みなさま

 

前回の印刷チェックからずいぶんと日が経ってしまいましたが、今週、いよいよ写真集の最終印刷立ち会いがあり、東京へ出かけておりました。

 

板橋の凸版印刷の工場で、2日間にかけて印刷が行われました。

 

一般的な書籍や雑誌の場合ですと、こういう印刷立ち会いというのはほとんど行われていません。しかし写真集や画集というのは、ある意味で印刷の出来不出来が本の出来不出来そのものですので、この作業を外すことはありえません。

 

2日間かかるのも、紙の表面と裏面に印刷するため、1日置かないと印刷が乾ききらずにインクの染みやズレが起きてしまうからです。印刷会社にとって、写真集は実際にかなり手間がかかるそうです。

 

印刷会社のプリンティングディレクター、調整役の営業の方、それに出版社の社長とインターン、そしてデザイナーと私、総勢6名で校正室にて待機します。

 

そこへ一面ずつ、刷り上がったばかりの大きな紙を持って、印刷オペレーターの方が現れます。これを6人でチェックするわけです。色の調子、版ズレがないかどうか、階調、印刷ムラなどを仔細にチェックします。

 

1回でOKが出ることはまずありません。モノクロの印刷というのは、単に白と黒なのではなく、グレーがあります。このグレーの階調がうまく出るかどうかが成否の分かれ目。

 

これまで数回の印刷チェックでは、この階調が上手く出るようにネガのスキャンニングを調整しているのです。でも印刷機械というのは、その日の気候によっても調子が違ってきます。機械というのはいつも同じ調子ではないのです。

 

思うような印刷にならない場合には、オペレーターに指示を出します。しかしオペレーターも人間ですから、美に対する感覚というのはひとりひとり違います。どのような操作をすれば、作家や編集者、デザイナーが満足する印刷になるのか、そのあたりはもう職人技の領域なのです。

 

写真集というのは、もちろん写真家が撮る映像があって初めて成立するものですが、実際にはたくさんのこうした方々の協力があってこその本なのです。写真集の奥付にはたくさん名前が並んでいますが、それはこうした方々との共同作業であることを意味しているのです。

 

何はともあれ、丸2日間の作業で、印刷の立ち会いはすべて無事終了することができました。刷り上がった紙はしばらく置いてインクをなじませた後、製本所へ送られてそこで初めて本になります。

 

これで私の手はすべて離れました。自分で言うのもなんですが、素晴らしい印刷に仕上がりました。予定では12月3日に本となります。みなさまのお手元には12月の初旬にお届けできると思います。印刷の出来、どうか楽しみになさって、いましばらくお待ちください。

 

印刷立ち会いに集っていただいた方々、お世話になりました。ありがとうございました。