今日は山中温泉にまつわるお話です。

 

山中温泉〈道明が淵の龍伝説

 

『ある長雨がおさまった日、一人の娘さんが、音を立て渦をまく濁流を見ていると、巨大な龍が爪を逆立てながら現れ、娘さんを飲み込もうとしました。そこに、一人の若者が立ちはだかり、龍の背中にまたがって、黄金の太刀で、一瞬にして急所をつき、龍をおとなしくしてくれました。命を救われた娘さんは、若者に「名前をお教えください」と尋ねました。でも若者は「道明」とだけ名乗り、姿を消してしまいました。

娘さんは若者にどうかもう一度会いたいと毎日医王寺に行って、薬師如来に念じました。すると道明の姿がかすかに現れました。娘が「あなたはどなた様ですか?」と聞くと、「わたしは龍頭観音。龍とともに天に昇ります。わたしに会いたければ、薬師如来を拝みなさい」と告げて姿を消しました。道明は龍頭観音だったのです。村人たちはいつしかこの淵を「道明が淵」とよぶようになりました。』

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