看護学生としてカンボジアで子どもの健康意識の向上を手伝いたい

みなさんこんにちは。NACEF２年の宇佐見京子です。

今回の記事では、SKO孤児院で行っている4つある教育（※１）のひとつである生理教育について紹介したいと思います！

生理教育とはなにか、どのようなことを行っているのかについてお伝えしたいと思います。

少し長く、複雑そうですが、是非ご覧ください。

 

生理教育は2004年から始まった教育で、その後一度中断しましたが、2009年から再び実施されている教育です。SKO孤児院の子どもたちは生理についての知識が低かったために行われ、実際に生理になる仕組みなどの基本情報から生理になったときの対処方法についてなどの教育を行っています。ここからは、今年度の生理教育での実施例を挙げて説明していきたいと思います。

 

 

今年度の目標は「子どもたちが正しい対処ができるよう、自分の体に起こる変化を知り、理解を深める」でした。

 

対象者はSKO孤児院の女の子5名でそれぞれ17歳が1人、15歳が2人、14歳が2人で、5人全員初潮を迎えていました。場所はプライバシーが守られるように女の子の部屋で行いました。

 

①まずは、「生理とは何か」について、画用紙や実物大の子宮の模型を使って説明を行いました。子どもたちの中には生理教育を何度か受けている子もいるので「おぼえているかな？」という質問を交えながら説明を行い、その都度確認クイズをしました。子どもたちは真剣に私たちの説明を聴いていました。また私たちの「質問がありますか？」という問いに対して質問するなど前向きな姿勢を感じることができました。

 

＊このように一枚一枚手書きで作っています！

＊生理のとき、子宮でどんなことが起こっているか紙芝居で伝えます

＊一年生にとっては、解剖生理を覚えながらの作業になるので、テスト対策にもつながります！笑

 

 

②次は「子どものでき方」について画用紙を使って説明を行いました。昨年度までここでは避妊についての説明を行っていたのですが、今年度は、避妊についてに加えて昨年度子どもたちから教えてほしいという要望が強かった性感染症についての説明も行いました。

初めて聞くこともあったり、私たちがあらかじめ日本で考えておいた台本に書いてある言葉、例えば性感染症、性交渉などが難しくて伝わらなかったりして子どもたちは理解に苦しんだ様子でした。

私たちは現地の通訳の方を通じて教育を伝えているので、正しく伝わっているのか判断が難しいときもあります。

 

 

 ③次に「生理の症状」や「異常生理」についての説明を行い、生理チェック表を配布しました。昨年、生理チェック表の説明を詳しく行わなかったため、生理チェック表の使い方を子どもたちにうまく伝えられなかったという反省が出ました。生理チェック表は1年間のカレンダーになっていて自分が月経が来た日付に印をつけるというものです。今年度は色紙にカレンダーを貼って紛失しにくいようにして、1年後その記録を私たちに見せれるようにするという目標を作りました。来年度、その記録がどうなっているのか楽しみです。そこから、私たちなりにアセスメントを行ってアドバイスが出来たらと思います。

 

 

　④その後、「生理痛緩和の方法」についての説明を行い、生理痛緩和に効くツボの紹介を行いました。実際に子どもたちに触ってもらい体験してもらうことが出来ました。ずっと話を聞いているだけでは飽きてしまうと思うので、話の途中のツボ探しで体を動かすことで最後まで集中して話を聞いてもらうことが出来ました。

 

 

　⑤最後は、今年度の最大の目玉である、個人相談を行いました。毎年、質問タイムを設けるのですが、教育への反応はいいものの質問をする子がいなかったからです。

そこで、「みんなの前では質問しづらいけど1人ならできるかも」という声に答えて、個人面接の場だからこそ手に入る情報を求めて、今年度から行いました。

 

当初は全員行う予定でしたが、質問がある子だけ行うようにしました。

来年以降の反省として、ある子もない子も全員行うようにしたいと考えています。

 

実際に面接を行ってみて、子どもたちからはどのような内容の相談が来るのか事前に把握できていないため調べたりすることができないので、子どもたちのニーズに適切にこたえられるように、今のうちにたくさん知識を身につけておきたいと考えました。　

 

生理教育のように代々続いてきている教育に関しては、毎年毎年のデータと見比べて子どもたちのこのようなところが成長していて、あのようなところはあまり成長が見られないなどと評価できます。これは代々受け継がれているNACEFだからこそできることだと思います。

 

来年度以降は今年度までに出た反省は織り交ぜて、子どもたちのニーズにより合った教育にしていきたいと考えております。これからもNACEFをよろしくお願いいたします。

（※１）4つある教育：SKO孤児院で行っている教育のこと

→2015年度は口腔、応急救護、保健教育、生理教育をおこないました！