松本弦人 さんへの撮影あいまインタビュー!

さて先日無事スケッチブック類全ページ複写し終えましたが、撮影のあいまの休憩中に、松本弦人 さんへインタビューさせていただきましたのでご紹介です。本のことがちょっとわかるかも、全然わからないかもですが、ぜひご一読ください。



悪魔のしるし(以下 悪):「一◯◯◯文庫」のこと、すこし教えてください!

松本弦人さん(以下 弦人):
「一◯◯◯文庫」は、これまでシリーズで5冊出版していて、いまいま、声をかけさせてもらってる著者が十数人います。「一◯◯◯文庫」としては1人ないしは1団体で1000ページ作る、というのと、タイトルは必ず、名前+一◯◯◯とする、てことだけ決めている。内容は絵だけでも文字だけでも、なんでもいいんだけど、最大のハードルは「本」であること。
——だから、お願いできる人が限られてくる。ひとりで1000ページを埋めるなんて、まあなかなか無理じゃないですか。
それから、これは基本的に商業出版だということ。オンデマンドだけど、ISBNつけて書店流通させるという、いわゆる出版社のスタイルを個人でどこまでできるかって実験でもあるのね。(このインタビューの一週間後、2017年度共同通信書籍ベスト3アート部門で『羽永光利 一〇〇〇』が選ばれた。個人出版実験のひとつの成果といえる)


悪:なんで危口さんで1000ページ!とおもったのでしょうか?どんな本をイメージしてらっしゃいますか?

弦人:最初っから著者候補だった。まだ先と思っていたけど、危口くんは間違いなくドスゴイことになる人で、1000ページをみっちり埋めるだろうって思ってた。——でも、死んじゃったじゃないですか。その時は一〇〇〇本のことなんて1ミリも思い出さなかたけど、オイラの危口喪失感は凄まじくて、自分でもびっくりするくらいだった。しばらくして、ああ、『危口統之 一〇〇〇』つくんなきゃって。
——あとは、これは書かないでいいけど「悪魔のしるし」やそのまわりのひとたちにとって、いいんじゃないかな? ていうのも、ある。

悪:どんな本になりそうですかね?

弦人:滝尾さんとかおちゃんが持ってきてくれたモレスキンの危口くんノートを見たときに「これはいける」と思った。一〇〇〇本の少なくともエステティックな観点からは間違いなくイイ。極端な話、全部ノート複写で、ちょっと後書きがついておしまい、で、オイラはいいと思った。でも、構成は「悪魔のしるし」とかみんながかんがえることだから。
いま、撮影しながら全体(70冊!)を見はじめてるわけだけど、読み解けること、読み解くべきことがてんこ盛りで、いろいろ考えられるね。

悪:(あそうか、構成はわれわれがかんがえないといけないですよね、ドキドキ)

 


 

弦人:危口くんの作品の中でやっぱり「搬入」は強烈だった。大量のスケッチブックを見て思うのは、彼は建築構造と身体運動から演劇空間を創っているってこと。これは間違いない。「搬入プロジェクト」は、構造、身体、空間、という、繰り返し繰り返し描かずいられない、文字通り危口くんに身体化された要素を、むっちゃ正直に戯曲にした最も純度の高いものだと思う。

編集注>そのとき搬入第一回目に弦人さんが撮影した写真をまとめたのが、これです!ちょうどbccksのプロジェクトもスタートしたころでした。


http://alpha.bccks.jp/bcck/11167/info#B11167,P0

 


弦人:ノートって外付ハードディスクじゃないですか。しかも危口くんのはむっちゃちゃんとバックアップされてる。これを時系列でならべると、危口くんがかなり再現されてしまうんじゃないか、ていう気がしますよね。
——とはいえ、1000ページの本って、ほんと特殊なんで、通して見てみないとわからないんだよねー。

悪:確かに1000ページのことなんて一気に考えられません(爆)

弦:あのノート群は、もちろん危口くんの記録であって、見せたり出版するために描いたんではないんだけど、「見られることあるだろうなぁ」という、まだ見ぬ読者への配慮のようなものも感じます。

悪:そういえば「絶対見るな」て書いて十文字に結ばれて封印されている「10年日記」ていうのが世界のどこかにあると思いますが、あえて我々は在処を忘れることにしました。しかし今撮影しているノート類は生前にオッケーをもらっていたものの、表紙に「見たら殺す」とか「見たら即死」とかかいてあるので嫌ですね。「殺す」ならまだしも、他の何かの力によって死に至る的なのはやめてもらいたいです。

弦人:さて、いっこ素晴らしいおしらせなんですが、このたび印刷機がバージョンアップして、とてつもなく黒のシマリが良くなります!
本当にオフセットみたいな仕上がりになる。今年の12月から順次差し替わります。

悪:わおラッキー!

弦人:しかしあと撮影どのくらいかかるかな——70冊で1冊20分として、1400分、てことは、えーと、200時間くらいかな…いやちがう23時間だ! なんだ丸一日でできるやん!
よっしゃ1日でおわるぞ!!

悪:(寝ないのかな?…)

かくして休憩は終わり、一同撮影に戻りましたが、当然1日では終わらず、数日かけ弦人さんのお力をいただき、先日無事フィニッシュしました。さてここからは選定や構成の作業に入ります。また皆さまのお知恵をかりることもあるかと思いますが、引き続きどうぞよろしくお願い致します!


編集・文責:「悪魔のしるし」


*おまけ参考資料:撮影時間に弦人さんがDJしてくださったレコードの記録

ステキな曲が多く忘れたくなかったので+なんでも記録しないといけないアーカイブ気分で写真とりました。よかったら眺めてみてくださいー

 

 

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