと熱心に講義を受けていて、少しでも何かを持ち帰って今後の治療に生かしたいという熱心さに感動しました。

　今回、参加されたのは１３人ですが、１３人一人ひとりが普段の職場に戻り、全員が関わる患者さんの治療に役立てることができれば、もっと多くの方の幸せにつながります！ぜひそのように過ごしていただきたいと思います。

　講習会を終えられた皆さんは、今後もお互い仲間として「視覚障害はあるけどお互いに切磋琢磨し合って業界を盛り上げていこう」という意欲もお持ちで、現在つながり強化のためにメーリングリストを作成中です。

今後も定期的に講習会を開催し、一人でも多くの方に参加してもらいたいと思っています。参加された皆さんには、視覚障害でも第一線で活躍できること、そして同じ視覚障害でも、一緒に頑張っている仲間がいることを実感してもらい、自分たちの充実感が患者さんの元気に繋がるようになって欲しいです。

視覚障害者のための講習会には障害特性を考慮した準備が必要になります。ぜひ、支援をよろしくお願いいたします。