揺れるこころを見える化する「トーキングマット」子ども版を作りたい！

皆さんこんにちは。SDM-Japanの本間です。

 

プロジェクトも残すところあと４日となりました!!

皆さまのご支援で、トーキングマット子ども版のプロジェクトも94％まできております！本当にありがとうございます!(^^)!　そしてあと少しで達成となります。引き続きご支援をよろしくお願いいたします<(_ _)>

 

私は新潟県佐渡島で、障がいのある方々の支援をする相談支援専門員をしています。また、社会福祉士として、成年後見の受任もしています。

現在のクライアントは２歳から８９歳までと幅広い年齢の方々がいます。

最近は利用者さんの訪問に、トーキングマットのフルセットのバッグを持って出かけることも多くなりました。その日の話題や課題に合わせて、トーキングマットを使って、コミュニケーションの促進を図っています。

何回かトーキングマットを実施した利用者さんは、「あ、またカードやるの⁈」とバッグを見ると嬉しそうに言ってくれます。

 

誰もが自分のことを自分で考え・選び・決定していく権利がある

 

私が活動する障害福祉の現場では、数年前までは支援者や家族が『その方に最も良い方法を考えて決める』という支援が少なくありませんでした。そこに本人不在ということもありました。本人はわからないから、決められないからという理由であったかもしれません。

しかし、現在はどのような障害があっても、自ら考え・選び・決めていくことがあたりまえとなってきており、私たちSDM-Japanが取り組む意思決定支援は、その方に合った、考え・選び・決めていくことをサポートしていく取り組みです。誰もが、意思決定を権利として持っているのです。

しかし、いきなり「はい、決めてね」と言ってもすぐに決められませんよね。

やはり、子どもの頃から、意思決定をしていく経験を重ねていくことが重要なのかもしれません。

 

子どもの頃から希望を伝えていけるように

 

幼いから、子どもだから、と周りの大人が決めてしまう、という場面は多くありませんか？子どもたちが、自分の夢や希望を表明して、自己決定・意思決定してく経験をするチャンスを逃してしまっていませんか？

子どもでも、周りのサポートがあれば、夢や希望を語り、自己選択・自己決定をしていくことはもちろん可能です。今回のプロジェクトでご紹介している、トーキングマットこども版は、そのためのコミュニケーションツールとして活用することができます。

 

ライフステージに合ったトピックで

 

ここで、おひとりのトーキングマットの実践をご紹介します。

えりさん（仮名）は、高校２年生。高校卒業後に何がしたいか分からず、進路を決めることができないでいました。担任の先生から相談があり、早速トーキングマットを持ってえりさんに会いに行きました。

初めて会ったえりさんは、私の問いかけに対して、いつも先生や親御さんの顔を見ながら話しをする方でした。「え、どうだっけ」「なんて言えばいいの」「決めてよ」そんな言葉が何度も聞かれました。

今までは、先生や保護者が決めてくれていて、自分で決めることは少なかったと言います。

卒業後にやってみたいことを考えるため、トーキングマットの「くらしと自立」パックの「しごと/きょういく」のカードを使って話を始めました。

 

トーキングマットを進めていくうちに、えりさんが仕事をして給料を得たい、という希望が聞かれました。給料を得たいのは、好きなアニメのグッズやゲームを自分で買いたいことが理由だと言います。

そして、仕事の内容は力がいる仕事よりは、机に座ってじっくり取り組む仕事がよく、周りのサポートを受けられるとやりやすいとも話してくれました。

トーキングマットを行うことで、初めて会ったとは思えないほど、会話を深めていくことができました。そして、先生や親御さんからは、今まで聞くことのなかった本人の希望が見えてきたと驚かれていました。

えりさん自身も、「カードがあると話しがしやすかった」と話してくれました。

 

子どもの頃から、自分の希望を話すこと、決めていくことを練習することは、本人の生活で非常に大事なこととなっていきます。

また、ライフステージごとで様々な話題をトーキングマットで話していくことができます。

今回のプロジェクトでは、トーキングマット子ども版をご紹介していますが、子どもから大人まで使える「健康とウェルビーイング」のフルセットもご紹介しています。

ぜひ、様々な年齢、様々な課題の中での会話にトーキングマットをご活用ください！

 

　　　　　SDM-Japan　　理事　本間　奈美

　　　　　［認定社会福祉士(障害分野)・精神保健福祉士・相談支援専門員］