おはようございます。松竹大谷図書館の武藤です。

 

プロジェクトの募集締切の表示もいよいよ時間表示となりましたが、残りあと2日です!プロジェクト終了後のリターンの準備なども少しずつ始めています。これからも情報を発信し続けますので、最後まで応援よろしくお願いいたします。

 

それでは今回も、1万円以上ご支援下さった方に、台本を保護する台本カバーにお名前を記載する、というリターン(お礼)について、ご希望を承るリストのうち、【歌舞伎・新派台本作品リスト】にある歌舞伎の上演台本についてご紹介いたします。今年も多くの新作や新たな演出による歌舞伎が上演されました。

 

尾田栄一郎原作の人気漫画『ONE PIECE』を歌舞伎化したスーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)『ワンピース』は、市川猿之助主演で昨年10月に新橋演舞場にて初演され大変話題になりましたが、今年も3月大阪松竹座、4月博多座で再演されました。一部のキャストを刷新し新たな登場人物も加わるなど、さらにバージョンアップした舞台はまたもや大きな話題を呼びました。初演の舞台はシネマ歌舞伎として、先週から全国の映画館で上映が始まったばかりですね。

 

4月の歌舞伎座では、夢枕獏の長編小説を原作として新たに書き下ろされた『幻想神空海 沙門空海唐の国にて鬼と宴す』が市川染五郎主演で初演され、歌舞伎座の舞台装置をフルに使った幻想的な舞台が展開しました。また、8月の歌舞伎座では笑福亭鶴瓶が口演した新作落語『山名屋浦里』をもとにした『廓噺山名屋浦里』が初演されました。現役の落語家の噺を歌舞伎化するのは珍しいことで、テンポのよい人情味溢れる世界が繰り広げられ、改めて歌舞伎と落語の相性の良さを実感できた舞台でした。


4月の明治座では恒例の若手俳優による花形歌舞伎公演が行われました。舞踊『末広がり』は、平成3年11月の「第二回勘九郎の会」で初演され、十八代目中村勘三郎が一日だけ演じた作品ですが、今回が歌舞伎の本興行では初めての上演となり、息子である当代の中村勘九郎が演じました。また同じく十八代目中村勘三郎が平成6年に始めた「コクーン歌舞伎」は今年で22年目を数え、この6月には串田和美による新たな演出で『四谷怪談』が上演されています。 

(上段左から)平成28年4月歌舞伎座『幻想神空海 沙門空海唐の国にて鬼と宴す』、3月大阪松竹座、4月博多座『ワンピース』、(下段左から)4月明治座『末広がり』、6月コクーン歌舞伎『四谷怪談』、8月歌舞伎座『廓噺山名屋浦里』

 

4月には幕張メッセで開催された、動画投稿サイト「ニコニコ動画」のユーザー参加型イベント「ニコニコ超会議2016」に、中村獅童出演の超歌舞伎『今昔饗宴千本桜』が登場しました。ボーカロイドの初音ミクとの競演、インターネットによるリアルタイム動画配信と、未来の歌舞伎はこうなるのかも…と予感させられるような先進的な公演でした。

 

5月にはラスベガスで歌舞伎公演が行われ、『獅子王 SHI-SHI-O』が上演されましたが、この公演でもプロジェクションマッピングなど最先端技術を使用した舞台が話題となりました。8月歌舞伎座の『東海道中膝栗毛』は弥次さん喜多さんが活躍する歌舞伎ではお馴染みの話ですが、今回は「奇想天外!お伊勢参りなのにラスベガス!?」というサブタイトルが付き、その海外公演に因んだ筋が盛り込まれて大人気を博しました。

 

現在新橋演舞場で上演中の『GOEMON 石川五右衛門』は歌舞伎の片岡愛之助とフラメンコの名手今井翼の競演が話題ですが、もとは5年前に徳島県の大塚国際美術館に於ける「システィーナ歌舞伎」で初演された作品で、今回は初めて東京での上演となりました。また『La Belle et la Bete 美女と野獣』は、2月に「第7回システィーナ歌舞伎」で初演された作品です。いずれも「和と洋のコラボレーション」をテーマとしている「システィーナ歌舞伎」ゆかりの作品たちです。

 

そして毎年11月に兵庫県豊岡市出石で行われている永楽館歌舞伎。今回のリストには昨年11月に行われた第8回公演の中から、『青雲の座 出石の桂小五郎』を選びました。100年以上の歴史を持つ芝居小屋での歌舞伎公演は地元の方々にも愛されて毎年恒例となっていますが、主演の片岡愛之助は第1回の柿落公演から出演しています。
 

(上段左から)平成28年8月歌舞伎座『東海道中膝栗毛』、5月ラスベガス公演『獅子王 SHI-SHI-O』、4月幕張メッセ『今昔饗宴千本桜』、(下段左から)2月システィーナ歌舞伎『美女と野獣』、11月永楽館歌舞伎『青雲の座 出石の桂小五郎』、10月新橋演舞場『GOEMON 石川五右衛門』

 

今回のプロジェクトでは初めて、新派公演の台本もリストに入れております。平成28年の新派では、特に歌舞伎と関係の深い出来事があり、各公演にも歌舞伎俳優が多数参加して、賑やかな舞台が繰り広げられました。


1月には三越劇場で「新春新派公演」が行われ、市川月乃助の劇団新派入団が話題になりました。この公演で初演された『糸桜 黙阿弥家の人々』は、歌舞伎作者の河竹黙阿弥生誕二百年記念と銘打ち、黙阿弥の長女、糸を主人公にした作品です。劇中では幕末から明治期の歌舞伎作者の生活ぶりが細やかに描かれました。


3月の国立劇場では15年ぶりに新派公演が行われて、『遊女夕霧』『寺田屋お登勢』が上演されました。『寺田屋お登勢』の劇中に、坂本龍馬役の中村獅童の愛犬が出演したこともニュースになりました。6月には三越劇場で、新国劇の名作として知られる行友李風作の『国定忠治』を市川月乃助の主演により上演、その清新な舞台が評判を呼びました。そして9月新橋演舞場では、市川月乃助改め二代目喜多村禄郎襲名披露公演が華やかに行われました。新派にとって記念すべきこの公演からは、『深川年増』『婦系図』を選んでおります。 

(上段左から)平成28年1月三越劇場『糸桜 黙阿弥家の人々』、3月国立劇場『遊女夕霧』『寺田屋お登勢』、(下段左から)6月三越劇場『国定忠治』、9月新橋演舞場『婦系図』『深川年増』

 

ここでご紹介した台本は今回のリストのうちのごく一部ですので、まだまだご紹介しきれなかった舞台の台本が、リストにはたくさん入っています。どの台本のカバーにお名入れするかはプロジェクトが終了したのちに改めてお伺い致しますので、どうぞそれまでじっくりとお選び下さい。

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