プロジェクト終了のご報告
寄付者のみなさまへ
プロジェクト終了のご報告
本プロジェクトへのご理解とご支援、また温かい応援をいただき、誠にありがとうございました。
お陰様で、8か月間のクラウドファンディングプロジェクト「みんなに届く大空からのメッセージ
ドローン×レーザー投影」の活動を行うことができました。
皆様のご支援により、今年度実施できましたプロジェクト内容をお伝えします。
皆様からのご支援による主な活動
(2023年6月~2024年3月)
皆さまからのご支援により第一目標+αの活動費を確保できました。当初目標では第一および第二目標が「エンターテイメント技術」で、第三および第四目標が防災・避難誘導技術でした。プロジェクト発足後、本テーマの外部PRや外部交流を推進し、今後の実用性を鑑みて、開発の方向性を少し見直しました。
エンターテイメント分野以上に防災・避難誘導分野への本技術の適用の声が高いことがわかりましたので、本プロジェクト活動は、エンターテイメント分野と防災・避難誘導分野の共通となる基盤技術の構築を目標とすることにしました。
◆取り組み開発内容
①ハイブリッドドローンへの高出力プロジェクタの搭載と動作試験
長時間飛行を実現するため、夢洲実証実験に用いた高出力レーザープロジェクタおよび制御機器を改良し、エアロジーラボ(AGL)社製ハイブリッドドローンに搭載し飛行を行いました。プロジェクタをDC駆動にするとともに、付属機器も含めた小型軽量化で、1.6kgの軽量化を行い、これまでペイロード9kgの大型ドローン(サイズ1.5m)を用いていたのに対して、ペイロード5kgの中型ドローン(サイズ1.28m)への搭載でも飛行に成功しました。また発電機搭載のハイブリッドドローンにより航行時間が従来の5倍以上確認できました。
搭載したプロジェクタは地上からの動作制御を確認でき、昼間においても5m程度の高さから地上に視認できる像を投影できました。
今後、日没後の飛行で大サイズかつ明瞭な投影像の取得と空中スクリーンの使用で、より高い高度での投影像を得る予定です。
②ハイブリッドドローンへの高出力プロジェクタおよびスクリーンの同時搭載
レーザー空中サインシステムをより経済的に実現するには、1台のドローンでレーザープロジェクタとスクリーンを搭載することが有効です。プロジェクタ搭載ドローンの下側にスクリーンを吊り下げる構成は、2台のドローンを用いる場合よりもスクリーンのサイズや位置の自由度は制限されますが、投影の安定性の向上や地上への投影との併用も可能など、実用上のメリットは大きいです。
今後、下方向にスクリーンを吊り下げた状態で、ドローンの飛行と空中投影に挑戦する予定です。
③昼間の投影の見えやすさが改善できる透過型スクリーンの基礎検討
レーザー光による投影像は昼間でも見えやすいのが特長ですが、太陽光の影響でコントラストは大きく取れません。
今回スクリーン材料構成を検討し、コントラスト低下の原因となる太陽光の透過を抑え、コントラスト向上の検討を行いました。まだ検討段階ですが、視認性の改善が確認できましたので今後さらなる最適化を進めていきます。
④積載重量の拡大対応できる小型ドローンの探索
小規模の空中投影実験では、これまでは海外製の汎用小型ドローンを用いていましたが、搭載可能重量は500g程度で、低出力プロジェクタと小型サイズスクリーンしか搭載できませんでした。今回、国内製で1.5kgまで搭載可能な小型ドローンを見出し導入しました。現在立ち上げ中でありますが、今後は大学単独でもできる小規模実証実験に活用する予定です。
◆対外交流および外部PR活動
7/19-20 光・レーザー関西2023に出展
マイドーム大阪で開催されたオプトロニクス社主催「光・レーザー関西2023」のJPC関西ブースにてJPC関西10周年の特別企画として本テーマのレーザー空中サインシステムを出展しました。展示内容は、AGL社のハイブリットドローンの静展示に並べて高出力走査型レーザープロジェクタで投影を行いました。またピコプロジェクタ搭載小型ドローンと小サイズスクリーン搭載小型ドローンをそれぞれ天井からワイヤーで吊り下げて投影像のデモ展示を行いました。ノーベル賞受賞者の天野先生も見学に来られ、好評を得ました。
11/7-9 光とレーザーの科学技術フェア2023で連日講演
パシフィコ横浜で開催された「光とレーザーの科学技術フェア2023」にて以下の講演を行い、光・レーザー関係者への理解を深めました。
11/7 可視光レーザー走査技術の新展開 ―IoT照明ステーションから空中投影までー
11/8 レーザーとドローンによる空中描画ーEXPO2025PR活動とクラウドファンディング
11/9 レーザーとドローンによる空中描画システム ―大阪関西万博を目指して―
12/9 国際ディスプレイワークショップ(IDW2023)での招待講演
新潟市ときメッセコンベンションセンターで開催された国際ディスプレイワークショップ(IDW2023)にて講演し、ディスプレイ関係者にアピールをすることができました。
◆支援者への説明会の実施
11/27 プロジェクト状況説明会の実施(ZOOM)
クラウドファンディングの寄付収集状況、プロジェクトの活動状況と今後の計画について説明会を行いました。
エアロジーラボ社代表取締役 谷紳一氏よる特別講演「ハイブリッドドローンが世界を変える」に続き、協力団体として日本フォトニクス協議会関西(JPC関西)副支部長の豊田周平氏にも講演していただき、好評を得ました。
◆メディアへの広報活動(2023年)
2/6 テレビ大阪 やさしいニュース
夢洲実証実験の紹介
3/13 電気新聞 特集記事「楽しさ安心も宙に」
4/12 関西テレビ News ライナー
特集「万博まであと2年」 小型ドローンによる投影デモ
5/13 TBSテレビ 実験ジャパン
スタジオで本テーマの内容紹介
阪大レーザー研の案内、雲への投影実験に挑戦
7/18 テレビ朝日 謎解き伝説のミステリー
特集「先人の知恵に学ぶ地震対策」で防災最前線津波避難ドローンの紹介
その他、各種ネットニュースで多々紹介
ご支援金の使途(ご報告)
皆様からのご支援を以下のように使わせていただきました。 (単位 円)
・走査型高出力レーザープロジェクタ改造材料費 |
68,156 |
・ドローンへのプロジェクタ取付設計試作および飛行試験 |
379,500 |
・プロジェクタ動作制御機器一式 |
383,618 |
・プロジェクタ用描画ソフトおよびグレードアップ |
328,680 |
・走査型小型高出力レーザープロジェクタ |
162,800 |
・国産小型ドローン(含む登録費) |
330,900 |
・明所視認性改善検討用スクリーン材料 |
28,965 |
・デモ用透過型スクリーン一式 |
37,950 |
・保険料・送料 |
25,470 |
・クラウドファンディング手数料・管理等経費 |
784,960 |
合計 |
2,531,000 |
【リターンの発送状況】
支援者の方々への返礼品は順次対応していく予定です。
遅くなり申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
寄付者の皆様へのメッセージ
本プロジェクトは「大空の自由な位置に望むべく映像・画像を投影したい」という願いを実現しようとするもので、これまでその原理と実用性の検証を行ってきました。 今回、クラウドファンディングにおいて皆様のご支援でさらに一歩前に進みましたが、実用に結び付けるには、技術としてまだまだこれからブレークスルーが必要となります。 当然継続しての開発が必要で、今後どれだけ資金調達ができるかにかかってきます。
新年度(令和6年)に入り、起業化支援グラント等の募集が始まり、本テーマとしましても応募して採択実現に努め、継続開発のための資金調達を目指す所存です。 また、本テーマ着手の契機となりました大阪・関西万博も、開催まであと1年少しとなりました。現状費用面等の制約もあり大規模出展は難しい状況ではありますが、期間限定での出展や関連行事の参加にはまだまだ可能性を残しており、挑戦していきたいと存じます。
今後とも引き続きご支援の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。
令和6年4月吉日
「みんなに届く大空からのメッセージ ドローン×レーザー投影」
プロジェクト代表者 大阪大学レーザー科学研究所 教授 山本和久
開発責任者 大阪大学レーザー科学研究所 特任教授 石野正人