
支援総額
目標金額 4,000,000円
- 支援者
- 290人
- 募集終了日
- 2022年10月26日
ニューズレター11月号&ミニ展示「近代の團十郎」
お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。
11月10日にニューズレター11月号を発行いたしました。
https://www.shochiku.co.jp/shochiku-otani-toshokan/pdf/newsletter_no296.pdf
当館HPより、上記PDFファイルでご覧いただけます。
11月号では、
・【第11弾】クラウドファンディング 「歌舞伎記録映画『鏡獅子』4Kデジタル修復プロジェクト」が成立いたしました
・第94回所蔵資料ミニ展示「近代の團十郎 九代目から十二代目の軌跡」
・資料をご寄贈くださった方々
・新着資料案内
・新規登録資料案内
・公益財団法人松竹大谷図書館へのご支援のお願い
・松竹大谷図書館 ご来館予約のお願い
・休館のお知らせ
・利用案内
以上を掲載しております。
また、ニューズレターでもお知らせしておりますが、現在、当館閲覧室にて所蔵資料ミニ展示「近代の團十郎 九代目から十二代目の軌跡」を開催中です。展示担当の佐々木より、展示資料をご紹介します。
ミニ展示「近代の團十郎 九代目から十二代目の軌跡」担当の佐々木です。今回の展示では、歴代の團十郎のなかでも特に近代の團十郎に焦点を当て、当館所蔵資料でご紹介しております。
歌舞伎座ご観劇の際にお立ち寄りくださる方も大勢いらっしゃって、いつにも増して、華やかなおめでたい雰囲気の閲覧室になっております。
小さなスペースではございますが、「劇聖」と称された九代目團十郎から、歌舞伎十八番の復活上演という足跡を残した十代目、「海老さま」として熱狂的な人気を博した花の十一代目、大らかな魅力あふれる十二代目まで、舞台写真や台本、プログラムなどを中心に展示しておりますので、皆さまぜひご覧くださいませ。
今回の展示の見どころのひとつといたしまして、通常は原物を閲覧に供していない貴重資料の明治期の辻番付を、期間中、展示替えをしながらご覧いただいております。本物の辻番付をご覧いただく機会は少ないので、ぜひ間近でじっくりご覧ください!
今月17日まで展示している資料は、九代目團十郎が助六を演じた『歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜』明治29[1896]年歌舞伎座上演の辻番付です。

▲『歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜』明治29[1896]年4月30日より6月1日歌舞伎座上演辻番付
辻番付とは、現在のポスターにあたる資料です。その中でもこちらは「別番付」などと呼ばれる見どころとなる場面について出す番付で、この月の演目のうち、中幕の『歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜』の番付となっています。
現在でも歌舞伎座で毎月の興行のポスターとは別に、主要な役の扮装写真を使った特別ポスターを木挽町広場などに貼りだしていますね。「別番付」は、明治時代の「特別ポスター」といった役割でしょうか。
挿絵の下には役人替名(配役)がありますが、挿絵の登場人物の着物に、それぞれ演じる俳優の紋が描かれていることからも配役がわかる仕組みになっています。

▲九代目市川團十郎(1838~1903)の『歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜』絵葉書
こちらの絵葉書は、明治29年上演時の写真を用いて、昭和7年11月歌舞伎座「九代目團十郎三十年追遠興行」の際に発行されたものです。現代でも歌舞伎俳優の舞台写真ブロマイドは人気がありますが、九代目にはこのような舞台写真、扮装写真がたくさん残されています。
この昭和7年「九代目團十郎三十年追遠興行」を機に、写真集『舞臺之團十郎』も改装版として再発刊されました。この写真集は、「劇聖」と称された九代目の偉業を記念し、大正12[1923]年に発行されながらも関東大震災で被災。完成した本の大部分が失われてしまったものです。演劇研究家の伊原青々園、演劇雑誌『演芸画報』のグラビアページ編集などに携わっていた安部豊らが編集を担いました。九代目が勤めた役柄をほぼ網羅する460余枚にも及ぶ舞台写真に、詳しい演目解説が付けられた豪華大型写真集です。

▲『舞臺之團十郎』坪内逍遥(監修)、伊原靑々園+安部豐(共編)舞臺之團十郎刊行會,1923
こちらは展示しておりませんが閲覧はできますので、ぜひお問い合わせください。
さて、九代目團十郎は生涯で四度、助六を演じていますが、この明治29年の公演が一世一代の助六となりました。九代目59歳でした。このときのことを、七代目坂東三津五郎が『三津五郎芸談』([7代目坂東三津五郎(述)]、井上甚之助 (著)和敬書店,1950)に次のように記しています。
「このとき九代目(をぢさん)は、もう六十と云ふ年でしたから、最初は助六の役を引き受けようとはしませんでした。それで福地先生(福地櫻痴)が、親父(十二代目守田勘弥)のところへ相談に来たことがありました。親父も仕方ないので、それぢや私が話をして来ませうと、堀越(九代目)のところへ行つたさうです。さうして九代目に、『年はとつても、藝に年はない―。今、お前さんがしてやらないと、お手本がなくなる。助六をお前さんでやめようと云ふのなら別だが、続けるのなら、してやつた方がいいだらう』と云って、とうとう助六の役を九代目に納得させたさうです」
また、このときの九代目の助六について、市川三升(のちの十代目團十郎)は著書『九代目市川團十郎 九世團十郎を語る』の「父の助六」のなかで、次のように語っています。
「父が最後の助六を上演した時、揚幕の出を待っている間に側近の者に『この助六は花道へ出てポンと傘を開いたとき、俺は日本一の色男だと思ふ自信がなければ出来ない役だ』といったさうである」
▲『九代目市川團十郎 九世團十郎を語る』市川三升(著)推古書院,1950
現代の私たちがこうして歌舞伎を観劇できるのは、先人たちが長い間かかって築き上げてきたものを、次の世代、また次の世代へと受け継いできたからに違いありません。こうした芸談を読むことで、今ある「型」がどのように受け継がれ、現代までつながってきたのかを知ることができるのです。
当館ではこうした芸談のほかにも、演目解説、評論、研究などの資料を多数所蔵しております。さまざまな資料に触れることで、歌舞伎をより深く理解し、さらに楽しく観劇することができるのではないでしょうか。
▲季刊雑誌『歌舞伎』別冊 第一号 松竹演劇部発行,1969「宗家市川團十郎」
特集「歌舞伎十八番」のなかでは、『助六由縁江戸桜』の各役の芸談、細見、座談会なども掲載されており、『助六由縁江戸桜』について詳しく知りたい方にぴったりの本です。
▲『市川團十郎代々』服部幸雄(著)講談社,2002
初代から十二代目までの團十郎について、豊富な図版とともに詳しく紹介されています。年表や家系図、家紋、文献目録なども。
これらの図書はもちろん閲覧室でお読みいただけますので、この機会にぜひお席を予約して、じっくり読んでみてください。
なお展示スペース横には、「歌舞伎雑誌『演劇界』で振り返る近代の團十郎」と題したコーナーも設けました。團十郎特集が掲載されている過去の『演劇界』を、展示資料閲覧席にてご自由にお読みいただけます。十一代目團十郎襲名、十二代目團十郎襲名の特集では、襲名興行の様子などを詳細に紹介しており、「世紀の襲名」といわれた当時の世相をうかがい知ることができます。こちらもお手にとってゆっくりとご覧ください。
ミニ展示「近代の團十郎 九代目から十二代目の軌跡」
展示期間:2022年10/28(金)~12/23(金)
時間: 平日10時~17時
休館日:土日祝日、毎月最終木曜日
※11/22(火)は松竹創立記念日のため休館いたします。
展示場所:松竹大谷図書館 閲覧室(ホームページはこちら)
松竹大谷図書館
℡ 03-5550-1694(平日:10時より17時)
リターン
3,000円+システム利用料
活動報告+サンクスメール+HPにお名前掲載
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2023年4月末に送信予定)
- 申込数
- 63
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年4月
5,000円+システム利用料

松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー『鏡獅子』完成台本表紙デザイン
3,000円のリターンコース内容に加え、
■松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー
当プロジェクト限定!
当館所蔵『鏡獅子』完成台本(昭和25年編集版)表紙デザイン
- 申込数
- 95
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年4月
3,000円+システム利用料
活動報告+サンクスメール+HPにお名前掲載
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
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- 2023年4月
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松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー『鏡獅子』完成台本表紙デザイン
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