現在建造中の海人丸二号土台となる二隻のサバニが時間と共に形が見えてきました。

 

 

①フンドゥー打ち込みについて;

全て飫肥杉を接着する際には、”フンドゥー”と呼ばれる菱形の楔(くさび)を打ち込みます。その数、サバニ2隻でなんと合計350個を越えました。

フンドゥーの外枠をまず鉛筆でなぞり、まずドリルで穴を空けます。

その次にノミで形を掘っていきます。

底板の取り付けだけでも100個以上必要です。

 

 

②側板接着:

まず最初にサバニの外側になる側板(そばいた)の接着作業。海人丸は外洋を渡る船ですからガンネル(船の横の高さ)を高くデザインしました。その分材料の飫肥杉の幅が足らず、複数枚の板を繋ぎ合わせる必要がありました。色々と試した結果、相性のいい接着剤を見つけフンドゥーの打ち込みと併用し強度を出しました。

 

 

③側板デザイン・掘り込み;

ガンネルの高さを十分にだせる側板の原型を接着後、次は内側の形状をデザインしました。これは通常のサバニ船には見られない海人丸二号独特の工夫です。目的は外洋航海に耐えられるだけの強度と双胴船にする為に二隻をより頑丈に、しかも柔軟に繋ぎ合せる為(この工夫はサバニが出来上がった後の組み合わせ作業の時により明らかになります、)海人丸は伝統サバニ文化を尊重し、その良さを更に活かし遠くの海を渡るためにリデザインされた外洋航海用の船です。

上が内側、補強デザイン後に掘り込み作業を終えた後の側板、下は外側、飫肥杉を3枚繋ぎ合わせガンネルの高い特注サバニ用の側板です。内外両側で計150個以上のフンドゥーを打ち込みました。

 

 

④側板曲げ作業;

次は側板を徐々に曲げる、まさに伝統大工の匠な技術です。水平機を使って慎重に、そして時間をかけて力を加えながら曲げていきます。あまり急激に曲げようとすると当然板は割れてしまいます。高温多湿で育った宮崎日南特有の飫肥杉は国内で最も柔軟性に富んだ過ぎだと言われています。時間と共に見事に湾曲し、とても美しい船の形が見えてきました。

 

 

⑤底板とりつけ;

側板の曲げ作業が終わった後は、船の底辺部分になる底板(そこいた)の取り付けです。もともと沖縄の海人(漁師)はサンゴ礁に囲まれた浅い海域でサバニ漁をしていました。当然船の底を削ることもありますし、砂浜の上げ下ろしで日々ダメージを受ける船底を分厚い板がしっかりと守ります。

また、底の材料が最も重いため、波に揺られたサバニがちょうどヤジロベイのようにバランスを取ることも可能になります。現代ヨットにはキールと呼ばれる重りが付いていますが、まさにその役目を底板が果たしてくれるのです。しかもヨットが座礁してしまうような浅瀬の海もサバニは平気で滑走することができます^^

これは側板と底板の摺合せ(すりあわせ)作業です。何度も何度もノコを引き、時間をかけてピッタリと合せる匠の技は見事でした。

摺合せ作業が終わると、底板の余分な部分にノミを入れて削っていきます。内側から見ると分かる通り横(底)と縦(側)の面が見事に合っています。内側には双胴型・海人丸二号の独特のデザインが浮き出ていますね、

 

 

⑥船首、船尾加工;

船の先端には、この島一番のハーレー船大工の嶺井さん独自のオリジナルデザインにしていただきました。海を滑走する鳥のくちばしをイメージでき、とてもかっこいいです。船尾部分は外洋航海目的の二号が停泊地でアンカーリングできるような頑丈な作りと、更にこれまで長年航海プロジェクトに携わってきた僕のアイディアが詰まった部分です。完成をお楽しみに!!

 

 

⑦軽量チェック;

最終仕上げを除き、ほぼ9割完成した1艇目のサバニの計量をしました。当初、僕らが材料計算した時の重さは大目に計算し350kg予想でしたが、実際は240kgと100kg以上も軽く出来上がりました。強度や安全性を考えると軽すぎるのは問題ですが、砂浜の上げ下ろしや洋上での操船の扱い易さを考えるとこれだけ軽いサバニができたことは、正直驚きで嬉しかったです。理由は双胴型で航海することを目的としたサバニ作りなので、船底を極端に細く絞ったことで通常最も重い底板面積が小さくなったことが理由です。これは同時に単船サバニとしてもかなり早い船ができたことになりますね。これで2隻を繋ぎ合わせた海人丸二号は、総重量1トン以内に抑えられる目処がつきました。11月に入り台風の季節も過ぎ、秋の涼しい風で2隻目のサバニ建造作業は効率的に進んでいます。

 

そして同時進行で進めていた台車設計ですが、重さに耐えられる車軸の強度計算がずっとできず、色々と悩んでいましたが、シャフトの材料にステンを使うことを決めることができたので、こちらのほうもようやく前に進みました。

 

これまで何度も口にしてきましたが、アイディアを形にする全て手探りで進む海人丸二号建造プロジェクトは、これまで何一つ計算通りに物事が進むことはありませんでした。海を渡る旅は気象に左右され、材料を探す山登りも難航し、台風で材料が流され、腐食し、崖っぷちで挑戦した建造費を集める募金活動。全て苦労に苦労を重ねた末に辿り着いたラストチャンスで一つ形ができて、一歩前に進むことができました。

 

Ready forを通じて支援していただきました皆様のお陰で、サバニ伝統大工作業もようやく着工にこぎ着けた訳ですが、今年も度重なる台風が沖縄に接近しました。大工・嶺井さん親子は作業途中で台風対策を迫られ、僕も嵐の度に海人丸一号を守ることと、建造中の二号が心配で作業場に駆けつける骨の折れる日々でした。

 

日南・井上さんから寄付を受けた飫肥杉の腐敗進行が想像以上に悪化しておらず材料を無駄にしなかったこと、そして一隻240kgと想像以上に良い出来のサバニが誕生し、これまで肩に重くのしかかっていた重圧が一気に軽くなりました。この段階でサバニ建造工程を皆さんにご報告させていただくと同時にでもまだ気を緩めず、12月の進水式に向かって邁進したいと思います。

 

12月8日(日)はサバニ2隻の進水式の後、僕の暮らす海で家族SUPレースを企画しておりますので、是非皆さんにこの機会に海へ遊びに来てほしいと思います。地域仲間や地元小学生も沢山参加します。家族一同皆様のご来沖をお待ちしております、

 

今週末は、僕たちアスリート家族の大きな挑戦でもある全日本SUP選手権大会が静岡で開催され親子で上京です。やるからには勿論頂点を目指します、

 

Keep paddling. Taku

 

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