物件が見つかるまでのはなし

 

いよいよ、自分の厨房が欲しいと思ったのは昨年9月のこと。この時からクラウドファンディングの準備がスタートしました。

 

物件探しと並行して厨房の見積もりも取ることになり、厨房を持つなら絶対にホシザキ製だと決めていたことから、大崎にあるショールームへ度々足を運ぶようになりました。

 

ショールームは私にとっては夢が詰まった場所でした。担当者から説明を受けながら調理台の前に立つと、自ずと、これから完成する厨房でお菓子を作る自分の姿が想像されワクワクしました。また、素晴らしい機能が満載のコンベクションオーブンから一度に60個ものマドレーヌが作れることに更に胸が高鳴りました。以前の職場では家庭用サイズのオーブンで作っていたからです。

 

厨房機器の準備が整う一方で物件はなかなか見つかりませんでした。厨房機器を入れるのに天井高が3メートル必要だと言われ、そんなに高い天井の物件はなく、また、広さも私1人で作業するなら6～8畳ぐらいで十分でした。

 

私がお菓子屋になろうと決めたのは今から5年前のことです。この時から、住まいと同じ場所に自分のアトリエを持ちたいと考えていました。しかし、とうてい叶わぬ夢だと決めつけ住まいの近くで物件を探し、マンションの一室を借りたいと不動産屋に言えば、「改装したがる大家はいない」と言われて納得していました。

 

東京から市川市に引っ越してきて5年目になります。今住んでいるアパートは私の理想を叶え、システムキッチンがつき部屋が広いこと、天井吹き抜けでペンション風のかわいい造りに一目惚れをして決めました。でも、まさか同じアパートに厨房をつくり5年越しの夢も叶えてしまうとは、ここに引っ越してきたことが、最初から仕組まれた必然だったのではないかと思うほど、私自身がとても驚きました。

 

厨房になる前は単身用のごく普通の部屋でした。

 

 

写真からも天井が高いことが分かります。４メートルあるそうです。

 

「念ずれば華ひらく」という言葉を聞いたことがあります。やりたいと願う思いが本物であれば、本当に叶うのだと身をもって体験したのでした。