【修理進捗状況】修理監督に行ってまいりました。

昨年10月と12月に修理監督にいってまいりましたので、ご報告いたします。

順調に修理も進んでおり、修理の完了を待ち遠しく感じております。

巻子の吉川家文書は古い表装を取り除き、補強のための裏打ちの紙を決めました。

表装から取り外した文書

また、以前の巻子では書状間にほぼ余裕がない状態でしたが、今後の展示の事も踏まえて書状間の間隔をあけました。横並びの書状の位置も下揃えに統一し、展示した際にもご覧いただきやすくなったかと思います。

12月の監督の際には文書の巻子と以徹の掛軸の表装も決めました。

左　吉川家文書巻子　右　「以徹」掛軸

また、皆様から多くの寄附をいただいた結果、この度の修理以外にもご寄附を使用させていただくことができました。

ご寄附は吉川家17代当主・吉川広家公の肖像画修理のため使用させていただきたいと存じます。

広家公は2025年の今年没後400年を迎えます。

ここ岩国の地は関ヶ原の合戦後、広家公が出雲より移られた土地であり岩国発展の礎を築かれた人物です。

現在肖像画は吉川家文書と同様古くなった肌裏紙を取り除き、新たな肌裏紙によって補強され綺麗にご覧いただくことができます。また、表装は元の表装を修理していただくことになりました。

こちらも修理完了まであと少しの予定です。

広家公の肖像画も吉川家文書と共にご報告をいたしますので、楽しみにお待ちいただければと存じます。

2025年1月20日　公益財団法人吉川報效会

吉川史料館