お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。

今年の大河ドラマも、いよいよ今週末が最終回ということで、2016年のゴールが近い事を実感しています。

 

リターン(お礼)の準備作業ですが、只今、HP・台本カバーへ記載するお名前のリストアップ作業や、ご住所の確認作業を進めております。ご希望についてはまだ間に合います!今後も引き続き承りますので、ご希望がある方はぜひご連絡ください。※台本カバーへのお名前の記載は、支援日順ですが、ご連絡を頂いた時期によっては、記載順が前後する場合があります。何卒ご了承下さいませ。

 

【お伺いの内容】
■当館HPへのお名前の掲載の可否(&掲載するお名前)【全ての皆様】
■お名前を記載する台本カバーの作品のご希望(&記載するお名前)【1万円以上の支援者様】
1万円以上ご支援頂いた方で、台本カバーのご希望がまだ決まっていない方は、以下のリストをご参照下さい。
歌舞伎・新派台本リスト】【映画台本リスト】【寅さん台本リスト
ご希望やご不明な点はお電話でも承ります。ご意見もお待ちしております。
○松竹大谷図書館へのお電話はこちら
℡ 03-5550-1694(平日:10時より17時)

 


さて、このプロジェクトのご支援で進めております組上燈籠絵のデジタル化作業ですが、先日株式会社インフォマージュにお邪魔してデジタル撮影の様子を見学させて頂きました。
インフォマージュは当館のある築地からも程近い、地下鉄勝どき駅から徒歩3分、運河沿いのビルの中にあります。

株式会社インフォマージュ入口

 

まず社内の設備をご紹介頂きました。

お客様の大事な資料をお預かりするための「耐火資料保管庫」です。

 

企業の機密文書や個人情報を含む資料のデジタル化を行う部屋は、登録されたごく少数の社員のみが静脈認証で入る事が許されているそうです。ちなみにご案内下さった方は登録されていないので、扉は開きませんでした。

 


こちらはクリーンルームの入口です。マイクロフィルムなどほこりを嫌う資料をデジタル化するための部屋は専用の作業着に着替え、前室でほこりを落とします。

 

そして、いよいよ撮影を行っているフロアにご案内頂くと、広い部屋を天井から下がる暗幕で仕切ったスペースがいくつもありました。その一つ一つが撮影スペースとの事ですが、実際には資料館や図書館へ出張しての撮影が多いそうで、伺った日もこちらのフロアでの撮影は数えるほどでした。その中の1つで当館の組上燈籠絵の撮影が行われていました。

すでに組上燈籠絵の撮影はだいぶ進んでいましたが、初めてデジタル撮影の現場を拝見させて頂くこの機会に、まず撮影の最初に行う光量の設定やカラーチャートのご説明を伺いました。

 

こちらは露出計です。撮影する資料と同じ環境・同じ場所(実際は組上燈籠が置いてある場所)に置き、ストロボを焚いて光のバランスを計測し、今回の撮影に最適な光量となるように照明やカメラを設定します。

こちらがカラーチャート(カラーチェッカー)で、デジタル写真の色の基準となるものです。撮影の環境が定まったら、まずこのカラーチャートを最初に撮影することで、デジタル画像を印刷などで再現する場合でも、カラーチャートの実物の色との差を比較し分析することで、その後に撮影する資料も実際の色に近づくよう調整し再現することができます。そして資料を撮影する時は、資料の大きさや色を再現するため、同時にスケールとカラーチャート(カラーセパレーション)を写し込みます。

また、資料番号も小さな札を作って、資料の裏にある番号と同じかどうかを確認しながら、同時に写し込みます。アナログ時代からの伝統だそうで、後から加工して入れるより間違いが無いそうです。

 

撮影には、フィルム時代から撮影に使われてきた、精度の高いアナログの中判カメラのボディーにデジタルセンサーを取り付けたデジタルカメラを使用します。その他にもアナログ時代からの知恵が生かされた様々なテクニックが使われていました。

こちらはカメラの後方に取り付けられたフレームライトです。通常デジタル撮影ではモニターによって撮影範囲を確認するのですが、このフレームライトはファインダーを通して光を撮影対象に向けて投射する事で、撮影範囲がライトによって照らし出されるので、モニターを見ずともカメラの位置や角度などを微調整する事が出来ます。

 

こちらは黒いマスキングテープと紙で作られた、撮影対象の置き場所を決める「見当(けんとう)」のようなものです。この見当を内側に倒した所に資料を置く事で、撮影時の資料の置き場所を一定に保ちます。資料の位置が決まったら、写真に写り込まないよう外側に倒します。

 


カメラはフットスイッチでシャッターを切ります。撮影時も両手がフリーとなるので、作業の効率が上がります。マイクロフィルムの撮影から引き継がれているテクニックだそうです。また、フットスイッチは一度踏み込んで、カメラのミラーをアップさせ、ミラーがアップする際の振動でカメラがブレることがないようにしておいてから、もう一度踏み込んでシャッターを切るようにします。

 

その他にも、撮影器具には様々な工夫があります。天井まで届く背の高いカメラ台は、もともとは大型の資料を高い位置から俯瞰で撮影するために社員の方が作ったものだそうです。また、撮影資料を置く台はX型の板の上に天板を置いたもので、X型の板は出張撮影などの際車載しやすいよう、蝶番で折りたたむ事が出来ます。これもやはり社員の方の手作り品との事です。

 

こうした説明を伺っている間にも撮影はどんどん進んでいきます。

 

当館の資料撮影以外にも、撮影現場をご紹介頂きました。

こちらは冊子体の撮影です。資料を置いている台は、冊子体を上からガラス板で押さえ、平面にした状態で撮影することが出来る台です。

撮影台の下にはチェーンがぐるりと一周しており、このチェーンを回す事で、撮影中でも資料の厚みに合わせて撮影台の高さを微調整する事が出来ます。そうすることでガラス板の圧力が余分に掛からないようにし、資料の負担を減らす事が出来ます。この撮影台も社員の方のお手製だそうです。

 

最先端の技術で国立公文書館や宮内庁などの重要資料のデジタル化・アーカイブ化を日々進めている株式会社インフォマージュですが、大正12年の創業以来培われてきた現場ならではの知恵が、要所要所に生かされていることが、見学させて頂いて非常によく分かりました。100年近く途絶える事なく撮影を続けてきた株式会社インフォマージュの技術を拝見し、とても充実した見学でした。組上燈籠絵のデジタル画像の出来上がりが楽しみです!

新着情報一覧へ