治療を受けられずにいるウクライナの傷病者へ、日本でのリハビリ支援を

治療を受けられずにいるウクライナの傷病者へ、日本でのリハビリ支援を

支援総額

13,142,553

目標金額 9,500,000円

支援者
660人
募集終了日
2023年5月26日

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2024年04月11日 10:07

ウクライナ傷病者に対するリハビリ支援事業の終了報告

 ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まり、令和6(2024)年2月24日で、2年が経過しましたが、戦闘はいまだ続いており、ウクライナ国民に多くの被害者が出ています。NPO法人SunPanSaは、令和5(2023)年1月に、ウクライナ傷病者とその家族を三重県内に受け入れて、リハビリ治療と生活支援を行う事業を企画しました。傷病者のリハビリ治療(義肢を含む)と滞在中の生活支援には多額の費用が必要なことから、資金調達を目的に、READYFORによるクラウドファンディングを実施させて頂き、令和5(2023)年3月31日の公開から5月26日の最終日までに660人に及ぶ多くの皆様からご支援をいただき、最終的な支援総額は、13,142,553円となりました。この資金をもとに、ウクライナ傷病者3名(上肢切断)とその家族2名の計5名を三重県松阪市に受け入れて同年4月から9月までリハビリ治療と生活支援を行い、5名全員が無事に帰国されました。多大なご支援を頂いた皆様に、この場を借りて御礼を申し上げるとともに、本事業へのご理解を深めて頂くために、事業の詳細につきご報告をさせて頂きます。

 

<NPO法人SunPanSaの設立について>

 令和4(2022)年2月にロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まり、多くのウクライナ避難民が発生し、日本でもウクライナ避難民の受け入れ事業が始まりました。私たちは、このような状況を受けて、三重県内でがん患者とその家族や、がん研究を支援するためのチャリティ活動を行ってきた任意団体「生命の駅伝の会(https://ekidenforlife.com/)」の医師たちが中心となり、ウクライナ・日本・ポーランド国民に対して、平和と交流に関する事業を行い、友情の促進に寄与することを目的として、令和4年9月に本法人を設立しました(本部:三重県松阪市、理事長:上村眞由)。SunPanSaは、3国の花(ひまわり、パンジー、桜)の頭文字から名付けました(https://sunpansa.com/)。

 

<ウクライナ傷病者リハビリ支援事業計画までの経緯>

 本法人の設立記念シンポジウムを令和4年10月に開催し、ウクライナ人講師からウクライナの現状を生の声で届けてもらいました。ロシアのウクライナ侵攻により、多くの軍人・市民が死傷し、さらに医療機関も被災していますが、傷病者のリハビリ治療がほとんど行われていないことを知りました。

 

 

 本法人の役員には医師が多いことから、「ウクライナ傷病者の支援、特に四肢切断後の社会復帰に向けたリハビリ支援」の検討を始めました。令和4年11月に本法人役員、三重大学医学部附属病院幹部、日本ウクライナ友好協会役員が三重大学医学部附属病院に集まり、「ウクライナ傷病者のリハビリ支援事業」につき協議を行いました。また、本事業に対して在日ウクライナ大使館より後援名義の使用許可も取得することができました。同年12月に、日本ウクライナ友好協会より、傷病者リストの提供を受けました。令和5年1月に、四肢切断リハビリの専門医と協議し、6名のリストを作成しました。三重県内に受入患者用のリハビリ専門施設を確保し、外務省への問い合わせを行い、傷病者の受け入れは可能との返事を頂きました。このような状況を顧み、本法人は他の団体(松阪市、鈴鹿市、桑名市の各職員)と協力して、ウクライナ傷病者のリハビリ支援を目指す事業を計画しました。

 

<ウクライナ傷病者リハビリ支援事業計画の立案>

 本事業の目的は、ウクライナの傷病者で四肢切断を余儀なくなされた方で、急性期の治療が完了し、義肢作成の適応がありと判断できた方を三重県内のリハビリ治療施設に受け入れて、社会復帰に向けた支援を行うことです。四肢切断の傷病者がリハビリ支援をうけることで、自国に戻り社会復帰を果たせる可能性が高まり、この事業が継続され、対象者が増加することで、ウクライナへの国際的な支援となることが期待されます。
(1)事業時期(予定):令和5年4月~令和6年3月

(2)場所:三重大学医学部附属病院、松阪市、鈴鹿市、桑名市

(3)受け入れ予定者数:傷病者6名~12名

(4)四肢切断の初回受入傷病者:6名とその家族2名。

 ① 47歳、男性(右上肢切断)、② 44歳、男性(左前腕切断)、③ 51歳、男性(右上腕骨遠位3分の1の高さの切断)、④ 32歳、男性(左前腕下3分の1の高さの切断)、⑤ 51歳、男性(左上腕骨上3分の1の高さの切断)、⑥ 37歳、男性(左上肢、肩切断)。

 傷病者6名とその家族2名の渡航手続きの後、ワルシャワへ移動、ワルシャワ・ショパン空港発→中部国際空港、中部国際空港→バスで三重大学医学部附属病院(サポートメンバーは本法人と日本ウクライナ友好協会)で初期診療後、3グループ(松阪市、鈴鹿市、桑名市)に分かれる。

 初期診療:三重大学医学部附属病院リハビリテーション科→義手を含めたリハビリ計画の作成と受入病院の決定。

 入院または外来リハビリ施設:入院リハビリが必要な傷病者は三重県済生会明和病院で入院治療。外来リハビリの傷病者は、鈴鹿市か桑名市のリハビリ施設で治療。多職種で日常生活の活動設定表を作成する。

 松阪市(2名+付き添い2名)、鈴鹿市(2名)、桑名市(2名)にそれぞれ住居(公営住宅・市からの補助で無償)を用意する。

 本法人と日本ウクライナ友好協会の関係者(通訳)による通所リハビリへの送迎、日常生活のサポート。

 ウクライナへの帰国:治療期間が終了したグループがあれば、次のグループ(2人)の受入を開始する。治療期間を6ヶ月とし、1年間に10~12名を受け入れる予定。

 初回受け入れに必要な経費の試算:義肢制作費等を含む医療費(10割負担)400万円、交通費・通信費等200万円、生活費250万円、その他経費100万円、計950万円

 

<ウクライナ傷病者リハビリ支援事業の実施内容>

 当初の計画では、ウクライナ傷病者6名(いずれも上肢切断)を三重県の松阪市、鈴鹿市、桑名市で各2名受け入れてリハビリ支援を行う予定でしたが、三重県内には上肢切断リハビリの専門医と理学療法士・作業療法士が少なく、特に能動義手や筋電義手を使ったリハビリ治療の経験がある施設は限られており、これが可能なのは三重県済生会明和病院であることが分かりました。そこで、済生会明和病院長をはじめ、上肢切断リハビリの専門医のご協力と、済生会明和病院の理学療法士・作業療法士、看護師、事務職員のご支援を頂くことになりました。本法人役員、日本ウクライナ友好協会、済生会明和病院関係者、松阪市職員が集まり、リハビリ治療と生活支援の具体的な協議を重ねました。その結果、リハビリ治療は週2回の外来通院で行い、治療中の通訳は日本ウクライナ友好協会から派遣して頂き、医療費の支払いは当法人が行うことになりました。住居については、松阪市から市営住宅を無償で提供して頂くことになり、さらに松阪市民のお一人からは一軒家の無償提供を頂きました。家具や日常品の手配は当法人が行い、傷病者とその家族への毎月の生活費の支払いも当法人が行うことにしました。また、済生会明和病院までの通院は電車(当初は当法人関係者が同行)を利用することにしました。

 令和5(2023)年4月5日から、当法人の理事長と日本ウクライナ友好協会関係者が、ウクライナまで傷病者6名とその家族2名を迎えに行き、4月9日に関西国際空港に到着されました。当法人が用意したバスで空港まで迎えに行き、4月10日にウクライナ傷病者6名(いずれも上肢切断)を松阪市に受け入れ、当法人が用意した住居にて日本での生活を開始されました。4月14日に、済生会明和病院にて、専門医による6名の診察が行われ、こちらが用意していた能動義手(機能が残された身体の部分の動きを利用し、任意の動作を可能にするもの)によるリハビリ治療を提案しました。ところが、6名の傷病者はヨーロッパで普及している筋電義手(筋肉に発生する表面筋電位の出力量によって動作制御される義手で、バイオニック・ハンドともいう)によるリハビリ治療を希望されました。そこで、こちらが提案した能動義手によるリハビリ治療に同意されるかどうか考えて頂くために1週間の猶予期間を設けました。4月21日の再診時には、こちらが提案した治療に同意をされた3名が受診し治療を開始することになりました。残りの3名は治療への同意が得られず、4月28日にウクライナに帰国されました。

 再受診された3名の傷病者を改めて診察したところ、1名は筋電義手、2名は能動義手によるリハビリ治療が適切と診断され、これに同意されました。4月25日からこの3名の傷病者とその家族2名の計5名に対して、リハビリ治療(週2回通院、1回3〜4時間)と生活支援を開始しました。3名とも仮義手を用いたリハビリ訓練を積極的にされ、筋電義手によるリハビリ治療の1名は5月下旬には本義手の作成を行い、6月16日にリハビリ治療が終了し、6月24日に帰国されました。能動義手によるリハビリ治療の2名は、8月上旬より本義手を用いたリハビリ治療が開始され、義手の微調整がなされながらリハビリ訓練を積極的にされ、9月8日にはリハビリ治療を提供して頂いた済生会明和病院にてリハビリ治療修了式を迎えることができました。ウクライナ傷病者2名とその家族2名の計4名は9月11日に関西国際空港から帰国の途に就かれました。

 この間の出来事とリハビリ治療を7分のビデオにまとめましたので、下記のURLからダウンロードして視聴してください。

 

https://youtu.be/1n1ameJsekI

 

 

 

 

 今回のウクライナ傷病者リハビリ支援事業の支出額の概略ですが、医療費500万円、生活費270万円、旅費380万円、計1,150万円となりました。

 収支報告書は下記になります。

 

<今後のウクライナ傷病者リハビリ支援事業について>

 ウクライナ傷病者のリハビリ支援について、さらに2名の受け入れにつき、令和5年11月からウクライナ政府に問い合わせをしていました。しかし、日本までの渡航費、義肢にかかる費用を含めた医療費が高額となること、日本ウクライナ友好協会からの通訳の派遣にかかる人的負担が大きいことなどの課題が指摘されました。令和6年1月の時点で、ウクライナ政府は、費用や義肢の調達の観点から、傷病者のリハビリ治療は近隣諸国で受けることを推奨していることが判明し、ウクライナ傷病者の受け入れは極めて困難な状況となっています。

 従って、本事業はこれで終了とさせて頂きます。多くの方々から多大なご支援を頂き、誠にありがとうございます。

 

<ウクライナに対する医療支援と生活支援:これまでと今後>

 本法人は、上記以外の支援事業として、ウクライナへの中古救急車輸送事業も行っています。その内容をご紹介します。

 令和4年11月に、ウクライナ支援事業について当法人と事業提携を結んでいる日本ウクライナ友好協会からの情報をもとに、日本で不要となった中古救急車を入手し、ウクライナまで輸送する事業を開始しました。同年12月下旬、全国の消防署(712箇所)に手紙で支援を呼びかけるとともに、令和5年1月19日に松阪市役所で記者会見を行ないました。
 その結果、1台目の救急車は、同年2月2日に三重県多気郡大台町で救急車(2009年2月から大台町・大紀町・南伊勢町で人命救助に活躍した奥伊勢号)の贈呈式が行われ、2台目は栃木県から救急車の提供があり、この2台をまとめて2月27日に横浜港を出港し、4月20日にウクライナに到着しました。3台目は、鹿児島県大島郡瀬戸内町から救急車(2008年8月から15年間稼働し出動件数は約5100件)の提供があり、令和5年6月29日に現地で贈呈式が行われ、9月18日にはウクライナに到着しました。ウクライナに輸送された救急車は現在、ウクライナ南部のヘルソン州とムィコラーイウ州で活躍中です。4台目は、昨年と同様に三重県多気郡大台町で救急車(2010年10月から2023年11月まで使用され、内部にはストレッチャー、医療機器等も備わる)の提供があり、令和6年2月21日に贈呈式が行われました。さらに5台目は、松阪地区広域消防組合から提供(なお5台いずれも無償提供)があり、3月14日に贈呈式が開催されました。3月28日には、第4号・第5号の救急自動車が横浜港からベルギー・ポーランドを経由して、ウクライナに向けて出航しました。今後もこの活動は継続させて頂きます。

 詳細については、https://sunpansa.com/ambulance/ を参照してください。

 

 

リターン

5,000+システム利用料


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5,000円コース

・お礼と活動報告のメールをお送りします
・SunPanSaのHPにお名前を掲載させていただきます(希望制)

支援者
214人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年7月

10,000+システム利用料


alt

10,000円コース

・お礼と活動報告のメールをお送りします
・SunPanSaのHPにお名前を掲載させていただきます(希望制)

支援者
268人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年7月

30,000+システム利用料


alt

30,000円コース

・お礼と活動報告のメールをお送りします
・SunPanSaのHPにお名前を掲載させていただきます(希望制)

支援者
51人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年7月

50,000+システム利用料


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50,000円コース

・お礼と活動報告のメールをお送りします
・SunPanSaのHPにお名前を掲載させていただきます(希望制)

支援者
34人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年7月

100,000+システム利用料


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100,000円コース

・お礼と活動報告のメールをお送りします
・SunPanSaのHPにお名前を掲載させていただきます(希望制)

支援者
13人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年7月

300,000+システム利用料


alt

300,000円コース

・お礼と活動報告のメールをお送りします
・SunPanSaのHPにお名前を掲載させていただきます(希望制)

支援者
3人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年7月

500,000+システム利用料


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500,000円コース

・お礼と活動報告のメールをお送りします
・SunPanSaのHPにお名前を掲載させていただきます(希望制)

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年7月

1,000,000+システム利用料


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1,000,000円コース

・お礼と活動報告のメールをお送りします
・SunPanSaのHPにお名前を掲載させていただきます(希望制)

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年7月

3,000,000+システム利用料


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3,000,000円コース

・お礼と活動報告のメールをお送りします
・SunPanSaのHPにお名前を掲載させていただきます(希望制)

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年7月

5,000,000+システム利用料


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5,000,000円コース

・お礼と活動報告のメールをお送りします
・SunPanSaのHPにお名前を掲載させていただきます(希望制)

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年7月

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