プロジェクト終了報告
この度は、当会のプロジェクトにご支援くださり誠にありがとうございます。
皆様からの多大なご支援により、ガダルカナル島沖に沈む、戦没輸送船の慰霊と探索を実行することが出来ました。
ご支援いただいた寄付金は全額、調査資金に充てさせていただきました。
本当にありがとうございました。
今回の探索は、ソロモン連邦政府(ソロモン諸島国立博物館)と共同で実施しました。2019 年 5 月にガダルカナル島(以下「ガ島」という)で実施した民間徴用船探索に続き、ガ島で補給作戦に任じ没した民間徴用船「山浦丸」「山月丸」、ガ島周辺で沈没したイ号潜水艦「イ-1号」「イ-3号」の探索と慰霊、カミンボ湾にて日本軍が撤退時に遺棄したと考えられる戦争遺棄物の探索を行うことを目的としました。
探索方法は、文献等から得た各々の沈没位置を探索することを前提に、まず探索前に現地協力者からヒアリングを行いました。そして、ある程度まで沈没位置を絞り込みダイバーによる潜水探索を行い、輸送船、潜水艦の確認を行いました。その後、マルチビーム測深機により計測を行い、船体の状態と周辺地形及び水深を把握しました。
その結果、
山浦丸、山月丸、イ-1 号潜水艦3 隻は、位置、船体の状況を確認することが出来ました。山浦丸の船体付近からは、対空砲の空薬莢(“昭”の刻印あり) と思われるものを発見しました。イ-3 号潜水艦は沈没水深が 500m~600m と深く船型が極細であった事と海中のうねりが強く、 2 日にまたがり探索を行いましたが発見に至りませんでした。カミンボ湾の戦争遺棄物については、湾内の海底地形が遠浅白地系の砂地であること、潮流が速く長い時間経過もあり発見に至りませんでした。
現地協力者および地元住民からのヒアリング(山浦丸、山月丸)
左:探索船 右:現地ダイバーによる探索(山浦丸、山月丸)
現地協力者
沈没艦船探索隊
山浦丸のダイバー 探索 結果
山浦丸近傍で発見された空薬莢と思われるもの
山浦丸のマルチビーム 探索 結果
山月丸のダイバー 探索 結果
山月丸のマルチビーム 探索 結果
イ 1 号 潜水艦のダイバー 探索 結果
イ 1 号 潜水艦のマルチビーム 探索 結果
慰霊
ガダルカナル島での陸戦及び海戦で国家安泰を捧じ戦没された英霊への感謝として慰霊を行いました。
海域での慰霊
イ-3号潜水艦沈没推定海域で日の丸と旭日旗(軍艦旗)とソロモン国旗を掲げお神酒と水等を供え、慰霊を行ないました。
イ-3号潜水艦 沈没推定海域にて慰霊
陸域での慰霊
平和祈念公園、ギフ高地でお神酒と水等を供え、慰霊を行ないました。
平和祈念公園にて慰霊
ギフ高地(左:岡部隊奮戦之地、右:パラナ村の戦争遺棄物)にて慰霊
今後の展望について
今後可能ならば、ガ島からブーゲンビル島間のソロモン諸島海域を、日本軍が艱難辛苦国運を掛けて戦った跡を訪ね、戦没艦船(輸送船・軍艦)の探索と戦死された英霊の慰霊を行いたいと考えています。
当会では、先の大戦で国運を賭して命をかけた亡き輸送船乗員(軍属)の英霊の顕彰とご冥福とこの事実を、後世に伝え来歴を記録していくことが重要であると考えていますので、今後もさらに活動を続けていきたいと思っています。
今後とも、皆様のご期待に沿いますよう全力を挙げて努める所存ですので、
何卒、皆様のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。