瀬戸内カヤック横断隊 瀬戸内海の過去と未来を映像と書籍で伝えたい。

支援総額

5,114,000

目標金額 4,000,000円

支援者
252人
募集終了日
2023年11月30日

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2023年11月26日 22:40

傍流から大切なものを見続ける/ 本記録にかける意味

 本プロジェクトをご支援いただき、ありがとうございます!本隊は江田島(えたじま:広島県江田島市)を離陸して、柱島(はしらじま:山口県岩国市)に入りました。

 

 

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 さて、あとわずかな期間ですがクラウドファンディングは継続しています。NEXT GOALとして600万円を掲げて、よりよい取材のためにご支援を募っている次第です。当初通り、伴走船等への謝礼や取材費用として貴重に使わせていただく予定です。

 

 そこで考えるのは、「よりよい取材のために」とは何を指すのか?というお話です。もちろん今回の海旅の中でも、再び現地に戻って聞き取りを行う必要のある地域も多く残っています。

 

 そこで、この記録をどのような信念を以て形にしていくのかというお話をさせていただければと思います。
 
 実は明日から入る予定の瀬戸内のハワイ、周防大島(すおうおおしま:山口県周防大島町)は民俗学者、宮本常一の出身地としても名を馳せています。全国各地のフィールドワークを行い、著作「忘れられた日本人」をはじめとして膨大な資料を残し、離島と本土の格差への問題意識から離島振興法の制定に尽力するなど、民俗学者の枠に収まらない活動を展開し、「旅する巨人」とも呼ばれました。

 

 若き日の宮本は、郵便局員、小学校教員を経て、自身の民俗調査を公私にわたり支援し続けた渋沢敬三と出会います。渋沢が主宰するアチック・ミューゼアムに研究員として招かれ、渋沢家に拠点を置く日々が始まった頃、以下のような教訓を受けたと語っています。

 

「大事なことは主流にならぬことだ。傍流でよく状況をみていくことだ。舞台で主役をつとめていると、多くのものを見落としてしまう。その見落とされたものの中に大事なものがある。それを見つけてゆくことだ。人の喜びを自分も本当に喜べるようになることだ-」
                          -民俗学の旅 (1978)  宮本 常一

 

 渋沢のこの言葉は宮本の人生訓にもなり、その後の活動の推進力になったことを、著作から伺い知ることができます。私たちもプロジェクトを企画する時点から、この言葉の力強さを意識していました。

 

 

 仮に陸路の整備された道路環境を動力で進むことを主流と呼ぶならば、間違いなく瀬戸内カヤック横断隊は、傍流として瀬戸内の島々を見続ける旅でした。毎年7日間、雨に打たれても風に吹かれても目的地までの航海を狙う。その過程で島の浜に上陸し、焚き火の煙を浴びての寝食を繰り返す。この日々における島は単なる僻地でなく、私たちの精一杯の1日を過ごすための縁(よすが)としての偉大な存在です。その恩恵に預かる日々の積み重ねから、先人からの記憶が薄らいだ海の道を少しずつ20年かけて拓いてきました。

 

 

 つまり私たちは、主流の価値観では重きを置かれていない営為や残された道具から、望ましい瀬戸内海、海の未来を描くことに賭けているのです。 取材から得た断片から、リアリティを掴みとるように。

 

 

 この旅の中で拾い集めた言葉は、日本列島が大きく改造される最中において、その前の姿の輪郭をかろうじて残す点ほどのものです。そして時間の経過とメディアの変遷により、その筆跡が急速に薄れることも避けられません。また、昨今の新型コロナウィルスのように、過去からの時系列にない事象が前触れもなく現れ、戻ることができない大きな分断を残す可能性も常にあります。

 

 それでも、そんなときだからこそ、我々は主流でなく、傍流を意識して行動をしないといけないのです。海と共に暮らしてきた人々の喜びや悲しみの声、自立のために工夫された道具に詰まったものを想像しながら。

 

 

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 昭和35年(1960年)に中国新聞社から出版された「瀬戸内海」という、高度成長期に突入している瀬戸内の島々の現状や課題を記録した上下巻の書籍があります。宮本はその書籍の監修をしており、下巻の最後に読後の感想と併せて持論を展開しています。

 

「とにかく、内海の現状と問題点は本報告に提示せられた。そしてこの事実をもはや無視することはできない。そしてそれへの回答は、実践を通してのみ得られるものである。しかもこのためには、深い知識や技術を必要とする。これらの知識や技術は、郷土人が持つことによって威力を発する。」
                       -瀬戸内海 下巻 (1960)  宮本 常一 

 

 本プロジェクトは宮本常一の活動へのオマージュではありません。しかし、宮本があるべきと考えていた郷土人の実践の一つになりえるものと考えています。

 

 私達が手漕ぎの舟で海を越えながら見つめ続けてきたことが、一つの歴史として、豊かな瀬戸内海を取り戻す一助になることを信じ、可能な限りの視座を拾い集めたいと思っています。

 

 あと4日になりましたが、ご支援をいただければ幸いです。

 

 繰り返しになりますが、本隊は明日から宮本の故郷、周防大島に入る予定です!最後まで応援よろしくお願いします!

 

 

リターン

5,000+システム利用料


クルーメンバーコース

クルーメンバーコース

●お礼のメール
●瀬戸内カヤック横断隊クルーメルマガの配信(希望制)
2023年末まで行われる瀬戸内カヤック横断隊の旅のメルマガを配信します。週一回の配信でリアルな海旅の様子をお届けします。
●瀬戸内の残したい風景ポストカードセット
●プロジェクトクルーカード
今回のプロジェクトにご賛同いただいた証として、クルーカードを作成してお渡しします。

申込数
21
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年3月

10,000+システム利用料


書籍コース

書籍コース

●書籍(2025年発行予定)
※瀬戸内の過去と未来を形にし、皆様のもとへお届けします。

●書籍にお名前掲載(希望制)

●お礼のメール
●瀬戸内カヤック横断隊クルーメルマガの配信(希望制)
2023年末まで行われる瀬戸内カヤック横断隊の旅のメルマガを配信します。週一回の配信でリアルな海旅の様子をお届けします。
●公式HPにお名前を掲載(希望制)
●瀬戸内の残したい風景ポストカードセット
●プロジェクトクルーカード
今回のプロジェクトにご賛同いただいた証として、クルーカードを作成してお渡しします。

申込数
94
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2025年12月

5,000+システム利用料


クルーメンバーコース

クルーメンバーコース

●お礼のメール
●瀬戸内カヤック横断隊クルーメルマガの配信(希望制)
2023年末まで行われる瀬戸内カヤック横断隊の旅のメルマガを配信します。週一回の配信でリアルな海旅の様子をお届けします。
●瀬戸内の残したい風景ポストカードセット
●プロジェクトクルーカード
今回のプロジェクトにご賛同いただいた証として、クルーカードを作成してお渡しします。

申込数
21
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年3月

10,000+システム利用料


書籍コース

書籍コース

●書籍(2025年発行予定)
※瀬戸内の過去と未来を形にし、皆様のもとへお届けします。

●書籍にお名前掲載(希望制)

●お礼のメール
●瀬戸内カヤック横断隊クルーメルマガの配信(希望制)
2023年末まで行われる瀬戸内カヤック横断隊の旅のメルマガを配信します。週一回の配信でリアルな海旅の様子をお届けします。
●公式HPにお名前を掲載(希望制)
●瀬戸内の残したい風景ポストカードセット
●プロジェクトクルーカード
今回のプロジェクトにご賛同いただいた証として、クルーカードを作成してお渡しします。

申込数
94
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2025年12月
1 ~ 1/ 14


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