犠牲者458人。三川坑跡に炭じん爆発事故の慰霊碑を建てたい

犠牲者458人。三川坑跡に炭じん爆発事故の慰霊碑を建てたい

支援総額

5,550,000

目標金額 5,000,000円

支援者
211人
募集終了日
2020年4月30日

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2020年03月11日 01:06

慰霊碑建立に寄せて(代表実行者 芳川勝)

プロジェクト代表実行者の芳川勝が、三川坑での思い出とプロジェクトにかける想いを語っています。

 

動画をFacebookで公開していますので、ぜひご覧ください。

 

また、芳川さんの当時の経験が

「炭鉱とくらしの記憶-エピソード集2-」という冊子に掲載されています。

 

かなり長くなりますが、ここに原文のまま引用させていただきます。

 

 

昭和38年11月9日、三川坑第一斜坑で巻上中の炭函の連結リングが破断し、炭函が逸走。炭じんを巻き上げ逸走した炭函が高圧線に接触し、巻き上がった炭じんに火花が引火し大爆発を起こしました。この災害で458人が一酸化炭素ガス等により死亡、839人が急性一酸化炭素中毒症になりました。

 

当日、私は三番方であった。土曜日であり15時頃、不知火町中島物産にタイラギ貝を取りに行くための胴長靴を買いに行っていた。店は職員の慰安旅行で土日は休みであった。

自転車で帰りかけた時、爆発音がした。不知火町から見ると天領病院の上空に黒い雲が上がった。病院で薬品の調合を間違えて爆発が起きたのではないかと思いつつ新港社宅に帰って行った。

 

諏訪橋を渡りかかると橋の上にスレートや木片が散乱し、新港町への曲がり角や三川商店街のたばこ店、藤木米店、仰木菓子店なども爆風による被害を受けて2階はかなり損傷していた。

帰宅し、ただ事ではないとテレビを付けてみると三川坑の坑内の変電所で事故があり20人位が負傷していると報じていた。

すると次男(小浜社宅)が来て三川坑は大変なことになっていると言った。兄は常一番で前日クギを踏み足が腫れて歩けなくなり欠勤したので命が助かった。

 

私は三番方でどうすればいいのか組合に電話を入れた。組合からは三川坑は大変なことになっている。三番方は救助になると思うが弁当をもって早く出勤するようにとのことだった。いつもより3時間早く家を出て組合に寄ってみると三川支部(組合)内は混雑し、壁には死亡者の名前や助かった被災者の名前、病院名など部屋中に貼られ、次々に新しい掲示が貼られていた。

 

作業着に着替え繰込場に行くとごった返していた。すぐさま三番方の出勤者は集められ、救助隊が編成され、事故の概要の説明やスイッチ座、切り込み枠などには一酸化炭素ガスがたまっている恐れがあり立ち入らないことなど注意事項を受け、救助隊は6人1組で編成され、第二斜坑へ向かった。

坑口付近にいた地域分会長が長男(新港社宅)は、「今、救出され天領病院に運ばれた。意識があるので命の心配はない無事だ。」と言われてほっとして救助に向かった。

 

第二斜坑から100メートル位の所に入坑中の人車が止まっていた。

斜坑の各目貫付近はアーチ枠も曲がり落盤もひどかった。坑口から400メートル付近の24インチ用水管にヒビが入り、揚水中の水が斜坑を流れ下り、人車道の枕木の下を洗い流し、宙吊りとなった箇所が各所にあり、小山や谷になったり吊り橋状態になったりして歩きにくい状態であった。

 

七目貫付近は昇坑中の人車が止まり、坑員が爆風で人車が止まったので降りて坑口へ向かおうとしている所に揚水管の水が土砂と一緒に襲いかかり、数十名の人が土砂に埋まり死亡していた。

1人の遺体を4人で担架で担ぎ、斜坑なので後ろから2人で後押しのようにして押し上げて坑口へ向かった。途中何度か交代しながら吊り橋のようになった枕木の上を担ぎ上げた。

 

坑口に着くと人車乗り場の斜坑口で泥まみれの遺体を水で洗い、人名が分からないので身体に安全灯の番号をマジックで書き、消防車に乗せ病院に送った。

 

繰込場で待機しているといろんな情報が入ってきた。

救護隊は死亡者より生存者の救出のために作業現場(採炭部内、掘進箇所)に救護に向かっていたが、採炭部内によっては三川坑口からの風(空気)だけの二十五昇採炭部内の作業員は全員死亡など、また別の二十一卸部内は四山坑からの風が一部流れているのでほとんど生存しているとの話が入った。

私の作業現場の二十六卸部内は三川坑口の風が大半だが、新切羽の東三方払いの新型動枠(ペリコット鉄柱から水圧鉄柱の動枠)を設置作業中の現場は、二十一卸からの四山の風が一部流れていたので2番方の一部の人は四山に逃げた等の情報が伝わってきた。

 

2回目の救助活動は朝の4時頃から再び救助に向かった。斜坑を歩いて下った。三川坑底の350メートル人車乗り場付近の天井(第一斜坑と第二斜坑の交わる所)も大きく崩落していた。

350メートル本線の人車乗り場は停電し、付近は真っ暗で木を蒸し焼きにしたようなきな臭い匂いがし、足元は足首が隠れるほど、炭じんの燃えカスが数百メートルにわたって続いていた。

 

数十名の救助隊は十九目貫(坑底から1900メートル)付近まで歩いていくと昇坑中の坑員110名が死亡していた。全身真っ黒、喉元はピンク色になっていて、防じんマスクを付けていた。一番強い一酸化炭素ガスが流れてきたのであろう。

近くに止まっていた作業現場に送るための炭函や坑木や成木を降ろし、持ってきた毛布を炭函の底に敷き、3~4人の遺体を乗せ毛布を被せ、宮浦連絡坑道に手押しで行き、宮浦坑から遺体を昇坑させた。

 

私たちは再び三川坑350メートル人車乗り場へ行き、三川第二斜坑から歩いて昇抗した。坑口に着いたのは朝10時頃であった。

自宅に帰ると同じ炭住(八軒長屋)の溝口さん宅は長男、次男が亡くなっていた。

 

早速葬儀だが、遺体の帰宅が遅いことや、葬儀もすぐにできなかったり、火葬も地元ではなく福岡や熊本へと遠方になったり大変であった。

 

兄(電気工)の入院している天領病院に見舞いに行ったが病院の階段の踊り場や通路にも畳を敷き一酸化炭素中毒になった患者が奇声を上げたり、落ち着かない行動をとったり大変な状況が見受けられた。

兄は負傷などはなかった。話によると、二番方で坑底の詰め所にいた時、停電したのでスイッチ座に同僚と行きかけたが、復旧作業が長引くかもしれないと思い、弁当や水筒を取りに引き帰ったちょっとの間に真っ黒い煙が来た。

タオルに水筒のお茶をかけ湿らせ、鼻を押さえて進もうとしている時、側溝に倒れ意識を失ったと言っていた。先に行った同僚は死亡した。

兄の様子は普段とは変わりないように見えホッとして帰ってきた。

 

10日の新聞、テレビは、三川坑の大災害と前日の夜9時過ぎに国鉄東海道線鶴見駅付近で発生し、死者161人、重軽傷者120人を出した国電の二重衝突事故が、大きく報道されていた。

 

この災害は日本の高度成長政策の下での象徴的な出来事であり一生忘れることはできない大事故であった。

 

リターン

5,000


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お礼のお手紙

●お礼のお手紙を送付

支援者
39人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年11月

10,000


寄付者のお名前を三川坑跡内に掲示

寄付者のお名前を三川坑跡内に掲示

●寄付者のお名前を三川坑跡内に掲示します。
※掲示を希望されない方は、ご支援時の質問で「希望しない」を選択してください。

支援者
135人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年11月

30,000


石炭入り!ハンドメイドのレジンチャーム

石炭入り!ハンドメイドのレジンチャーム

●ハンドメイドのレジンチャーム(ストラップかキーホルダーのどちらかをお選びいただけます)
●お礼のお手紙

慰霊碑をイメージし、癒しの緑、桜のピンクそして本物の石炭のカケラをあしらったオリジナルデザインです。

支援者
0人
在庫数
30
発送完了予定月
2020年11月

50,000


【50人限定】寄付者のお名前を記載したランプを第二斜坑などに設置

【50人限定】寄付者のお名前を記載したランプを第二斜坑などに設置

●寄付者のお名前を記載したランプを作成し、第二斜坑などに設置します。
※掲示を希望されない方は、ご支援時の質問で「希望しない」を選択してください。
※ランプは、郵送代をご負担いただくことで、三川坑へ設置せず寄付者へお送りすることもできます。

支援者
18人
在庫数
32
発送完了予定月
2020年11月

50,000


【リターンがご不要な方向け】慰霊碑建設を全力応援

【リターンがご不要な方向け】慰霊碑建設を全力応援

●お礼のお手紙を送付

支援者
1人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年11月

100,000


【20人限定】建設予定地にお名前入り木札とともに桜の木を植樹

【20人限定】建設予定地にお名前入り木札とともに桜の木を植樹

●建設予定地にお名前入り木札とともに桜の木を植樹します。
※掲示を希望されない方は、ご支援時の質問で「希望しない」を選択してください。

支援者
15人
在庫数
1
発送完了予定月
2020年11月

100,000


【リターンがご不要な方向け】慰霊碑建設を全力応援

【リターンがご不要な方向け】慰霊碑建設を全力応援

●お礼のお手紙を送付

支援者
5人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年11月

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