讃岐国分寺【空海の大日如来像】史上初の完全再現にご参加を！｜最終章

仏像の背後、お堂全体では中央付近にある二天柱の漆塗り作業を行っております。

香川県三豊市の光彩工房さんが丁寧に補修後、乾燥とを挟みつつ、重ね塗り作業を続けてまいりました。

補修前は全体的に経年劣化による白化といって、白っぽくザラザラになっていました。いたるところに細かいひび割れや、打痕が多数あり、当初は悪い部分のみを塗り足しで補修する方針でした。

実際に傷を埋める作業を着手しますと、それは全体に及び、結局、塗り重ねは全面的に行った方が良いという専門家の判断でしたので、そのプロの判断にお任せいたしました。施主として、絶対に譲れない、譲るべきではない部分と、プロの判断にお任せした方が良い結果になる部分と、どちらなのか、その判断はこれまでに何度も直面しました。仏像づくりでもそうですし、お堂の改修プラン・デザインについても、です。今回は、全面的にプロの職人さんのご判断に任せることにいたしました。

これは裏堂、つまり仏様の背後からの撮影なのですが、今回のプランでは、特別堂内拝観時には、

仏像の背後に回ってぐるり３６０度から八頭の獅子や、大光背の裏に描かれた仏画など、仏像のすべてを見て頂くことができます。普通のお寺の拝観では、仏像の横や背後から、３６０度見ることができるというケースは滅多にありません。たいていの場合はお厨子に入っていますし、背後は壁であることがほとんどです。

今回、私はお大師様が構想した大日如来像のすべてを、ご支援者様をまず第一とする、拝観者の皆様に、余すところなく見て頂けることを、最優先事項として取り組んで参りました。見て、感動して頂く、見て、お大師様の想いを感じて頂くために作った仏様ですので、「全部見て頂く」ことに徹底的に拘り、その点では彫刻家や建築家と意見が対立することもありましたが、その点だけは絶対に譲りませんでした。

皆で作った今回の仏像を、関係者だけが全てを知るのではなく、あらゆる角度から死角なく見て、感動して頂きたい、それが私の願いです。そうすることで、より強く、身近に、お大師様からのメッセージを皆様に感じて頂けると信じております。

皆さんの喜ぶお顔を拝見するのが楽しみです。

お参り、お待ちしております。ご支援、まことにありがとうございます。こうして、有効に活用させていて抱いております。