『正法眼蔵嗣書』草案本レプリカ作製プロジェクト完了のご報告
駒澤大学開校140周年・禅文化歴史博物館開館20周年記念事業「道元禅師真筆『正法眼蔵嗣書』草案本レプリカ作製プロジェクト」には、心のこもったご支援を賜り誠にありがとうございました。
改めまして、厚く御礼申し上げます。
クラウドファンディングは初めての試みでありましたが、駒澤大学に所縁のある方はもちろん、所縁のない方からも広くご賛同を得ることが出来、目標金額を大きく上回るご支援をいただきました。
当館だけでなく、このように多くの方々の思いを受けてプロジェクトを進められることがとても嬉しく、スタッフ一同その思いに応えられるようにと取り組んで参りました。
おかげさまで、第1期分として関西・西日本に所在する6箇寺7点の草案本及び香積寺副本のレプリカが無事に完成いたしました。
年明けより速報展として御披露目することが叶い、感慨もひとしおです。
しかしながら、レプリカを作製してただ展示するだけで満足するものではありません。
広く一般の皆様に禅や仏教への興味・関心をお持ちいただくことはもちろんですが、大学という研究機関が設置する博物館として、レプリカや高精細画像を広く教育研究の用に供して、『正法眼蔵嗣書』研究の深化・発展に寄与したいと強く思っております。
そうした広がりから、所在不明の草案本断簡の発見につながることも期待しております。
今回のプロジェクトは、貴重な草案本原本をお貸し出しくださった所蔵寺院のご協力なくして達成することは出来ませんでした。
この場をお借りしまして改めて感謝の意を表します。
誠にありがとうございました。
このようなプロジェクトを進めるにあたっては、学生、保護者、同窓生をはじめ関係者の理解と応援も欠かせませんでした。
プロジェクトに関わってくださったすべての皆様に御礼申し上げます。
最後になりましたが、引き続き北陸・東日本に所在している残りの草案本断簡のレプリカ作製に取り組み、修訂本と一堂に展示することを目指します。
今回の余剰金につきましても、第2期分レプリカ作製に有り難く充当させていただきます。
今後ともご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
【プロジェクトで達成できたこと】
・6箇寺7点の草案本レプリカ(掛軸)を各2本作製(1本は当館蔵、1本は所蔵寺院に献呈)
・香積寺副本レプリカを2冊作製(1冊は当館蔵、1冊は所蔵寺院に献呈)
・草案本出力紙を各1部作製
【収支報告】
・原資料運搬費(所蔵先6箇所⇔作製業者(京都)):159,500円
・原資料スキャニング費用(草案本7点):577,500円
・原資料スキャニング費用(香積寺副本):187,000円
・複製紙出力費用(草案本7点):19,800円
・複製紙出力+製掛軸装費用(草案本7点×2):1,225,400円
・複製紙出力+和装製本費用(香積寺副本×2):154,000円
・作製関連旅費交通費:88,670円
・複製作製、展示関係消耗品費:137,500円
・次年度以降複製資料調査費用:41,230円
・クラウドファンディング手数料等:722,755円
合計:3,313,355円
残金:551,645円
残金は、第2期(令和5年度)レプリカ作製費用に繰り越し、充当させていただきます。