三俣山荘オーナーの伊藤圭さんに応援メッセージを頂きました！

■伊藤さんからの応援メッセージ

一般道にしても登山道にしても「道」と言うものは、人にとって目的地へ到達するためになくてはならないインフラです。

例えば奥地の山中で道なき道を歩けば、藪に阻まれ、または川や滝に出くわし、道のありがたさがすぐにわかることになるでしょう。

また道が出来上がっていくプロセスには、その場を何度も往来する人々の知識から難所を回避し、急斜面には蛇行が入れられ、最短距離で最も安全に目的地へ到達するという人が作り上げてきた歴史そのものが刻まれています。

昨年、私共三俣山荘では先代が、北アルプス黒部源流へ下界より最短でアクセスできる幻の古道「伊藤新道」を 3年かけて復活させました。

この道の復活の背景には先代の遺言、唯一無比の景観を多くの人に紹介する、北アルプスの 新境地の開拓と言う三つのテーマがありましたが、目的地と言うよりか道そのものが持つ物語性、道中の自然体験の深さが大きな意味を持ち、登山者やハイカーの皆さんから熱烈に受 け入れられました。

今回応援させていただいている金峰山の修験者の古道の維持存続も、かつて日本人の中に根強かった、自然への信仰、自然との共生の歴史を後世に残すという意味で、大きな物語性と意義を持ちます。 僕も以前から興味のあった金峰山。ぜひこちらのルートからアプローチしてみようと思います。

ぜひ応援よろしくお願いします！

■伊藤圭さんプロフィール

三俣山荘と水晶小屋の経営者。父は『黒部の山賊』の著者でも知られる伊藤正一さん。弟は 雲ノ平山荘の伊藤二朗さん。戦後、正一さんが開拓した黒部源流の山小屋を受け継ぎ、北ア ルプス奥地の過酷な条件のもとで、独自の山小屋づくりを続けている。現在、父・伊藤正一 さんが開拓した長野・富山・岐阜の3県にまたがる三俣蓮華岳と長野県の湯俣温泉を結ぶ登 山道、通称・伊藤新道の復活プロジェクトを進めている。