地方の殖産産業を通じて日本の少子化対策慈業

合計特殊出生率の話とは異なりますが、現在の大学進学率は、全国で52.3％です。

一方、大学進学率と一人当たりの都道府県所得との相関を計算してみると、「0.415」の正の相関がみられました。つまり、大学に進学したほうが所得が高まることを意味します。

一方で、大学進学率と共働き率の相関を計算してみると、「-0.536」のある程度強い負の相関がみられました。これは、大学進学している人は共働きではなく、配偶者のいずれかのみ仕事をしている世帯が多いことが分かります。

一方で、共働き率と一人当たりの都道府県民所得との相関を計算してみると、「-0.135」と弱いながらも負の相関がみられました。つまり、共働きをしている世帯は一人当たりの所得が低いことを意味します。

共働き率と女性の初婚年齢の相関を取ってみると、「-0.594」というある程度強い相関がみられます。女性の初婚年齢が若いと共働きにならないということです。

共働き率と各都道府県の20～30代の男女比の相関を取ってみると、「-0.222」という相関になっており、女性の多い都道府県の方が、共働き率が低いことが分かります。

※このことから言えることは、大学に進学していない所得の低い女性が都会で就職し、晩婚で結婚して共働きとなり、少子化が進んでいる、ということになります。

これは、私の意見ではなく、この数字から言えることです。

逆を言うと、大学に進学して所得の高い女性が地元で就職し、結婚して専業主婦になれば、少子化が進まないということになります。

これもまた、私の意見ではなく、この数字から言えることです。

ただ、私はこの数値からはそうは言えたとしても、それは正しいとは思っておりません。

世の中の半数は女性です。男性よりもはるかに優秀な女性が大勢いることは言うまでもありません。

しかし、出産という女性にしかできないことと、社会で働くというある意味誰にでもできることとでは、出産という女性にしかできないことをやっていただく社会を構築することのことの方が重要です。

再三申し上げておりますが、少子化の最大の敵は通勤時間です。

今申し上げている女性の人間モデルは※の通りです。もう少し平たく言うと※の人間モデルは、お金がないから長い通勤時間をかけて働かざるを得ないのです。

これは、出産という女性にしかできない活用法を国は活用しきっているでしょうか。

今すぐに高学歴をつくろうとしてもできません。そもそも社会に出ているということは大半が学校を卒業しているわけであり、翻って学歴を手にしようとしてもできません。

そうなると女性が都会で就職しなくてもいいようにすることが次善策ではないでしょうか。

女性が地元に残りたくなるようにするためには、地元を魅力あるものにする必要があります。

そこで必要になるのが、地方の殖産産業ということになります。

この負のスパイラルを断ち切らねば、少子化の問題を解決することはできません。