【皆さんへ】

 息子・希(のぞみ)は、妻のお腹にやってきて、生き、そして生まれ、33分後に息を引き取りました。希はずっと、私たちに抱っこされながら、私たちの声、腕の柔らかさ、温もりや匂いなど、たくさんのことを感じていたと思います。

 

 本当に、彼の人生は短かったのか――。私にはよくわかりません。でも、一瞬一瞬を積み重ねて今を生きるしかないというあり方なら、も私も変わらない。希には希なりの幸せがあったと、私たちは信じています。そう思えるのも、私たち親子を支えてくれた医療スタッフをはじめとする多くの方々のおかげです。希の背負った運命は、過酷でないとはとてもいえない。けれども、生きよう、生まれようとしている希がそこにいる。そんな希をほかの子と同じように祝福し、最後まで支えてくださいました。

 

【18トリソミーの仲間へ】

 希が亡くなって6年。Team18の仲間は今も、希の物語を聞いてくれたり、まるで自分の親戚のように話をしてくれたりします。希は、限られた方々としか直接は会えませんでした。でも、仲間のみんなが、それぞれの心の中で希を育ててくれている。体こそ大きくなってはいないかもしれないけれど、そんな気がします。何といえばよいか、希は、社会的な存在になった。私たちが希と日々喜びや楽しみを共にし、少しずつでも成長し、つながりを深められているように感じられるのも、そのおかげと思っています。

 

 希は、私たちや周りの人たちの心に、たくさんのものを残していってくれました。そして、息子がつないでくれたたくさんの縁に、私たち家族はずっと支えられています。面と向かって伝えたことはなかったけれども、みんな、ありがとう。

 

2018年元日

奥島希の父・俊輔

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