
支援総額
目標金額 500,000円
- 支援者
- 140人
- 募集終了日
- 2019年6月12日
P.A.WORKS代表の堀川です。
幼い頃母にいっぱい読んでもらった昔話の絵本や、父が繰り返し食事時に語ってくれた日本の神話や寓話、読書好きだった兄の本棚の物語から、僕が人生に大切なことを学んだかと言えばあまり知恵はつかなかったんだけど、物語の空想とビジュアルの世界に惹かれた子どもがそのまま大人になっちゃって、かれこれ30年くらいアニメーション作品を制作しているのだから、子どもの頃の環境が僕の人生に大きく影響したことは間違いないようです。
アニメーション作品の制作に携わるようになってからも、いつか作ってみたい物語の妄想は続けていて、そのチャンスが現実に貰えるようになると、物語の創作が僕に果たしてくれる役割が見えてきました。ひとつは、自分で立てた『問い』に対しての答えを大好きな創作を通して楽しみながら探る手段。この『問い』が作品のテーマになっていることが多いです。もうひとつは物語で記録したことを、たくさんの人に見てもらう手段です。
例えば、P.A.WORKSを富山県の南砺市に設立したものだから、好むと好まざるとに関わらず地方都市が直面する問題に、僕らの日常はどっぷり浸かっています。そうすると「田舎の町興しで大切なことって何だろう?」という興味が東京で暮らしていた頃の一万倍湧いてきました。それを『問い』にして物語を作りながら考えてみようと思い、制作したアニメーションが2017年に放送されたTVシリーズの『サクラクエスト』です。
創作を始める時点で「町興しに大切なのはこういうことだよね」という答えはありません。オリジナル作品を手掛けるチャンスが貰える場合、僕はいつもこの作り方で、制作過程自体が最初に立てた『問い』の答えを求める冒険譚なんですね。モヤモヤとした中で出口を探り、限られたスケジュール中に答えが見つからなかったらどうしよう、という不安と時間に追い立てられながら創作を続けています。『問い』に対して一言で語れる正解があるわけではありません。受け取る人がそれまでにどんな体験をして、何に興味を持っているかによっても、物語の中に見出す答えは変わります。それが懐の深い物語が為し得る面白さですね。
この『サクラクエスト』に登場するフィクションの間野山市と、作品舞台のモデルとなった南砺市が姉妹都市提携を結んだことから、『桜ヶ池クエスト』という活動が生まれました。南砺市に実在する桜ヶ池周辺の桜の整備を目的としています。『桜ヶ池クエスト』実行委員会の中心メンバーは、『五人の(自称)勇者』達です。
実は今回の絵本の企画の話が持ち上がった時、五人の勇者で企画会議が開かれました。結論は、「たぶん長老(僕です)には何か描きたい物語があるはずだ。任せよう」と決まったそうです。こうして僕に創作のチャンスが巡ってきました。
そんな訳で、今回の絵本のテーマとして最近僕がモヤモヤと答えを探している『問い』を立ててみることにしました。ただですね、困ったことに今回は僕がモヤモヤと感じているものの正体を言葉にすることが難しいのです。『問い』を立てづらい。それでも、僕はこの『問い』を実際に物語を創作してくれる絵本作家と共有する必要があります。作家の名前は、ごみたこずえさんです。
「ごみたさん、僕のモヤモヤを絵本にしてください!」
「解りました!」サラサラ…「これでどうですか?」
「うーむ…それはモヤモヤではなくモクモクでは?」
「ハッ!」サラサラ…「こういうことですね?」
「モエモエ、ですな。悪くはない…」
そんなやりとりを永遠に繰り返さないためにも、モヤモヤをできるだけ言葉にしてから創作を委ねようと思います。
ごみたこずえさんへ。
僕は最近ずっとモヤモヤしています。今までに感じたことのない窮屈な流れに社会が飲み込まれ始めているように感じます。人間が本来持っている理解力や想像力をスポイルして小さな枠にはめるような流れです。個人が強い個性を持って川面から飛び出そうとする力と、それを大きな流れに引き戻そうとする力の綱引きが、なんだかギクシャクとしていてモヤモヤとするのだと思います。この二つの力の均衡に僕は興味があります。
そもそも僕らの創作のエネルギーは、常識の枠を壊したいという強い破壊願望とセットになっています。人々の視点を常識的な日常から破壊した枠の外に連れ出して解放し、刺激と感動を生み出すことができます。そうすることで創作者の鬱屈した破壊のエネルギーには価値が生まれ、昇華されると思うのです。
あ、そうか! ごみたさんには僕がモヤモヤと感じている窮屈な流れの源流をつきとめて、現代人を捉えているちっぽけな枠を創作の力で破壊して欲しいんだと思います。この強い流れの只中にあっても人間を川底に繋ぎとめる杭となるものは何か。隠喩ですよ。あるいは、人間を大河から空に引き上げてくれる綱は何か。それを探りながらいっしょに物語を考えてみたいと思います。
たぶん僕は今回の絵本の創作を通して、現代社会の流れに飲み込まれた人々と、流れの外にある大きな世界とを繋いでみたいんだと思います。
遠い昔に生きた人々から次の世代へ、そのまた次の世代へと脈々と受け継がれてきた生きる知恵を、僕らの次の世代へと遺したいんだと思います。
地域共同体が存続することで人々が受ける恩恵と、個人が担う役割の重さについて納得できる落としどころを探ってみたいんだと思います。
それらを通して、現代の抗い難い流れに飲みこまれている私たちと、時間を超えた大昔や未来の人々との繋がりや、広い世界との繋がりや、様々な生命との繋がりを描いて欲しいと思います。大河から空高く舞い上がって、まだ知らない世界と人との関係を見てみたいのだと思います。
大昔から語り継がれてきた神話や昔話が持つダイナミズムは破壊力抜群です。子どもの頃の柔軟な感受性は、隠喩に満ちたシンプルな物語をそのまま受け入れていましたが、大人になってからそれらを読み直してみると、その発想力のスケールには脱帽です。
今回の絵本で描く物語の世界では常識的な表現に囚われず、不可解さも理不尽さもナンセンスもまるっと内包した世界を舞台にして、ダイナミック且つユニークなタッチで描いて欲しいですね。
この物語は『サクラクエスト』の創作から続く『桜ヶ池クエスト』の活動を通して、僕がこの地域で生活をしながら立てた『問い』をエンターテインメントにしたいと考えているものです。
なので、作品世界は間野山や南砺市の風景をモチーフにしたファンタジーにしてみたいと考えています。例えば、物語の舞台になる村はとてつもなく大きな魔物が棲む魔の山に囲まれていて、その中央には大きな池があるとか。村の住人は愛嬌のあるいろんな種類の動物たちがいいな。
魔物の踏み鳴らす足音は雷のように大地を震わせる。魔物が鼻息で村の全土を凍てつかせるのが冬の到来。その一方で、春になれば魔物の巨大な糞が村の大地を肥沃にして植物の恵みをもたらすとか。村人は昔からこの傍若無人に振る舞う魔物に畏敬の念を抱いていて、誰も魔物には近づかず魔の山の向こうの世界を見た村人はいないとか。
今から三百年前、外の世界からやってきた旅人がこの村で倒れているのです。村の若者たちは旅人が語る遠い世界の様子に魅せられるようになりました。やがて村人の中から、魔の山越えに挑む村の勇者たちが現れるのです。
ごみたこずえさんへ。こんな世界で繰り広げられる物語です。物語のアイデアは膨らみますでしょうか? もっと僕の情報が必要なことがあればどんどん訊いてください。これから桜ヶ池の湖畔を散歩しながら妄想を膨らませてみようと思います。
あ、もう一つだけお願いがありました。この物語の登場キャラクターの中で、勇者たちの伝説を代々村人に伝える語り部は、長老のヤギ婆さんにしていただきたいのです。どうしても、それだけは決まっているんですね。
何卒宜しくお願いいたします。
リターン
5,000円

①基本コース
■『桜ヶ池ファミリア』絵本1冊
※一般販売に先がけてお届けいたします。
■プロジェクトからのお礼状
- 申込数
- 38
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2019年8月
10,000円

③基本+サイン入り絵本コース
<5月24日追加>
■声優・能登麻美子さん出演の「桜ヶ池ファミリア」朗読イベントチケット優先購入権(ご支援一口につきお一人様分)
※チケットをお申込いただく際は、別途チケット代金(税込5,000円)が必要となります。
-----
■『桜ヶ池ファミリア』絵本2冊(1冊は原案・堀川憲司、作・ごみたこずえのサイン入り)
※サイン入りの1冊は、一般販売に先がけてお届けいたします。
※もう1冊は、あなたが「この物語を読んでほしい」と思う、どなたかお一人へお届けいたします。
(会社や団体、学校などへもお送りいただけます。その場合必ず事前に許諾を得てください)
■プロジェクトからのお礼状
- 申込数
- 45
- 在庫数
- 55
- 発送完了予定月
- 2019年8月
5,000円

①基本コース
■『桜ヶ池ファミリア』絵本1冊
※一般販売に先がけてお届けいたします。
■プロジェクトからのお礼状
- 申込数
- 38
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2019年8月
10,000円

③基本+サイン入り絵本コース
<5月24日追加>
■声優・能登麻美子さん出演の「桜ヶ池ファミリア」朗読イベントチケット優先購入権(ご支援一口につきお一人様分)
※チケットをお申込いただく際は、別途チケット代金(税込5,000円)が必要となります。
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■『桜ヶ池ファミリア』絵本2冊(1冊は原案・堀川憲司、作・ごみたこずえのサイン入り)
※サイン入りの1冊は、一般販売に先がけてお届けいたします。
※もう1冊は、あなたが「この物語を読んでほしい」と思う、どなたかお一人へお届けいたします。
(会社や団体、学校などへもお送りいただけます。その場合必ず事前に許諾を得てください)
■プロジェクトからのお礼状
- 申込数
- 45
- 在庫数
- 55
- 発送完了予定月
- 2019年8月

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