
支援総額
目標金額 15,000,000円
- 支援者
- 812人
- 募集終了日
- 2021年8月10日

火災で焼損、安堵町の中家住宅。代々守り継いできた文化財を修復したい

#地域文化
- 現在
- 18,701,220円
- 支援者
- 671人
- 残り
- 12日

能登半島地震/豪雨 | 買って応援!輪島のお店復興で住民が集う街へ

#地域文化
- 現在
- 1,789,000円
- 支援者
- 189人
- 残り
- 7日

北海道で一番小さな村を盛り上げたい!マンスリーサポーター募集!

#地域文化
- 総計
- 30人

緊急支援|岩手県大船渡 山火事被害へのご支援を

#災害
- 現在
- 6,927,000円
- 寄付者
- 724人
- 残り
- 42日

2度の悪性リンパ腫を乗り越えた医学生に血液内科医になるチャンスを!

#医療・福祉
- 現在
- 13,994,000円
- 支援者
- 1,947人
- 残り
- 29日

令和6年豪雨で倒壊した山形県酒田市 御瀧神社|修繕と復興にご支援を
#地域文化
- 現在
- 13,760,000円
- 支援者
- 468人
- 残り
- 12日

#狂言を未来へ|伝承の危機にある演目を公開収録し、後世へ残したい

#地域文化
- 現在
- 3,264,000円
- 支援者
- 309人
- 残り
- 1日
プロジェクト本文
第一目標達成の御礼とネクストゴールについて
8月6日に目標金額を達成しました!無事に皆様のご支援を受け取ることができます!本当にありがとうございます!この喜びの気持ちを糧にあと4日、走り抜けようと思います!
ついては、ネクストゴールを2000万円と設定させていただきました。
建物の修繕には非常に大きなお金がかかること、最近のウッドショックによる木材の高騰などの影響も受けるため、当初目標の1500万円を超えた部分については、修復工事の設計を担当する六波羅真建築研究室とも相談のうえご支援いただいた金額にあわせて、より良い修復につながるよう、最善を尽くして活用させていただきます。
残りわずかとなりますが、引き続きのご支援、よろしくおねがいいたします。
鯛よし百番、保存修復プロジェクト(MICRO HERITAGE)始動。
〜街中にある「小さな文化遺産」を大切に守り抜く〜
大阪・飛田新地。
大正時代に建てられた遊郭と街並みが今も残る、国内でも有数のエリアです。その街並みが今、建物の老朽化により失われつつあることをご存知ですか?
町に眠る「小さな文化遺産」の多くは、管理に多額の費用がかかることや、所有者が亡くなってしまうことなど、様々な事情により取り壊されてしまうケースが急増しているのです。建物は一度取り壊してしまったら、二度と元には戻りません。
時代の変化に伴いこれまでも色々な困難を乗り越え、守り継がれてきた建物は、貴重な財産です。
私たちも力を尽くしてこの歴史的な建物を守り、後世につないでいく使命があります。
そこで私たちは今回、町中の「小さな文化遺産」の中でも、「飛田百番」の通称で知られる老舗料亭「鯛よし百番」の修復に取り組みます。
「鯛よし百番」は大阪・飛田新地の外れに佇む、大正時代に建てられた遊郭、妓楼建築で、現在は料亭として地域からのお客様をお迎えしています。当時の遊廓建築を今日に伝える貴重な近代和風建築として高く評価されており、国の登録有形文化財に指定されています。
築100年以上経った今、建物の基礎、外装、内側は大きく劣化してきており、一刻も早い修復が望まれています。ところが、新型コロナウイルス感染症の影響により、鯛よし百番では料亭としての売上が大幅に減少。修復にかかる費用のすべて負担することは難しい状況です。
そこで今回、クラウドファンディングという形で多くの皆様からのご支援を募ることにいたしました。いただいたご支援を活用して建物を修復し、建物からにじみ出る歴史を後世に残しながら、ゆくゆくは歴史的な建物×現代の融合にも取り組んでいきたいと考えております。
今も大阪の地に残る大切な文化財を守り、時代に則した形でともに歴史を紡いでいきたい。皆さまの温かいご支援を心よりお待ちしております。
「鯛よし百番」からのご挨拶
はじめまして、鯛よし百番を所有する株式会社 鯛よしの木下邦子です。
私どもは、今から50年前より、父である故・木下勝義とともに、この歴史ある鯛よし百番の建物をお食事処として守り育て、大阪のみならず全国の皆様にご利用頂いて参りました。しかしながら、築100年を超え、建物の劣化が進んでおります。加えて、昨年よりの新型コロナ感染症の影響を受けまして、その修復費用の捻出も困難な状況となっております。そこで、このたび、Micro Heritage様の協力を得て、建物修復のためのクラウドファンディングを実施させていただくことといたしました。
初めての経験ではございますが、これまで、ご愛顧いただきました皆様からのご支援をお願いする次第です。いただいたご支援をもとに、鯛よし百番の建物を修復し、よりよい環境で皆様をお迎えできるよう、今後も努めて参りたいと思っております。これからも鯛よし百番を、よろしくお願い申し上げます。
株式会社 鯛よし 木下邦子
「鯛よし百番」(飛田百番)について
「鯛よし百番」(飛田百番)は大阪・飛田新地の外れにある老舗料亭であり、大正時代に建てられた遊郭妓楼建築です。当時の遊廓建築を今日に伝える貴重な近代和風建築として高く評価されており、国の登録有形文化財に指定されています。
建物は木造2階建てで、お客様が上がる2階には、5畳半ほどの茶室風の部屋が13室並び、室内や階段にはひょうたんや竹の意匠が施されています。1階にはカフェとして使われたフロアがあり、西洋文化を積極的に取り入れたことが分かる造りとなっております。
戦後、売春防止法施行に伴い、当時のオーナーは、遊郭、遊所としての役割から、自身が収集した美術品を展示する観光施設や料理屋に業態へと業態を転換しました。10年以上の歳月をかけて、京都の絵師、大工棟梁を動員して改装を実施、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康などが活躍した桃山文化を意識、旅をテーマに、様々な時代、地域の文化様式を百番の内装として再現しました。
このようにして、遊郭、妓楼建築としての趣を残す建物であると同時に、桃山美術館ともいわれる絢爛豪華な内装を併せ持つ建物として、今に至っています。
飛田百番の2階では、東海道の島田の宿(弥次喜多の部屋、船)や、由良の間(忠臣蔵)、オランダの間、祇園茶屋、宮島(しゃもじの装飾)、銭屋(そろばん装飾)、お祭り佐七(梯子の装飾)、千代の間(加賀千代女の井戸)など、物語性豊かな部屋づくりがおこなれました。近年の改装で失われてしまった部屋もありますが、廊下壁面とあわて各部屋にテーマ性を持たせた造作は戦前から続く最大の魅力といってよいでしょう。
町中の「小さな文化遺産」保存プロジェクト:Micro-Heritage事業第一弾
|「小さな文化遺産」を取り巻く環境
街中には歴史的な価値のある小さな文化遺産がたくさん眠っています。しかし建物の改修保存には大きな費用と手間が必要となります。個人の手では管理が行き届かないケースや、所有者が亡くなり遺産相続の過程などで取り壊しされるケースが急増していっています。
取り壊しは致し方ない場合もありますが、できるだけ時代に則した形で守り続けていきたいと考えこのプロジェクトを立ち上げました。その第一弾が「鯛よし百番修復プロジェクト」です。
以前より、鯛よし百番の修復の必要性は感じていたところでしたが、その費用捻出がネックとなり、なかなか計画が進みませんでした。さらにコロナ禍の影響で、経営的にダメージを受け、修復にかかる費用捻出が厳しい状況となっています。
このままの状態が続いてしまうと、建物の老朽化は更に進み、修復さえ難しい状況になりかねません。今このタイミングでなんとかこの大切な文化遺産を守り、残していくことはできないか、そう考えた結果、修復にかかる費用を募るクラウドファンディングの実施を決意しました。
|クラウドファンディング実施の理由
クラウドファンディングを実施することによって、資金面ももちろんですが、鯛よし百番を始め「小さな文化遺産」を一緒に守っていただける仲間をたくさん募ることができたらたいへん心強く思います。
また、ただ建物を残すだけではなく、その過程においても改修前の状況をVR化して記録することなど、デジタルアーカイブを残していくことにも力を入れております。そしてこれを機に、鯛よし百番にとどまらない、さまざまな建物を残していく取り組みとして、Micro-Heritage事業を継続していければと考えています。
|これまで取り組み
実は以前、飛田百番の近くにある遊郭建築物である「満すみ」に関するプロジェクトとして、「写真集」制作プロジェクトを株式会社蛙企画とともに実施しました。>>詳しくはこちら
このプロジェクトでは、名もない遊郭建築に400人以上が支援いただけるということがわかり、建物の価値、遺す意義を感じていただける多くの支援者の存在から、Micro-Heritage事業の考え方が生まれました。
皆様のご支援で「鯛よし百番」の修復を行います。
先に示したように鯛よし百番は、大正・昭和初期の遊郭妓楼建築、近代和風建築としての特性と、戦後の大改修による桃山美術館としての特性をあわせもっています。修復にあたっては、当初の建築構造を復元することを意識する一方、豪華絢爛で特徴的な内装は修復して可能な限り残す、という方針を掲げています。
その方針の下、集まったご支援金額に応じて、可能な限り修復を進めます。まず第一目標として掲げる1500万円では、早急に手を入れる必要のある建物の基礎部分、雨漏り等の構造修復ほか、目立つ部分の顔見世の間や外側の欄干などの修復などを優先して行います。
そのほか、玄関ドアや、上部の唐破風の修復、外観をよく見せるため、室外機や塩ビの雨樋などを和風建築にあわせて、修理します。

行政の補助金なども活用して、集まったお金以上の修復の実現を目指しております。
●第一目標金額:1500万円
●実施内容:2022年02月28日(月)までに、鯛よし百番の修復工事を終了したことを以て、プロジェクト終了といたします。
※本プロジェクトは鯛よし百番のオーナー木下氏の意向を受け、サミット不動産(代表:杉浦)を中心としたMicro-Heritage事業の一環として実施いたします。引き続き建物オーナーはもちろん、歴史、地理、建築などの分野の研究者、建築設計事務所などと協同して実施していく予定です。
古い建物から新しい未来を発信する
鯛よし百番のある飛田新地は、歴史的にも深い背景を持った土地です。建物にはその歴史が息づいているのです。私たちは建物からにじみ出る歴史的な魅力や奥深さをより多くの方に届けたいと考えています。
しかしただ建物の現状を維持するだけでは、この想いは実現できません。そこで本プロジェクトでは、クラウドファンディングの実施に先立ち、VR撮影を行いました。Matterport Pro2、Leica BLK360のというVR撮影専用機材を使い、建物の外観から各部屋の隅々まで、閲覧できるようになっています。1F部分は誰でも見れる形、2F部分はユーザー登録していただくと閲覧できるようにしています。>>詳しくはこちら
このように新しい技術も取り入れていくことで、これまで百番の建物を見たことがない方や、かつて訪れたことがあっても長らく訪れていない方などが、新たに興味を持っていただくきっかけとなることを期待しています。
そして今後、鯛よし百番にお客様が戻れば、特徴のある各部屋ごとに、改修・修復ポリシーを決め、傷みの激しい部屋については、オリジナルに戻すことにこだわらず、現代の若手アーティストなどに部屋のテーマのみを踏襲してもらいながら、あらたに作り変えるといったことも考えていきます。古い建物と新しいアイディアの融合は、まさにこれから先もこの建物が存続していく大きな一歩となるでしょう。
新型コロナウイルス感染症の影響も続く中、大変恐縮ですが、「小さな文化遺産」を守り、伝えていくために、仲間になっていただけますと幸いです。なにとぞよろしくお願いいたします。
|飛田新地について
鯛よし百番のある飛田新地は、売春防止法が完全施行される1958年までは飛田遊廓と呼ばれる遊廓でした。1912年に難波新地にあった遊郭が全焼する大火があり、1918(大正5)年に今の場所に移転、第2次大戦前の最盛期には200軒を越える妓楼が存在したといわれています。
飛田遊廓が開業した大正時代は、江戸時代の洗練された文化と明治維新以降、流れ込んできた西洋文化が生活のさまざまな分野で融合し始めた時期であり、その文化的な影響は飛田遊廓にも見て取れます。大通りの入口に大門を置き、遊廓全体を塀で囲まれており、その街並みは整然とつくられており、吉原などの遊所を意識してつくられたのは間違いありません。一方、個々の遊廓を見ると、豪壮な木造の遊廓建築でありながらも、ビリヤード場やダンスホールを置いたり、煉瓦やステンドグラスを多用したカフェー建築を彷彿とさせる部屋があったりと、「和洋折衷」と言われた当時の文化の香りが感じられます。
もちろん、鯛よし百番を語るうえで、その建築的な側面だけでなく、飛田新地の性風俗の問題にも触れることは避けて通れません。100年前にタイムスリップしたような感覚、遊郭に絢爛とした、同時に妖艶な雰囲気を感じるのも、そこが性風俗が行われる場所だったのは間違いないでしょう。セックスワークを存在すべきでないものとして否定するのは簡単ですが、満すみの写真集「House of Desire」(2021、蛙企画)のなかで、「性風俗に受持しなければならない女性が生まれるのは社会の問題であり、問題解決がされないわけですから、セックスワークは非難されるもので無いと思えます」と井上理律子が語っているように、これは社会問題であり、知ることがひとつの解決につながっていくという側面もあります。その意味でも、飛田新地で、純粋な料亭としての訪れることができる、鯛よし百番は重要な学習機会を与えてくれる場であるとも考えています。
プロジェクトメンバーからのご挨拶
株式会社サミット不動産 代表取締役/大阪府簡易宿所生活衛生同業組合 事務局長
杉浦正彦
4年前に大阪府簡易宿所生活衛生同業組の事務局長に就任。2年前より大阪市西成区にて地元密着型の宅建業の会社を立ち上げる。今年は飛田新地旧遊廓の写真集制作プロジェクト「朽ちつつある遊廓跡を後世に残したい! 写真集制作プロジェクト」のプロジェクトメンバー。
私と(株)鯛よし様とのお付き合いは約1年前、新型コロナ感染症感染拡大で飲食業の経営が厳しい状況の中、(株)鯛よし様から集客手法についての相談があった時からでした。
それまでは地域の有名な料理店でしたので、何度か食事には伺ったことがありましたが、改めて伺ってみると建物の外装、内装共に劣化が進み、お客様をお迎えするには厳しい状況と感じました。そんな昨年の冬に(株)鯛よしの三宅様より建物修復の資金調達にクラウドファンディングの手法が使えないかという相談がありました。
それ以降、私は今回組織するMicro Heritage のメンバーの(有)CR-ASSISTの四井氏や(株)令和コンサルタントの白石氏、古民家再生の一人者である建築家の六波羅真建築研究室の六波羅氏と話し合いを行いながら、クラウドファンディングの計画を進めてきました。また、橋爪先生や地元の方々のご協力や大阪市立大学工学部建築学科の皆様のご協力もあり、クラウドファンディングをスタートする運びとなりました。
鯛よし百番は地域の大切な宝です。また、日本国内においても稀有な近代遊廓建築です。私はこの鯛よし百番を私たちの子供や孫のため、後世に遺していきたいと思っております。皆様のご支援をお願い申し上げます。
株式会社令和コンサルタント チーフコンサルタント 白石貴士
税理士法人勤務後、一般事業会社にて財務総務責任者として創業から携わり3年の勤務を経て、2019年税理士法人銀河を母体とした株式会社令和コンサルタントを開業し現職。
鯛よし百番さんが当社の母体である税理法人銀河の顧問先様というご縁でご相談を受け、今回のクラウドファンディングをご提案いたしました。
長く続く時短営業・休業により特に規模の大きな店舗は相当に厳しい経営を強いられています。
コロナ禍の厳しい経営環境を乗り越えて、以前にも増して荘厳で美しく活気のあるお店を取り戻し、百番が後世にその価値と歴史を伝える地元のランドマークであり続けるために、何卒皆様のご支援ご協力を宜しくお願い申し上げます。
有限会社CR-ASSIST 代表取締役 四井恵介
大阪市立大学卒(地理学)、大阪府立大学院卒(観光学)。人文、福祉、情報分野の調査研究を生業とし、西成や阿倍野でのまちづくりにもかかわる。2019年より、カフェとコワーキングスペース(=CLIP)の運営を開始。
仕事では、大学・研究機関・行政等と調査研究、データ分析などをメインに仕事を行っています。観光まちづくり、地域福祉にかかわる案件が多く、街をどうしていくかを常に考えています。昨年度はエリアリノベーション関連プロジェクトを西成区役所から受託し、その延長で、今回のプロジェクトに関わるようになりました。西成/あいりん地域では、学生のころから日雇労働や不安定居住関連の調査に関わり、気づけばプレイヤーに近い立ち位置になっています。
鯛よし百番、そして鯛よし百番のある街に学生のころに足を踏み入れたのは、20年くらい前でしょうか。観光系の社会人大学院では、橋爪紳也さんが指導教員、わたしが学生という形でした。
この20年の間、多種多様な案件に係る中で
・立命館大学の加藤政洋さんの花街、遊郭研究に関連した案件
・国立近現代建築資料館のデジタルアーカイブ関連の案件
・阿倍野をはじめとしたまちづくり、そして建築リノベーションに関わる案件
さまざまに、接点をもってきた要素、縦軸と横軸が一気に絡むこのプロジェクトに、ワクワクしています。
建築の保存・修復には大きなお金がかかりますが、大手企業が参入しにくい、ちょっと特殊な街だからこそ、クラウドファンディングという手段が有効だと思っています。どうかご支援よろしくお願いいたします。
応援コメント
大阪府立大学研究推進機構特別教授/大阪府立大学観光産業戦略研究所長/大阪市立大学都市研究プラザ客員教授/建築史家/工学博士
橋爪 紳也
わが国において、近代和風建築の再評価が始まったのは、1980年代のことです。鯛よし百番は、当時から和風の妓楼建築として高い評価を受け、近年、登録有形文化財にも指定されました。戦後になってから内装は大幅に改築されていますが、建物そのものは大正から昭和初期における大阪の都市文化を、さらには近代遊郭の文化的景観を今日に伝える貴重な存在です。
私が、この鯛よし百番についての調査研究を始めてから、40年近くの年月が経ちました。文献資料や関係者のヒアリングを重ね、『飛田百番 遊郭の残照』(創元社2004年)、『写真が語る「百番」と飛田新地』(洋泉社2019年)などの書籍を編み、竣工年次の確定や改築の経緯について検証を重ねてきました。オーナーである木下さんとも親しくさせていただいています。
はじめて百番を訪れた当時と比べると、基礎の沈下によって柱や梁が歪み、長年の風雨で外装も傷みました。襖絵や壁画も傷みが目立つようになりました。損傷の激しい建屋を目にするたびに、改修の必要性に思い至ります。
これまで緊急的な修理は行われましたが、本格的な修復に向けた動きはなされていません。今回のクラウドファンディングの試みを端緒として、将来的には大規模な改修につなげていければと考えています。
また価値のある建造物を次世代に残すためには、記録保存が不可欠になります。工事関係の資料のほか、経年変化の状況を後世に伝える画像、どのように使われているのかといった記録が重要になります。先に紹介した著書も、飛田百番に関する写真や文書を残すために企画したものです。今回作成された鯛よし百番のVRは、まさにデジタル化の時代に対応した文化財の記録保存の試みです。今後、ほかの文化的建造物にも応用できる取り組みでしょう。
最後に、株式会社鯛よし、そして、Micro Heritageの益々のご活躍をお祈り申し上げるとともに、皆様には本件に関する、ひろく熱いご支援を心より、お願いいたします。
FM大阪「なにわルネサンス大人の文化村」パーソナリティ/なにわ名物開発研究会 会長
野杁育郎
なにわ名物開発研究会会長、NPO法人地域おこしの会理事、NPO法人おまけ文化の会副理事長、大阪商工会議所中央支部振興委員、日本観光研究学会会員、ミナミジャズウォーク実行委員会委員長、FM大阪「なにわルネサンス~大人の文化村」パーソナリティ。
「鯛よし百番」私たちは「飛田の百番」と呼ぶことが多い。国の登録有形文化財で大正時代に建てられた「妓楼建築」に初めて訪れた時の感動はいまも鮮明に覚えている。それもただ見学するのではなくそのお座敷で「すき焼き」宴会を楽しめるのだ。日光東照宮、三条大橋もあり、大小の趣をこらした部屋が見たくて大人数から少人数の宴会に参加する人も多い。戦火をくぐりぬけ今に伝わる貴重な生きた「大阪名物」。建物が大きく傷んでいると以前から聞いて心配していた。「保存・修復プロジェクト」いちびって、はりこんで、大阪らしく町衆が支えて実現させませんか?
六波羅真建築研究室代表/空堀商店街界隈長屋再生プロジェクト(からほり倶楽部)前代表理事
/直木三十五記念館 運営委員
六波羅 雅一
昔ながらの日本文化と現代建築の融合に取り組んできた1987年六波羅真建築研究室設立。設計のかたわら、空堀商店街界隈の長屋や路地の活用を模索する中、2001年4月に「からほり倶楽部」を設立。「からほり・まちアート」の開催、古い建物の保存、複合商業施設として再生された「萌」「練」「惣」の運営、直木三十五記念館の創設等を手がける。からほりでの経験を活かし他地域でも堺市諏訪ノ森「遊」、上町地域交流スペース「結」、緑橋町家再生複合施設「燈」、狭山町家再生複合施設「くりや」等を地域の活性化と共に手がける
これまで、長屋や古民家を、建物の役目を位置付けながら再生してきました。歴史や文化そして環境を意識し、建築を活かしてきたつもりです。さてこの鯛よし百番は、戦後に建物の役目を大きく変えました。大正時代の豪華な建築をそれ以上にきらびやかに意匠を施したのです。しかし、その建築は豪華すぎたゆえに、修復が追いついていないのです。世界の歴史に残るこの厳しい時期ですが、劣化は進み、一刻も早く手を添えてあげたいところです。時は令和時代を告げ、世界中の協力者を募る仕組みと、その意識が育つ優しい時代になってきました。修復を忠実に行うと共に、安易に補修されていた部分などには、令和時代の足跡を残すデザインも必要であると考えたりもします。
遊廓家/カストリ出版 渡辺豪
1977年福島県生まれ。全国に残る遊廓跡・赤線跡およそ500箇所を撮影取材。2015年、遊廓専門の出版社「カストリ出版」を創業、主に貴重書の復刻を行う。翌2016年、吉原遊廓跡に遊廓専門の書店「カストリ書房」を開店。著書『赤線本』(イーストプレス)、『遊廓』(新潮社)などがある。
私はこれまでおよそ10年間ほど費やして、全国に遍在した500カ所内外の娼街を撮影取材してきました。そこで得た実感は、もはや娼街特有の面影を残している街並みは、極めて珍しいというものでした。今や駐車場や現代住宅に置き換わりつつあります。
思えば当然なことで、売春防止法が施行された昭和33年に、例えば20歳だった人は、現在では84歳に到達している現実があります。日本人のいわゆる平均寿命を超えるタイミングに差し掛かっています。オーナーが亡くなったことを理由に取り壊された娼家の事例を、私は沢山見てきました。
このことを鑑みるとき、これまでにも多くの娼家が取り壊されてきたとはいえ、この先10年で消失のスピードは加速し、ピークを迎えるのではないかと予想しています。さらには、かつての娼家や娼街を、実物という手触りをもって見ることのできる最後の世代になるのではないか、これが私の経験から抱いている憂いにも似た予測です。
近年は、全国的に旧娼家を保存・活用する動きが散見されたり、またそのことをメディアが報じるようになりました。ただし、他の娼家と鯛よし百番がもっとも異なる点は、鯛よし百番が持つ認知度の高さゆえの象徴性です。
こうしたタイミングで立ち上がった当プロジェクトは、ターニングポイントになり得る可能性を秘めています。鯛よし百番のプロジェクトでありながら、鯛よし百番の未来だけではなく、僅かに現存する全国の旧娼家の未来までも占うことでしょう。同時に、未来を占うだけではなく、私たちが過去に向ける眼差しすら明らかにすることでしょう。
今回のプロジェクトに協力する一人として、娼家が持つ歴史をどのように取り扱うべきか、私の考えをまとめました。こちらも併せてご覧下さい。https://note.com/yuukaku/n/n68126e079d08
あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!
プロフィール
あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!
リターン
3,000円
【追加ご支援の方向け!】
ーーー
今までご支援くださった方向けに追加支援コースを作成しました!最後まで応援のほどなにとぞよろしくお願いいたします!(8/4追加)
ーーー
・お礼のメール
- 申込数
- 35
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年11月
10,000円

A|【記念品付き】スタンダード
●お礼のメール
●MICRO HERITAGEのホームページにお名前掲載(ご希望制)
●鯛よし百番オリジナル革製キーホルダー
●遊郭家・渡辺豪氏 撮り下ろし百番クラウドファンディング特製ポストカード
-今回のクラウドファンディングのために撮り下ろしたポストカード3点セット。桃山文化に憧れた百番のデコラティブな内外観を集めたデザイン。
※写真はキーホルダーのイメージです。
- 申込数
- 83
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年11月
3,000円
【追加ご支援の方向け!】
ーーー
今までご支援くださった方向けに追加支援コースを作成しました!最後まで応援のほどなにとぞよろしくお願いいたします!(8/4追加)
ーーー
・お礼のメール
- 申込数
- 35
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年11月
10,000円

A|【記念品付き】スタンダード
●お礼のメール
●MICRO HERITAGEのホームページにお名前掲載(ご希望制)
●鯛よし百番オリジナル革製キーホルダー
●遊郭家・渡辺豪氏 撮り下ろし百番クラウドファンディング特製ポストカード
-今回のクラウドファンディングのために撮り下ろしたポストカード3点セット。桃山文化に憧れた百番のデコラティブな内外観を集めたデザイン。
※写真はキーホルダーのイメージです。
- 申込数
- 83
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年11月