約840年の歴史を伝える吉川家文書を未来へ|文書修復にご支援を

約840年の歴史を伝える吉川家文書を未来へ|文書修復にご支援を

寄付総額

2,837,000

目標金額 1,200,000円

寄付者
217人
募集終了日
2023年10月31日

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プロジェクト本文

吉川史料館と吉川家について

 

わたしたち吉川史料館は錦帯橋で有名な山口県岩国市にある歴史博物館で、公益財団法人吉川報效会が運営しています。

 

吉川家は藤原南家の支流で、駿河国入江庄に住んで入江氏を称した維清3代の孫、入江景義の嫡男経義(つねよし)公が、入江庄吉川(静岡市清水区)に居館を構えて吉川と称したことが始まりです。源頼朝に仕える御家人であった初代・経義公からじつに約840年、吉川家の一族は数々の武勇を残し今に続いています。

 

国宝「太刀 銘為次(狐ヶ崎)」のほかに、15代元春公が陣中で書写した「太平記」や吉川本として研究者から注目される「吾妻鏡」を始めとする約2,500点の国指定重要文化財、その他の史料を合わせると約7000点にも上る貴重な史料を所蔵しています。当館ではこれらの貴重な史料を散逸することなく大切に保存し、多くの皆様に鑑賞いただいております。

 

吉川史料館
名勝錦帯橋
桜の名所としても知られる錦帯橋
毎年6月に始まる「錦帯橋の鵜飼」
うっすらと雪化粧した錦帯橋と岩国城

 

公益財団法人吉川報效会は、30代当主吉川元光(きっかわもとみつ)氏が紀元2600年(昭和15年)の奉祝および3代当主朝経(ともつね)公の700年祭を記念し、家財の一部を投じて財団法人吉川報效会として組織したのが始まりです。吉川報效会は岩国および玖珂郡内(現:山口県岩国市)の文化教育の振興助成や公共事業の貢献を目的とし、吉川家の東京本邸に本部を設けて事業を開始いたしました。昭和17年(1942)には藩政時代の資料やその他の歴史資料を展示するため岩国に徴古館を創設しましたが、第二次世界大戦後の昭和25年(1950)建物および資料は岩国市に移管することとなりました。

 

平成2年(1990)、吉川家に伝来する貴重な史料が31代当主吉川重喜(しげよし)氏より吉川報效会に寄附されました。寄附されたこれらの資料を保存・公開するために史料館を建設することが決定され、平成6年(1994)旧岩国藩主の隠居所(昌明館)跡地に史料館の建設を着手し、翌年史料館が完成した後は広く一般に展示公開しています。吉川史料館の展示室は1室のみで決して大きい博物館とは言えませんが、表門には岩国市の指定文化財である昌明館の門やそれに続く長屋が残り、ロビーからは山頂にそびえる岩国城を鑑賞できるなど、岩国の歴史を節々に感じることのできる施設です。吉川報效会は平成25年(2013)に公益財団法人として認定され、今の形となりました。

 

 

吉川史料館に所蔵されている文化財

 

当館が唯一所持している国宝「太刀 銘為次(狐ヶ崎)」は、正治2(1200)年正月20日、鎌倉幕府の有力御家人であった梶原景時一行が幕府に叛き京都へ向かう途中、駿河国清見関にて吉川家2代当主吉川友兼(きっかわともかね)公が景時の三男・景茂を討ち果たしたときに佩用していた太刀です。友兼公も深手を負い翌日に亡くなりました。鎌倉幕府はその戦いの功績を認め、吉川家に梶原氏の領地であった播磨国福井庄の地頭職を与えたのです。狐ヶ崎は戦場の地の名前に因んで名付けられ、吉川家の第一の宝物として大切にされてきました。

 

また、11代当主経基(つねもと)公は、鬼吉川や俎(まないた)吉川と呼ばれるほどの武勇を誇りましたが、一方で虎関師錬が著した日本の仏教略史である「元亨釈書(げんこうしゃくしょ)」や連歌師である飯尾宗祇が詠んだ「老葉(わくらば)」を書写するなど文化人としても評価が高い人物でした。

 

当館が所蔵する文化財は、吉川家が文武両道を大事にしてきた証ともいえるものばかりなのです。

 

国宝「銘 為次(狐ヶ崎)」
国指定重要文化財「元亨釈書」
吉川家伝来武具(左:吉川広家公所用「三巴具足」 中:吉川広家公所用「黒塗鯰形兜」 右:吉川元春公所用「黒塗筋兜」)
芦屋釜(如水釜)黒田如水(孝高)から吉川広家公に贈られた釜。
吉川家では「如水釜(じょすいがま)」といって大事にしてきた。この釜は黒田如水が豊臣秀吉から贈られたものという。

 

 

「三矢の訓(みつやのおしえ)」にみる忠義の心

 

吉川家といえば吉川元春(きっかわもとはる)公の名前を知っている方が多いのではないでしょうか。この元春公が登場する「三矢の訓」というお話があります。

 

中国地方を代表する戦国武将・毛利元就公が病床に3人の息子を呼び1本の矢を折って見せた後、3本束た矢を折らせてみたところ折ることはできませんでした。元就公は3人へ「1本では簡単に折れてしまう矢でも、3本束ねれば簡単に折ることができない。3人で協力して毛利家を守りなさい。」と言い渡したという有名なお話です。

 

この「三矢の訓」のお話は元就公の病床での出来事ではなく、中国地方を広く治めていた大内氏を滅ぼしたのちに、兄弟の結束を強める目的で3人の息子に宛てた「三子教訓状」をもとに作られたと言われています。3人の息子とは毛利家の嫡男である隆元公、そして当時吉川家と小早川家にそれぞれ養子に入っていた次男吉川元春公、3男小早川隆景公のことを指します。

 

その後、元春公と隆景公は「毛利両川体制(もうりりょうせんたいせい)」を築き、兄弟間争うことなく毛利家を支えました。また、「天下を望まず」という元就公の教えは、毛利家のため関ケ原合戦時に不戦を貫いた元春公の3男、17代当主広家(ひろいえ)公にも受け継がれたのです。

 

15代当主吉川元春公
17代当主吉川広家公

 

 

吉川家の歴史を伝える「吉川家文書」が破損の危機に

 

吉川家が所蔵する史料の中でも一番皆様の目に触れる機会が多いのが、重要文化財に指定されている「吉川家文書」です。吉川家文書には鎌倉時代初期から江戸時代初期までの古文書2,393点が納められています。これらは貴重な歴史史料として当館における展示だけでなく、様々な調査、研究にも役立てられてきました。

 

しかし、長く所蔵し公開する事は同時に劣化のリスクを抱えています。

 

特に紙で出来た古文書は、経年による折れや亀裂の進行、表装の糊離れなど防ぎきれないものもあり、その破損状態により展示の難しいものが出てきました。その中でも特に破損の著しい史料が、この「元就公其外様御書」としてまとめられている毛利家、吉川家、小早川家各当主たちの自筆書状及び元春公の嫡男、16代当主吉川元長(きっかわもとなが)公の掛軸です。

 

損傷の激しい表装
折れの目立つ毛利元就公書状
吉川元春公和歌短冊
吉川元長公筆掛軸「以徹」

 

 

私たちがクラウドファンディングに挑戦する理由

 

この古文書には永禄年間の毛利元就公による尼子氏攻略や、天正9年に吉川一族の吉川経家(きっかわつねいえ)公が豊臣秀吉の兵糧攻めから城内の人々を守る為切腹を遂げた、鳥取城の戦いを伝えるものも含まれてます。各当主間でやり取りされた書状がほとんどであり、3家が協力して中国地方における軍事・統治を行っていることがこの古文書から分かります。また、吉川家に唯一残っている元春公が詠んだ和歌の短冊や、元長公が吉川家菩提寺の住職周伯慧雍(しゅうはくえよう)に贈ったであろう「以徹」の掛け軸もあります。

 

毛利一族の戦いの記録だけでなく、吉川家の文化人としての素養も窺える大事な史料を修復し、未来へ永く残していきたい。この古文書と掛け軸の修復には多額の費用が掛かることがわかりました。

 

重要文化財である「吉川家文書」は国から半分の修理費補助を受けることができます。

 

しかしこの度、国が民間投資を活性化してより効率的に文化財保護を促進することを目的に、寄附やクラウドファンディングを活用して修理費用を集めることができた場合、補助率をさらに加算する仕組みを始めました。

 

新型コロナウイルスの蔓延に伴い来館者数の減少で大きな痛手を受けた当館にとって、できる限り負担を減らすことができるこの仕組みはとても魅力的です。しかしスタッフ数の少ない小規模な史料館である私たちにクラウドファンディングに挑戦し本当に達成することができるのか。吉川史料館内でも議論を重ね出た結論は、クラウドファンディングへのチャレンジでした。

 

今回の修復に多くの皆様のお力をお借りし、さらにこのクラウドファンディングを通じて吉川史料館をもっと多くの方に知ってもらいたいというのがその理由です。とはいえ初めてのクラウドファンディングへの挑戦です。そのため、すべての修理費用を募るのではなく一部を皆様からご協力いただけないかと考え、目標額を120万円としましたが、入館者数の減少などで疲弊している私たちには大変貴重な寄附となります。

 

 

吉川家文書の修復を行い、未来へ永く残したい。

 

皆様から頂いた大切なご寄附は、今回の修復対象である「元就公其外様御書」の巻子、元長公筆掛け軸の修復費用に充当させていただきます。

 

令和6年よりこの吉川家文書は修復作業に入り、令和6年度末に修復が完了する予定です。そのあとは当館での展示を主とし、多くの皆様に吉川家の歴史を伝える大切な史料として永く残していきます。

 

当館では、吉川家文書を展示する際にはできる限り現代語訳をつけて展示をしています。歴代当主の筆跡や感情を読み取ることができる古文書とそこに何が書かれているのか、これまでも分かりやすい展示を心がけてきました。

 

私たちは研究だけでなく、様々な立場の方々が実物を見て想像を巡らせていただくことも、今に残る古文書の役割だと考えています。

 

上下 吉川史料館での展示の様子

 

 

今なお続く吉川家の林業への取り組み

 

吉川家の林業への取り組みは、幕末期の12代藩主吉川経幹(きっかわつねまさ)公の第3子で、明治時代に分家を創立した吉川重吉(きっかわちょうきち)男爵の進言により治山・治水における山林の大切さに鑑み、明治36年に木谷山林を購入し、吉川家の林業経営がはじまりました。吉川林産興業株式会社は、錦帯橋が架かる錦川源流の一つである木谷川周辺の吉川家が所有する広大な山林の管理をはじめ、現在は山林内に点在する林家(りんか)と協調して造林育林の施行にも取り組み、その管理された山林は下流を流れる錦川の水源涵養林の役目をも果たしています。

 

今回皆様へお渡しする返礼品のヒノキを使用したグッズ(コースター・スプレー・チップ・オイル・ブロック)は、吉川林産興業が管理する吉川家の木谷山林のヒノキから作られたものです。また、酒井酒造株式会社様にお願いして制作いたしました、今回のクラウドファンディング限定の「木桶造り純米酒 吉川家文書修復記念 元春公」及び「純米大吟醸 吉川家文書修復記念 元春公 木桶生もと造り」はこの山林の杉を使用した酒樽から醸造された木桶造りです。そのふくよかな木の香りと柔らかな口当たりが特徴の素晴らしいお酒です。

 

返礼品は、どれも木の温かみやヒノキの素晴らしい香りを楽しんでいただける品物で、返礼品を通して今なお続く吉川家の林業への取り組みも知っていただければ幸いです。

 

木谷山
吉川林産興業による山林管理の様子

 

 

終わりに

 

今回私たちが行う吉川家文書の修復は、当館始まって以来初めての取り組みとなります。

 

約840年受け継がれてきた吉川家文書はどれも大切に保存管理されてきたものですが、今後も永く残し次の世代に繋げていきたいという想いから修復事業に取り組むことにいたしました。また、このクラウドファンディングという機会を通じて吉川家に興味を持っていただき、さらに吉川史料館へ足を運んでいただければ大変うれしく思います。

 

吉川史料館のある山口県岩国市横山の地は吉川広家公が岩国城を築城し、その孫である3代藩主吉川広嘉(ひろよし)公が錦帯橋を創建した歴史ある町です。史料館にご来館いただけた際には、この地に多く残る吉川家の足跡にも触れて頂ければと思います。

 

この事業に多くの皆様のお力添えをいただければ幸いです。

皆様からのあたたかいご寄附をお待ちしております。

 

吉川史料館のロビーから展望する岩国城

 

 

特定寄附金による税制優遇について

 

公益財団法人吉川報效会は、税制上の優遇措置の対象となる「特定公益増進法人」に指定されております。当財団へのご寄附は、所得税法第78条に規定する特定寄附金に、法人税法第37条第4項に規定する寄附金に該当します。詳しくは、「国税庁のホームページ」をご覧ください。

 

お送りする「寄附金受領証明書」は、税法上の優遇措置(所得控除或るいは税額控除)を受けるために、確定申告時に必要な証明書となりますので、大切に保管してください。

 

公益財団法人吉川報效会に寄附をされた個人に対しては、所得税について、以下の税制優遇措置がありますので、どちらかを選択してください。

 

⑴所得控除

     所得金額-(寄附総額-2,000円)×所得税率=税額

      注 寄附総額のうち、所得控除額は総所得金額等の40%相当額が限度

⑵税額控除

    (寄附総額-2,000円)×40%=寄附金特別控除額

      注 税額控除額は、所得税額の25%が限度

 

法人の場合:「寄付金特別損金算入限度額」の枠が適用され、当該限度額の範囲で損金算入ができます。

※詳しくは自治体や所轄税務署、国税庁のウェブサイト等をご覧ください。

 

<寄付金受領証明書の発行について>

寄附をされた方には、後日「寄付金受領証明書」を送付致します。

証明書名義:READYFORアカウントにご登録の「リターン/ギフトの発送先の氏名」を宛名として作成します。

証明書発送先:READYFORアカウントにご登録の「リターン/ギフトの発送先ご住所」にお送りします

寄附の受領日(証明日):READYFORから実行者に入金された日 2023年11月1日(2023年10月17日追記)となります。

証明書の発送日:2023年11月ごろを予定しています。発行までお時間をいただきますが予めご了承願います。

 

 

■ご注意事項

●当プロジェクトのリターンにございますHPへのお名前掲載についての条件等の詳細は、READYFOR利用規約の「命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認下さい。

●返礼品の内READYFOR限定「木桶造り純米酒 吉川家文書修復記念 吉川元春公」及び「純米大吟醸 吉川家文書修復記念 吉川元春公 木桶生もと造り」のお酒のみ酒井酒造株式会社様より発送致します。


■酒類のリターンについて

ーーーーーーーーーーーー

20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。

 

酒類販売管理者標識

・販売場の名称及び所在地:酒井酒造 株式会社 岩国市中津町一丁目1144

・酒類販売管理者の氏名:大下勝己

・酒類販売管理研修受講年月日:令和3年10月7日

・次回研修の受講期限:令和6年10月6日

・研修実施団体名:徳山小売酒販組合

ーーーーーーーーーーーー

プロジェクト実行責任者:
公益財団法人吉川報效会
プロジェクト実施完了日:
2025年3月31日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

公益財団法人吉川報效会吉川史料館が令和6年度末までに、重要文化財「吉川家文書」の修復を行い、集めた資金をこの修復費用として充当させていただきますが、この度の吉川家文書修復費用を上回る金額の寄附が集まった場合には、公益財団法人吉川報效会吉川史料館の運営費及び所蔵品の修復・復元の費用に充当させていただきます。

リスク&チャレンジ

プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
必要金額と目標金額の差額は国、山口県、岩国市からの補助及び自己資金にて充当します。

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公益財団法人吉川報效会吉川史料館は、山口県岩国市横山にある840年もの歴史を持つ吉川家に伝来した歴史資料や美術工芸品を展示している歴史史料館です。

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※招待券の有効期限は2024年11月末までです。
※ご寄附画面において、本名以外を希望される場合の質問事項が表示されますが、本名をご希望の方とHPへの掲載を希望されない方は、お手数ですが「不要」とご記入の上、次の画面にお進みください。

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いただいたご寄付をできるだけ多く修復費用として使用させていただくコースです。

※ご寄附画面において、本名以外を希望される場合の質問事項が表示されますが、本名をご希望の方とHPへの掲載を希望されない方は、お手数ですが「不要」とご記入の上、次の画面にお進みください。

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2023年11月
1 ~ 1/ 12

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