看護学生としてカンボジアで子どもの健康意識の向上を手伝いたい

みなさん、こんにちは。

ＮＡＣＥＦ二年生の齊藤啓太です。

今までの記事では、活動を通してＮＡＣＥＦメンバーが感じたこと、考えたことを主に述べてきました。

今回の記事では、2016年、ＮＡＣＥＦがどのような活動をしていこうと考えているか、述べていきたいと思います。

 

　ＮＡＣＥＦの活動は、2015年まではＳＫＯ孤児院をメインに行われていました。ＳＫＯでの活動では、保健教育、清潔教育、口腔教育、生理・性教育、応急救護教育といった教育活動の他、子どもたちの全身を見る健康診断、文化交流・運動会・遠足といったレクリエーションを行ってきました。

 

教育活動には、教えられたことを理解し、出来るようになるという目的の他に、それができない他の子どもたち（後からＳＫＯに入ってきた子など）に、自分が教えられたことを今度は自分が教えられるようになるという、エンパワメントの目的も含まれています。エンパワメント能力を子どもたちが身に付けることによって、ＮＡＣＥＦがＳＫＯを撤退した後も、教えてきたことが子どもたちの間で受け継がれていくのです。

 

※SKO孤児院にて心肺蘇生について学ぶ様子※

 

　そして、近年の活動でＳＫＯの子どもたちは、今まで私たちが教えてきた内容を理解・実践できており、エンパワメント能力も備わってきていると評価されました。そのため、ＮＡＣＥＦはＳＫＯよりも保健教育、清潔教育を必要としている小学校へと、活動の場を広げることになりました。

 

 

2014年から2校の小学校で活動を行うようになりましたが、2014,2015年は、小学校にどのようなニーズが存在するかという調査が目的でした。

 

調査の結果から、小学校の子どもたちにはまず清潔という概念が存在しないということが分かりました。歯磨きや手洗いの教育を調査と同時に行いましたが、清潔の概念がないため、なぜ歯磨きや手洗いをするのかわからないといった様子でした。教えるときに「ばいきんが手にいるから」と言っても、ばいきんが何なのかわからないため、意味が伝わっていませんでした。

このように、小学校でははみがきや手洗いの仕方を教える前に、なぜそれをする必要があるのかということを教えなければならないことが分かりました。

 

 

他のニーズとして、①蚊による感染症などの病気の対策、②女子生徒への生理教育（男性の先生しかいない学校もあり、上手く教えられていない）などが優先順位の高いものとして挙げられました。

 

①マラリアやデング熱などの蚊による感染症は、小学校がある地域で問題になっているため、蚊対策の教育をする必要があります。

②生理教育では、正しい知識を身に付け、現地の生活に合わせたナプキンの作り方・使用方法（布ナプキンなど）を学ぶ教育などを行う必要があります。他にもたくさんのニーズが挙げられており、現在もどれを優先して行っていくべきか話し合いを行っています。

 

2016年の活動は、小学校での活動がメインになると思います。

小学校での活動では、実践も兼ねた清潔・口腔教育（なぜそれをする必要があるのか学び、最後は実践する）、感染症などの病気の教育、生理保健教育のほか、より詳しい健康診断（体重・身長・腕周りから栄養状態を見る）、レクリエーションを行おうと考えています。

 

SKOでは、栄養教育を新たに行おうと考えています。

というのも、ある子どもにくる病の疑いがでたため、ＳＫＯの子どもたちが自身の栄養状態へと意識を向けられるようにし、これ以上同じような子がでないようにする必要があると思ったからです。

 

まだ話し合いが続いており、どのような教育を行っていくかは明確には決まっていませんが、2016年は以上のような活動をしていくつもりでいます。

小学校での活動には多くの資金が必要であり、続けていくためには皆さんのご協力が必要になると思います。みなさん、NACEFの活動をよろしくお願いします。