「生きることを教えてくれた」オレオくんー 難病との闘い ー

 

ねこひげハウスは、これまで、いろいろな病気のたくさんの猫たちを看取ってまいりましたが、オレオくんは「生きる」ことを教えてくれた特別の思いが残る子でした。

 

2018年5月に八潮市内で歩けない子猫がいると知らせを受け、生後半年で保護したのがオレオでした。

 

じっと立っていることもままならない状態で、ふらつき　ちゃんと歩くことができない状態でした。

 

 

他の猫ちゃんと同じように歩いたり、じゃれたり、遊んだりできるようにしてあげたい！　という思いで、いくつもの動物病院で診てもらいましたが、原因はわからず...

 

治る可能性にかけて東京大学附属動物病院の診察に希望を託し、MRIや電気生理検査等、私たちのできる限りのことをしました。

 

慢性炎症性脱骨生ポリニューロパチー、急性神経根神経炎治療、筋無力症、などの難病の可能性があるとのことでした。

 

オレオくんはとっても甘えん坊で、犬も猫も人もみんな大好き！

 

治る可能性が少しでもあるのなら！と、懸命に治療を続けました。でも私たちの望みとは裏腹に、少しずつ歩けなくなり、そして動けなくなり、ついには寝たきりとなってしまいました。

 

 

オレオくんが1歳を迎える頃には、自力で食べることもオシッコを出すこともできなくなりました。

 

1日数回食事の補助をし、排尿もカテーテルから時間で注射器で吸い取らなければなりません。

 

日に日に自由が奪われ動けなくなるオレオくんの姿を目の前にすると、いろんな思いがあふれてきます。

 

「一度も自由に動けることなく生きていくの？どうしたら普通の子と同じようになれる？」

「この子らしく生きてほしい！　つらいことはないのかな...」

「オレオはどんな思いをしているんだろう？　これでよかったんだろうか...」

 

オレオくんとお話できたらいいのに。

 

 

そして、もう少しで2歳を迎えるだろうというときに、呼吸もしずらくなり、力なく命を終えたのです。最期まで立派に立派に生きました。

 

オレオくんを気に掛けて下さった方がいらっしゃったおかげで、彼の助けになり癒しもいっぱいあげることができました。

 

オレオくんにはたくさんのご支援も届きました。治療や苦痛緩和にご協力下さった獣医師の先生方にも大変お世話になりました。

 

 

オレオくんと過ごした時間は、苦しみ悩むこともありました...

でも、オレオくんの表情に癒されて、ちょっとした変化がうれしくて、少しでも良くなったことをみつけよう！と懸命にお世話を続けることができました。

 

後で振り返り気が付くと、オレオくんはねこひげハウスにたくさんの経験を贈り物として届けてくれていたのだと！

 

縁あってねこひげハウスにやってきた猫たちの日々のケアにも、オレオくんが教えてくれたことがたくさん詰まっています。