ついに実現!全国の誰もが利用できる検査サービスが始動!
【支援者の皆様へ】
このプロジェクトは多くの方々のご理解とご協力により、実現することができました。研究室一同、改めて御礼申し上げます。また、プロジェクトが成功しただけでなく、この取り組みを通して、私たちは本当に多くのことを学ばせていただきました。何度も失敗を繰り返した後の成功とその達成感。これまで思いもつかなかった発見と驚き。知識や情報を相手に伝えることの難しさ。理屈ではなく気持ちと向き合うことの大切さ。互いに仲間を支え合いながらゴールを目指す一体感。そして何より、ご支援いただいた皆様とつながることができたことは、私たちにとってかけがえのない財産になりました。これからも人と人とのつながりを大切に、教育・研究・地域貢献に邁進してまいります。まだまだ道半ばではありますが、今後とも末永くお付き合いいただけたら幸いです。
【プロジェクトの結果について】
皆様からいただいたご支援により、検査サービスを全国へ展開するための体制が整いました。プロジェクト開始から1年と4カ月。本当にあっという間の時間でした。この間、私たちが最初に取り組んだことは、検査費用のコストダウンを実現するための新しい検査技術の開発でした。そこで目を付けたのが第3世代といわれるデジタルPCR技術です。デジタルPCRは極微量の試料(血液)でも、高精度にウイルスを検出できる最新の技術です。さらに、感染の有無だけでなく、感染量(ウイルス量)も計測することができます。これにより、ウイルスをたくさん放出している感染牛と、感染してるけどほとんど感染のリスクがない感染牛を見分けることができます。私たちはこの技術を確立し、国際科学雑誌で発表しました。
また、私たちはこれまでの研究で、ウイルスに感染しても牛の体内でウイルスが増えにくく、発症しにくい体質の遺伝子(抵抗性遺伝子)が存在していることを明らかにしています。抵抗性遺伝子を持つ牛は、感染しても他の牛にうつす心配もないので、安心して飼うことができます。しかし、体質遺伝子を調べるためには非常に高度で高価な検査技術が必要でした。そこで私たちは、その遺伝子を安価で簡便に調べる技術を開発し、実用化に成功しました。
その他、検査体制の整備として、検査スタッフの確保、トレーニング、事務システムの開発、マニュアルの作成などを行ってきました。そしてついに、全国の誰もが格安で検査を利用できるサービスがこの春スタートします。
【プロジェクトの収支について】
皆様の温かいご支援により、本プロジェクトにお寄せいただいたご寄附は8,776,000円となりました。これらの資金の多くは、検査試薬などの消耗品や検査スタッフの人件費に充てさせていただきました。また、クラウドファンディングを実施するにあたり、ウェブページなどシステムを利用するための経費にも充てています。この他、実験施設の光熱費、試薬やサンプルを輸送するための輸送費、微量採血用具の試作品製作等の雑費役務、大学の事務管理業務費として管理費に充てさせていただきました。金額の内訳は下表をご参照ください。
【収入内訳】 |
|
項目 |
金額(円) |
クラウドファンディング事業寄附金 |
8,776,000 |
その他 |
0 |
収入合計 |
8,776,000 |
【支出内訳】 |
|
項目 |
金額(円) |
消耗品 |
4,774,393 |
人件費 |
1,285,121 |
システム利用手数料 |
1,454,540 |
光熱費 |
76,960 |
輸送費 |
1,958 |
雑費役務 |
744,228 |
管理費 |
438,800 |
支出合計 |
8,776,000 |
【リターンについて】
本プロジェクトをご支援いただいた方へのリターンやギフトの対応が遅れております。大変申し訳ございません。準備が整い次第、順次ご連絡差し上げますので、今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。
【今後の展望について】
皆様からのご支援により、当初の目標であった簡易検査の全国展開は無事に達成することができました。この検査を通じて、一頭でも多くの牛が病気から守られることを願っています。一方、ネクストゴールである「微量採血装置」の開発はまだ終わっておりません。これまで試行錯誤しながら、様々な装置の仕組みやデザインを考案してきました。その第一弾が「ペン型」の採血装置です。
この研究成果は、アグリビジネス創出フェア2023で報告しました。特許も出願済みです。一刻も早くこの発明を製品化・実用化するために、関係機関と密に連携しながらスピード感を持って研究に取り組む所存です。引き続き、私たち研究チームを、そして宮崎大学をどうぞよろしくお願い致します。
プロジェクト代表
宮崎大学 関口 敏