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四天王寺「七夕のゆうべ」存続の危機　コロナ禍・物価高で運営費不足

四天王寺（大阪市天王寺区）で毎年7月に開かれる「七夕のゆうべ」が、存続の危機にある。コロナ禍による中止を経て、今年は4年ぶりの開催準備を進めるが、物価高や協賛企業のコロナ倒産などで資金繰りが厳しく、来年以降の開催が危ぶまれている。夏の風物詩を守ろうと、地元住民らはクラウドファンディング（CF）に取り組む。

　七夕のゆうべは、聖徳太子が建立したとされる日本最古の官寺・四天王寺で2008年から開催されてきた。会場では、約400本のササでつくった全長27メートルのトンネルを約3万個のLED電球で飾り、天の川を表現。19年はのべ10万人が訪れ、願いを込めた短冊をササに結んだ。

　「火の車。今年は開催できるが、このままだと赤字もありえる。CFが集まらなければ来年の開催は厳しい」。地元住民らでつくる実行委員会の三宅英紀事務局長（52）は、そう話す。

　コロナ禍のため20～22年は中止。昨年には実行委の解散話も持ち上がったが、地元から存続を求める声が寄せられ、今年、4年ぶりの再開を決めた。

　しかし、毎年協賛に名を連ねていた企業の一部がコロナ禍で倒産し、協賛金は前回の7割程度しか集まっていない。その上、物価高で会場テントなどのレンタル代は高騰した。祭りへの出店業者も半数が廃業し、出店料収入も減った。

　足りない運営費を補おうと、実行委は5月から500万円を目標にCFを始めたが、6月30日の締め切りを前に約100万円しか集まっていない。目標額を未達成なら1円も受け取れない仕組みで、三宅さんは「祭りを守るためにご協力いただきたい」と訴える。

　未達成の場合も今年は7月7～9日に開催する。LED点灯は午後7時ごろから。入場無料。CFサイト「レディーフォー」（https://readyfor.jp/projects/tanabatanoyuube）から支援できる。問い合わせは実行委（06・6772・7739）へ。（宮坂知樹）