たくさんのエピソード

こんにちは。桜から新緑に変わり、あたたかい日も増えてきました。
どこか出かけたいな～と、本来ならウキウキする時季ですがコロナでもう少し我慢ですね。

本づくりも、インタビューができなくなったことや、父の体調に波があったり、子供たちが寝てからの夜中にしか作業が進まないこともあり・・・なかなか思うように形にならず焦っています。

支援いただいた方からこんなメッセージをいただきました。

「コロナは相変わらずですが、本の出版はいつ頃になりますでしょうか？心待ちにしています。母が高齢なので間に合わないとさみしいかなぁ～。せっかく楽しみにしているので読ませてあげたいと思っています。」

お母さまに読ませたい！と心待ちにして下さり、本当に励みになります。そして早く良き本を作らなくては・・・と気合も入ります。
本もリターンのお品も、できるだけ早いお届けのために頑張っていますが、ご遠慮なく気合を入れるためにも連絡入れてください。

父の戦争や東京でのエピソードは、インタビューしてもらった話については原稿ができています。でも、まだまだその何倍もの数のエピソードがあり、話を聞けていません。
どこまで本に盛り込むのか。悩みどころです。

今日は１つ、戦争時の話を綴ります。
父は7歳のとき、東京大空襲にあいました。
その日は、空襲警報が鳴り、空襲警報の鳴る間隔がどんどん短くなり、空襲が近くなったことを感じて逃げようとしました。
しかしもう爆撃により家が傾き、玄関の扉が開きません。
ようやくなんとか外に出て防空壕へ向かうと、すでに先に来た人たちであふれかえり、入ることができません。
仕方なく別の場所へ向かいます。お母さんが避難場所として知っていたのか？
「東京ハット」という帽子工場です。
そこも人だかりができていて、塀によじのぼる人がいたり、門はもう閉められる寸前。
父たちはギリギリのところで中へ入り、工業用ミシンの下へ隠れました。
空襲で工場のトタン屋根は無くなり、父のおにいさんがトタン板を持ってきて身体にかぶせて守ってくれたそうです。父は耳にやけどを負いました。
そのまま寝てしまったのか・・・空襲がおさまり外へ出ると、工場の塀の外は死体の山。そして、父たちが時間差で入れなかった防空壕は、中で蒸し焼きになってしまい皆が亡くなっていたそうです。

父は、逃げようとしたとき玄関が開かなかったり、ギリギリ工場に入れたこと、おにいさんがトタン板を持ってきてくれたこと、など、いくつもの事柄が重なり、命を失わずにすみました。

何年前かに父と現地を訪れてみましたが、帽子工場は無くなり、マンションが建っていました。
ちなみに、「東京ハット」は、渋沢栄一さんが創業した会社だそうです。
父たち一家が逃げ込んだ工場・工業用ミシンの画像、東京ハットホームページよりお借りしました。
出典：
TOKIO HAT | トーキョーハット ヒストリー　2021/04/29



このようなエピソードを、本にまとめています。
また進捗状況を報告したいと思います。